JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

映画 「㊙湯の町 夜のひとで」

2009-04-26 | 映画(DVD)
WE ARE THE PINK SCHOOL!
日本性愛映画史 1965-2008
=70年代黄金期=

「㊙湯の町 夜のひとで」1970年 関東映配 監督:渡辺護

大和屋竺の脚本を得て、温泉町に来たエロ事師たちへの悲哀を渡辺護が愛情を持って描く性と映画への賛歌。

「五悪人暴行篇」とは違ったタイプの大和屋ワールド(日野洸で脚本)
オープニングが時代物サイレントで何やら期待を増す。
温泉地にやって来たエロ事師3人組。営業のトリ金(二階堂浩)、ブルーフィルムやエロ写真製作の久生(吉田純)、実演もこなすブルーフィルム女優の雀(大月麗子)。久生と雀は内縁の関係。

年増の大月麗子の魅力全開。
実際小じわが目立つ年増なんだけど(熟女フェチ入ってるもんで

雀は裏稼業に疲れたのか自首するという考えを持った久生を叱咤する。
「自首するだって? 一人前の悪党みたいな口をききやがって!たかがエロ写真じゃねえか!」
久生に殴りかかったが、その後は可愛らしく久生に抱いておくれとしがみつく。

近頃評判のヌードルヴァーグに反発して生涯の傑作を作ろうと取り掛かる久生。旅館の女中加代を主役に時代劇ポルノ(もちろん大衆演劇っぽいチープなメイクと鬘)男優の源ゴロ(港雄一)の暴走で加代と本番をしてしまう。(本当は雀に吹替えをさせる予定だった)
加代が処女だったという事で源ゴロ、久生が異常なまでにうろたえる。「本当に申訳ない事をした」と土下座。
そこへ雀が「いつまでも大の男が何やってるんだ。本番は私がやるんだろう」と裾をまくって大の字に寝転がり空を見つめる・・・・カッコええ。
活弁付きのエロフィルムっていうのは、なるほどアリですね。楽しそう。見ている温泉客も野次を入れながら実に楽しそう。

エロ写真の撮影。浮世絵を参考にポーズを取る久生と雀。セルフタイマーで撮っていくシーンが微笑ましい。何気なく撮った雀の寝顔。現像するとトリ金は「何や、肝心な所が写っていないやないか」と捨てる。

手入れで久生が捕まってしまうと、トリ金にまで裏切られヤクザに売り飛ばされてしまう雀。
ついに肉体を酷使(薬漬けにもされたか)しすぎて絶命。
久生が何気なく撮った雀の寝顔のスチール写真で締める。上手いなぁ。結局このスチールこそが久生の生涯の傑作だったような・・・

今回の特集のカップリングの中でもこの「五悪人」と「夜のひとで」の大和屋脚本2本立て。個人的にこれが最強のような気がする。

余談。トリ金が露天風呂で「かんかんのう」を口ずさんでおりました。

渋谷 シアターイメージフォーラム

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