JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑」

2011-01-25 | 映画(DVD)
「エロ・グロ・純情/東映カルトプリンス 牧口雄二の世界」

「徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑」1976年 東映 監督:牧口雄二

隠れキリシタンを趣味半分で弾圧するサディスティックな長崎奉行。ボンクラ青年と女郎の逃避行に、捕らえられた二人が受ける拷問の数々――。「牛裂き」と「鋸引き」の二話オムニバス形式で贈る残虐絵巻。ザッツ、パーフェクト!なイカレ奉行・汐路章、哀れ生首・川谷拓ボンの存在感も強烈。

聞きしに勝る鬼畜映画。
拷問の数々を見てギャハハハハと笑うつもりが、やや笑いも凍りつく。

牛裂きの段

汐路章のブッチギリな怪演は確かに笑えるのだけれど、それを上回るこの奉行の悪趣味。
残虐で肉体的苦痛の刑罰は罪人の足を潰したって、そんなのはまだまだ序の口。
キリシタン娘の登世を捕らえておきながら、自分の側室にして、目の前で妹の目を焼くは、両親を磔、火炙りにするは、恋人であった伊織まで目の前で惨殺。こんな目に合わされれば精神に異常を来たしてもおかしくない。そんな登世を演じる内村レナの瘧のようなプルプル痙攣演技がこれまた迫真。震える登世の身体を嬉々として舐め回す汐路章のエロ顔。
結局はタイトル通り牛裂きの刑に処せられる。
「めりめりと股が裂ける牛裂きの刑じゃ!」暴走する奉行汐路。
両足が引きちぎられ、ご丁寧に内臓がどろどろと流れ出す描写も。
イカレ長崎奉行はその後キリシタン取締の功績から小さいながらも大名に出世ってんだから悪行極まれり。

変わって鋸引きの段

こちらも残虐な刑罰暴行シーンのエグさは同様であるが、川谷拓三の存在が悪趣味を中和する効果まで持っていく。中和どころか僅かな感動さえ覚えちゃいましたよ。
無銭で女郎買いをした捨蔵(川谷拓三)と同郷の娼婦お里(橘真樹)の逃亡道中が実によろしい。
お里がドジって糞尿まみれになり一度は喧嘩別れするも乞食に強姦されているお里を助け、乞食3人を殺めてしまう捨蔵。
行き当たりばったりの逃亡の挙句、美人局で凄んでみたら相手が同心であえなくお縄。
2人が拷問にかけられても最後までお里を庇う捨蔵。
結局2人は鋸引きの刑(首枷に拘束され、道行く人が自由に竹の鋸で罪人の首を切って良いという刑、だが、流石に鋸を引こうとする人など居らず、形式的なもので通常は数日見世物にされたあと磔にかけられたとか)に処せられる。拘束された2人のやり取りが泣ける。
お里は女として金を生む価値があるという事で元の女郎屋に引き取られ客を取るようになる。
残された捨蔵はなんと気の触れた酔っ払いに哀れ鋸引きされてしまう。生首になった捨蔵があの世からお里に「わしの分まで精一杯生きてや」・・・

2つの物語を並べた作品ですが、鋸引きを後ろに持ってきた事は大正解。

今回の特集、ある意味、川谷拓三特集の様相でありますが、本作によって、つくづく川谷拓三という役者の力量を実感させられました。
代表作と言っても過言じゃないでしょう、これは・・・

ラピュタ阿佐ヶ谷

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