JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

映画 「みな殺しの歌より 拳銃よさらば!」

2008-02-27 | 映画(DVD)
「原作 大藪春彦 ハードボイルドワールド -砂塵と硝煙の果てに」

「みな殺しの歌より 拳銃よさらば!」1960年 東宝 監督:須川栄三

刑務所帰りの衣川恭介の兄耕三が、田辺という男に呼び出され何者かに轢き殺された。兄の残した財布の鍵でロッカーをあけた。そこにはドイツ製の拳銃ワルサーP38があった。若い獣が欲望と裏切りにうごめく男たちを追い求め殺虐を続ける・・・
当時24歳の寺山修司が脚本だそうです。

もちろんこれも原作を読んでいる。「みな殺しの歌」と続編の「凶銃ワルサーP38」、そして当然ほとんど憶えていない。大藪得意の身内復讐大殺戮小説。

主役は水原弘。「黒い花びら」を歌っていた親父顔しか知らず、俳優もやっていたのね。しかも登場シーンでのあどけない坊やぶり。髪型、笑い方などまさにニセ裕次郎。ところが暗い復讐を続けていくうちに陰湿裕次郎になって行く。

拳銃を持つ事により得られる力。というわけですね。
銀行を襲撃した衣川(平田昭彦)の仲間たち。中には小心者も多く、大仕事をやってのけたのに自分の取り分よりも命が大事とばかり殺しあう様が面白い。金のありか聞き出せよ。高橋(宮口精二)

それにしてもこの作品、脇を固める役者に注目。皆、あたり前だけど若い!
強奪犯のリーダー格、田辺に丹波哲郎。はもちろん、仲代達也に三谷昇、兄役の平田昭彦。
拳銃を持った恭介を恐れブタの真似をする混血チンピラにジェリー藤雄。
拳銃を調達してくる男、木谷で天本英世も登場。
しかしなんといっても三谷昇のスケとしてチョイ登場の岸田今日子です!
まだまだ妖しさは薄いものの大物感充分で良いです。
兄嫁の嶋崎雪子もいいですけどね。

ハードボイルドとしては恭介が車のトランクに忍び込んだまま3人を気付かれないうちに射殺する場面が秀逸。

時計屋の宮口精二に小児麻痺で脳に障害を持つ娘が居て疎ましく思っている。画面には登場せず、気分のいい日に歌が聞こえたりする。
ハードボイルドとしてはやや薄い感じがしてもこういった場面を上手く使っているので楽しめる作品になっている。寺山修司の本が良いって事か。

シネマアートン下北沢

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