JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

妄執、異形の人々~その4~

2006-09-24 | 映画(DVD)
また、行ってしまった。

先週は子供と「ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟」に感動して、今週はカルト・ムービーの代表といえる「盲獣」と「女獄門帖 引き裂かれた尼僧」を見る。
ますます当ブログが支離滅裂になって行きます。

「盲獣」1969年大映 監督:増村保造

江戸川乱歩の原作とは少し違うようです。
江戸川乱歩は映画化ドラマ化も多く、ストーリーを知っている話も多いわけだが、意外と原作に触れている事が少ない。まともに読んだのは「孤島の鬼」くらいだ。
やはり死ぬまでには原作読んどいたほうがいいな。
光文社文庫の江戸川乱歩全集を少しづつ買おうか。やはり江戸川乱歩は春陽文庫か。迷っています。



「傷だらけの天使」でのゲスト出演が忘れられない緑魔子の代表作がこの「盲獣」(モデル・アキ)
怪しいエロティシズムを出しています。姓の緑が極めて怪しい上に魔子ですから。
他に出演は盲人彫刻家・道夫に船越英二、その母、千石規子。
船越英二がめくらの監禁犯だが優しく哀しい人柄。あの裏返る発声は変りません。
「それはいけませんよ」
緑摩子のモノローグと芝居かがかった科白回しがまた雰囲気醸し出します。

冒頭のモノクロ・ヌード写真。
アトリエの女体パーツのオブジェ。目、鼻、口、脚、腕、乳房・・・巨大なゴム状のトルソー。
エロティシズム、フェティシズム、マゾヒズム・・・

めくらに生んだ両親への恨みと、まともな大人に育ててくれた感謝と愛。めくらの子を女手ひとつで育てた苦労と、そこからくる溺愛。息子の恋人への嫉妬。
世間知らずのめくらの息子とすれっからしのヌード・モデル。
争いから息子は過失で母を殺してしまう。
ここまででも充分凄いのだが、ここからがこの映画、増村保造の面目躍如。(脚本は白坂依志夫)
監禁され、闇の中触覚に頼っているうち、女も視力を失い倒錯の世界へ・・・
現実なのか幻想なのか・・・
触覚の芸術、究極の愛に溺れていき、壮絶なラスト。
拉致監禁を題材にした映画、ドラマ、小説そして最近では現実の事件と数々あれど、この「盲獣」は白眉です。必見。

・・・めくらでも乳首はピンク色がお好みのようです。(アトリエのオブジェから)





「女獄門帖 引き裂かれた尼僧」1977年東映 監督:牧口雄二



ジャパニーズ・スプラッタ・カルトのはしりでしょうか。東映ゲテモノ路線というのがあったそうです。

女郎屋から足抜けしたおみの(田島はるか)が逃げ込んだ尼寺、愁月院だったが、その実態は男への恨みから幾人もの汚らわしい男ども血が染み込んだ狂気の殺人尼寺だった。

足抜けの途中、おみのを助けた二枚目がこの尼寺にやって来る。
なんとかこの男だけは助けたいという思いからおみのは「逃げてくれ」と訴えるが、「大丈夫だ」と十手を見せる。
ここから、この同心が伏魔殿からおみのを救うと思いきや、流石カルト。そうは行きません。あっという間に殺されてしまう。

しかも首チョンパのピクピクである。

おみのは絶叫して逃げ惑い水桶から柄杓で水を飲むのだけれど。この水赤いんだよね。
水底に十手を咥えた生首。

火事になって焼け落ちる尼寺。
おみののとどめを刺したのは尼寺で養われている口をきかない不気味な少女お小夜。
彼女が最後に回想する。そして初潮。
またこの少女も汚らわしい男に悩まされるのだろう。

劇中流れ続けるBGMが何故か懐かしく、新鮮でした。
志賀勝が白塗りで骨に噛り付く狂気は噂どおり。

9月23日 シネマヴェーラ渋谷


さて、妄執、異形の人々も残りあとわずか。
やはり乱歩最高傑作と思える「孤島の鬼」を題材とした「恐怖奇形人間」が最後のお目当て。「パノラマ島奇談」読んでないんだよなぁ。



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