JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「友よ静かに瞑れ」

2024-05-15 | 映画(DVD)

「境界線に立ち続けた表現者 追悼 崔洋一」

「友よ静かに瞑れ」1985年 東映セントラルフィルム 監督:崔洋一

新藤剛は、旧友・坂口が下山建設の社長に刃物で斬りかかっり逮捕されたことを知り、多満里へやって来た。
「坂口はそんなことをする男じゃない。なぜ?」坂口の経営するホテル・フリーインに滞在し事の真相を探るのだが、ことごとく拒まれる。
町はすでに下山に支配されていたのだ・・・。

 

医師の新藤剛(藤竜也)は、沖縄の多満里地区に東京からはるばるホテルフリーインの経営者である旧友の坂口(林隆三)を訪ねた。しかし地元の住民からはフリーインの場所を聞いただけで胡乱な目で見られ、フリーインの客というだけで嫌われる。しかも当の坂口は警察の留置場にいた。下山建設の社長下山(佐藤慶)が、刑事の徳田(室田日出男)らと共謀して、坂口を逮捕したのだ。坂口は下山建設による開発の進む多満里地区でたった一人で立ち退きに反対していた。寂れるばかりの多満里の将来を考え、地価が安い多満里地区を高い値段で買い取り、住民の移転先の面倒も見る温情のある会社として通っている下山建設だが、実際は多満里の住民たちも最初は立ち退きに反対しながらも、暴力や買収工作によって懐柔され、フリーインは村八分のような形に追い込まれていたのであった。そして下山はフリーインに対してもヤクザを使い、かつては多くの長期宿泊者で賑わっていたフリーインも、下山の嫌がらせで人が寄り付かなくなっていた。坂口の息子・竜太も下山一派の脅迫や同級生からのいじめを受けていた。新藤は多満里にいる間、残ったフリーインの宿泊客たちと共に下山たちの悪事を暴こうと画策するが、やがて町中をヤクザがうろつき始め、多満里の住民たちがフリーインに現れて新藤に多満里から去るよう忠告する。新藤は下山建設幹部の高畠(原田芳雄)と決闘の末、下山の机から徳田の金銭借用書を入手した。止むなく徳田は坂口を釈放し、ついに新藤と竜太は坂口と再会する。その時、目の前に下山の乗った車が現れた。多満里の住民たちと握手を交わしていた下山の前に立ち塞がった坂口は、不穏な空気を発して黙ったまま懐に手をいれる。恐怖に慄いた下山は拳銃を取り出し、引き金を引いた。竜太はその瞬間新藤の胸に顔を埋めるが、父親の死に様を見せるかのように、新藤は胸から竜太の顔を引きはがす。坂口は懐に手を入れたままその場に倒れる。坂口が握っていたのは一個のレモンだった。

新藤はそのレモンを拾い、坂口の死体の近くでじっと立つ竜太の手にレモンを握らせ、フリーインの宿泊費を精算してその場を後にする。新藤が去った後、竜太は父親の死体を見つめ、自分の好物でもないレモンをかじるのだった。

 

北方謙三のハードボイルド作品の映画化。ハードボイルド映画は時にとても退屈な物を生み出す事があるのではないか。北方謙三は読んだ事ないが、多分読んだ方が面白いんだろうな。男のロマンとか言い出すとどうもいけない。
ゆったりテンポで会話も画面も暗くて睡魔来る前にもう眠っちゃおうかなと思った。

中村れい子が出てるから観たんだけど脱がねえし、宮下順子が脱がないのはご愛嬌か。倍賞美津子まで脱がない。いや、倍賞美津子は脱がなくても存在感を十分楽しめた。この作品の一番カッコいい部分は倍賞美津子でなかなかハードボイルド。

 

 

池袋 新文芸坐
2023年2月


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「続・おんな番外地」 | トップ | 「平成無責任家族・東京デラ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画(DVD)」カテゴリの最新記事