JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

映画 「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」

2007-07-23 | 映画(DVD)
タイトルのインパクトと道路上に仁王立ちのサトエリのチラシだけでも充分にそそられる映画で、実際期待せずに見に行くと思わぬ拾物だったりするかもしれないという期待をして見に行った場合、期待は裏切られるかもしれないけれど本当に期待せずに見れば大満足を得られる。脚本、ストーリーなんか無視して真夏のど田舎のサトエリを見るだけで充分と思って行くなら是非、劇場で・・・という映画でした。

両親の訃報を受け、女優を目指して上京していた澄伽(佐藤江梨子)が4年ぶりに舞い戻ってくる。自意識過剰な彼女は、自分が女優として認められないのは家族、とりわけ妹の清深(佐津川愛美)のせいだと家族をいたぶる。兄の宍道(永瀬正敏)も澄伽には気を遣い、横柄にふるまう彼女によって一家の日常はきしみだしてゆく。

和合家の4人。連れ子の長男(永瀬正敏)その嫁(永作博美)、長男とは血のつながりのない長女(サトエリ)と妹(佐津川愛美)彼等が腑抜けなのかどうかは良くわかりませんが(観ている方はあきらかに腑抜けです)それぞれの「悲しいみの愛」が描かれています。
演技面では永作さんが際立っていますが「悲しみの愛」は断然、妹の清深。


自意識過剰で「女優になりたい」姉を題材にホラー漫画を書いて賞金をもらってしまう自分に反省している。家族と共に喜びや悲しみを分かち合える真人間になりたい姉から赦される事を願い、姉の執拗ないじめに耐えています。しかし、両親の悲惨な死までもマンガにしてしまいたくなる衝動を持っていて真人間どころか屈折したままマンガ家の才能を開花させていく。後半静から動のように変わったようにも見えますが、何もかわっちゃいないんです。
自分の魅力的な部分を100個書き出させて歌を作らせ村人の前で歌わせながらダメ出しする澄伽。耐える清深。・・・・



佐藤江利子という人は不思議な人で長くて細い手足にでかくて時により可哀想なくらいブサイクな顔になって、美人じゃないのにとっても良い独特の雰囲気を持っていますね。やはり澄伽役じゃなくてもマンガのヒロインにしたくなる。
一度渋谷で擦れ違った事がありますが、ちょっと恐ろしかった。
キューティー・ハニー必見。今後も注目。

さて、こちらも元は本谷有希子の演劇作品。自身により小説化もされており文庫のカバーイラストと映画のチラシ、どちらが先か知らないけど踏襲されています。小説も面白いとの事なので今度読んでみましょうか・・・

監督:吉田大八
渋谷 シネマライズ

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