JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

映画 「理髪店主のかなしみ」

2007-12-16 | 映画(DVD)
シネマアートン下北沢
美術監督特集2007第2週 「女性が創り出す美術」より

「理髪店主のかなしみ」 2002年 吉本興業=オメガピクチャーズ=ケイエスエス 監督:廣木隆一

脚フェチの純愛物との噂を聞いていて観たかった1作。

少年時代、英語教師との体験以来、美しい脚に異常な執着を見せる理髪店主。
理髪店に訪れる客も何処から性に倒錯していて悪徳商売の坂口(柄本明)は前夜の彼女との倒錯した性を語って聞かせたり、同業者の杉浦さんはSMの女王様に首輪をはめられて来店し、店主に醜い虎刈りにしてくれと懇願。
理髪店主は靴屋の店員麗子さんに片思い。実はこの麗子さんが坂口の愛人で坂口から逃げたがっている・・・



という事でなかなかクール・ストラッティンな絵が楽しめるライトなフェチ映画。

人それぞれ、さまざまなフェティシズムの中にあって「脚」というのはかなりM心を擽るパーツ。フェティシズムはとにかく1点集中、当方のようにやれ脚だ、尻だ、背中だ、うなじだ、胸だなどと目移りしているようでは修行が足りない。

田口トモロヲの理髪店主が極めて真面目そうで几帳面で清潔そうな所が倒錯フェチとして正しい物を感じます。
髭をあたる、脛のムダ毛を手入れする。一つ一つ丁寧に仕事をしてモノを綺麗に磨き上げて利く様。
自然と同類の人々が寄ってくるというのも創作の世界だからというだけでなく妙な説得力があります。特にSMの女王が鋭く店主の性癖を見抜いてやたらとチョッカイを出すなど。(不潔なムッツリスケベではこうは行かん。ま、それはそれで別の倒錯世界があって良いんですが

麗子役の須之内美帆子さんも初めて見ました。脚はもとよりキツそうで凛々しいお顔が役に合っていて良ござんした。
この麗子さんが取り立ててSでもないのだけれど理髪店主があれこれ工夫していつのまにやらSプレイをさせられてしまう戸惑いがまた良い。(店主の妄想だったりするんですが)

以前から客商売の中で非常に風俗的な魅惑を備えていると思えるのが理髪店と歯科医。美容院ではダメなのだ。しかしオヤジ相手の理髪店にあって店主と美脚女性という組合せの発想がナイスじゃないですか。
原作はひさうちみちおという人のマンガだそうだ。(マンガもちょっと出てきます)

我が町においてもこのところ滅多やたらに美容院が増えて来た。その反面理髪店というのが少なくなった。私も若い頃は美容院に走ったが今となっては理髪店派。安くて汚い場末感のある店と高いけど清潔でおしゃれな内装の店に2分されているが、この映画の理髪店は実に好ましい。レトロ感を残しつつ決して場末感はない絶妙のバランス。窓は上下に透明、中央がスモークという硝子板を何枚も並べていて通りを歩くハイヒールちゃんのクールストラッティンな脚元だけが見える寸法。
店主の拘り計算が見事。

あ、美術監督特集でした。美術は松本知恵という女性。邦画では女性監督の話題が賑やかですが制作を支える裏にも当然女性の活躍が増えているのですね。

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