JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「第3回イメージリングス 背徳映画祭」

2007-09-24 | 映画(DVD)
背徳の宴は終わらないー
エリック・ロメール、実相寺昭雄に捧げる映画祭!

面白そうなので滑り込んで観てみました。
観たのはプログラムA
「欲情仮面ヒトヅマン」 2007年 監督:中野貴雄
「迷宮の眠り姫」 2007年 監督:村田兼一
「ミルキィオーディション」 2007年 監督:吉行由実
「京都借ります」 2007年 監督:しまだゆきやす

巨匠中野貴雄監督、期待を裏切らない。一連の河崎実監督作品の味。
正義の欲情仮面、ヒロイン物というより女子プロレス・カムバーック!と叫びたくなる。ヒトヅマンの「自分の家庭の平和のみ(住所言ってくれます)守る」てぇのが良いです。それぞれの家庭にヒトヅマンが居ると旦那の浮気も無くて平和なんでしょうね。

「迷宮の眠り姫」は幻想的な映像と音楽で耽美な世界。特に新しさは感じず、スーザン・ピットの作品を思い出した。こういうのも面白いんだけど睡魔との勝負。

「ミルキーオーデション~さよなら世良さん~」吉行由実作品は事前に配布された背徳新聞で予習できた事もあり僅か8分の映像であるにも関わらず彼女のメッセージがビンビン伝わる佳作と感じた。世良公則との決別。セイント・フォーによって綴られ「さよなら、私」・・・
私の側転が見せ場。

「京都借ります」もちろんタイトルは実相寺監督の「京都買います」から
印象的な現代音楽と白い帽子の女性の前衛舞踏で、これ30分はキツイかなと思っていたが、なんのなんの引き込まれます。中途から女性のナレーションが入り実は日本人でなくイタリアのハーフである事(日本語話せません)がわかる。彼女はイタリアでアートを学んでいたが壁にぶち当たっていた。その時前衛舞踏に出会い日本の歴史、文化に興味を抱く。日本の若者が自国の歴史、文化に興味が無く知らない事に驚く。世界に出れば唯一の拠り所になるのが自国の歴史や文化であるはずなのに・・・藤原正彦先生みたいな事をおっしゃる。自らの舞踏に力を与えてくれるであろう京都を借ります。でも日本の若者が京都を愛せないなら・・・
エンドタイトルでこの作品が故黛敏郎へ捧げた作品と判明する。
印象的曲は黛敏郎の「涅槃交響曲」だったんですね。ちょっと気持ち悪いけど。
黛敏郎没後10年、この偉大なる作曲家の記念すべき年に日本の音楽界は何もしない。最後までよくできた作品でした。

4作のうち3作に共通点を見つけました。
女性の緩んだ肉体・・・
ナイス・ボディでないところが背徳を演出する素材として使われるのは解りやすいと思う。ズベロボのジャイアント・ロボ並のたくましい太腿と肉のあまった脇に背徳の匂い。なんてね。そういう意味でも吉行由実が最強か?

Bプログラム、Cプログラムも見たくなるけど止めておく。

Bプログラム
「にょろにょろとうごくもの」 監督:神農了愛
「遊泳禁止区域」 監督:前田弘ニ
「金鮎の女」 監督:いまおかしんじ
「フジカシングルデート」 監督:村上賢司

Cプログラム
「ブルーマックス」 監督:大西健児
「ワタシの王子」 監督:小口容子
「メイド探偵」 監督:吉行由実
「拝啓、扇千景様」 監督:村上賢司

タイトルだけでも興味をソソリます。
好き者はとっくに観ているでしょうけど、ちょっと気になるもの好きの方、本日24日最終日ですよー!!

下北沢 LA CAMERA

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