映画 「サーチャーズ 2.0」

「サーチャーズ 2.0」2007年　アメリカ　監督：アレックス・コックス

南カリフォルニアに暮らす冴えない中年男メル・トレスは、聞き覚えのある西部劇のテーマ曲に導かれて旧友のフレッド・フレッチャーと再会を果たす。２人は子役としてその映画に出演した際、脚本家のフリッツ・フロビシャーに虐待された苦い思い出を共有していた。そんな彼らは、偶然にもそのフリッツがモニュメント・バレーでサイン会を行うという情報を耳にする。今こそかつての怨みを果たさなければと復讐を決意した２人。さっそくメルの娘デライラの車目当てで彼女を言葉巧みに旅に誘い出すと、いざモニュメント・バレーへ向けて車を走らせるが…。

これは今年1発目のヒット炸裂しました。
マカロニウエスタンを中心に映画ネタ満載とのことで私にはちょっと高度で付いて行けないかなと不安でしたが、大丈夫なんです。この映画、勿論、映画に詳しいに越したことはありませんが、詳しくなくとも映画好きなら、否、映画好きでなくとも、「好きな事になるとつい夢中になり弁舌を振るってしまいたくなる方」なら充分楽しめます。
しかも道中、映画を語るのはいい歳こいたダメ男2人なんですから堪りません。同行の娘デライラもあきれ返ってしまう。

英語圏特有のイントネーションで映画タイトル（架空のものや勘違いのものも含めて）俳優の名前を次々に挙げていく2人を見ていると幸福感さえ・・・
「明日に向って撃て」に関しては娘デライラが一番正確だったり・・・・

フレッド・フレッチャーなんて、映画談義に熱を帯び始めている時突然逃げ出し「映画の結末を聞かされるのは嫌だ」と「君のために結末は言わないよ」・・・

映画だけでなく復讐というテーマの中にイラク戦争への痛烈な皮肉が盛込まれていたり。
正義（Justice)石油（Gas)復讐（Revenge）
このアプローチの仕方、マイケル・ムーアより好感持てるって・・・
終止ニヤニヤ嬉しくなる映画です。

さて、モニュメント・バレーの圧倒的風景の中での復讐劇は、映画史上最狂の決闘へ！
このカルトでトリビアな決闘、「テレビ・チャンピオン」ですかい！
そして、もう一つのドンデン返し。アワワ「君のために結末は言わないよ」・・・・

娘デライラ役のジャクリン・ジョネット、今作で映画デビュー。とても良いです。

KICK THEIR ASS and TAKE THEIR GAS　

渋谷　UPLINK X