JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「蜜のあわれ」

2016-04-16 | 映画(DVD)
「蜜のあわれ」2016年 ステューディオスリー 監督:石井岳龍

昭和の文豪・室生犀星が理想の女性をつづったとされる金魚の姿を持つ少女と老作家の物語を映画化した文芸ファンタジー。
丸いお尻とチャーミングな顔の赤子は、自分のことを「あたい」と言い、「おじさま」と呼ぶ老作家と一緒に暮らしていた。赤子には、何と真っ赤な金魚にもなる秘密があった。二人がひっそりと生活していたある日、老作家の過去の女が現れ……。

原作が室生犀星の幻想的作品と聞いて、これは観賞前にまず原作を読まないとといかんと慌てて文庫本を購入、読了直後に観賞。
先に読まないと室生犀星の魅力を充分堪能できないであろうという予感はやはり的中。先に読んでて良かったわ~。

二階堂ふみは見事に金魚でありました。この若き女優さん、やはりただものでは無い。
目のぴちぴちした感じは絶品だし、金魚的表情の百面相も嫌味がなく自然、丸いお尻や美味しそうなセミヌードも見せてくれ仄かなエロスもあった。第一、あの奇怪なダンス(照明とかセットが哀しいほどチープなのは昭和を意識したのか)がとってもキュート。レトロな赤いお帽子、ヒラヒラ衣装デザインも優れていたけれどここまで金魚に見える女優さんは他に居るだろうか。敵役。ダンスのセット意外は満点でした。



でも残念ながらそれだけかな。
ジャストな二階堂ふみに対していただけないのが老作家の大杉漣。この方、成人映画出のとても良い役者さんですが、今回は役に合っていないように思う。儚さが足りない。少なくとも室生犀星的なものは感じない、元気そうだし(余命宣言されてるとは思えん)武闘派で剣豪小説でも書いていそうだ。
後半、徐々に取りみだし、赤子と激しい言い争いのシーンなんか、映画的には山場が必要と思われたのかしれないが、がなり立てる大杉漣の声が煩くてしょうがない。やたらと小説家のアイデンティティーをむき出してくるところも好ましくない。
原作読了直後だから自然辛口になってるかもしれないが、原作がとても気に入っただけに後半のまとめ方や解釈は映画は別物と理解したうえでも残念。



幽霊田村ゆり子役の真木よう子も今回いただけない。
どうしてあそこまで和装が似合わないのでしょう。歩き方や仕草に和装の良さが出てこない。この人、CMなどで拝見するととっても可愛らしく私としてはファンなんですけど、作品との相性が今一だな。
二階堂ふみとのレズシーンあり。



高良健吾の芥川龍之介は顔真似としては百点だけれど作品に及ぼす影響力は薄い。文豪ファンタジーだからといって芥川龍之介を登場させる安易さが嫌。

もう、ちょっと赤子は二階堂ふみ以外考えられなくなりましたが、こういう映像化難しい魅力的な題材。目の付けどころがとても良いと思うけれど、こんなんこそ一般映画でなくピンク映画でチャレンジして欲しいな。そしたら駄作になる可能性大だけど、ハードルうんと下げて褒めてあげたくなるんだがなぁ・・・



老後に寂しく金魚を飼って妄想に遊ぶのはどうよ。
ちゃんと毎日お水取りかえてあげられるかな。お塩を少しふりまいてあげられるかしら。面倒だから止めましょう、いきものは・・・。これでも飼育クラブ所属。



新宿バルト9

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