JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「つげ義春ワールド ゲンセンカン主人」

2010-09-08 | 映画(DVD)
「石井輝男 怒涛の30本勝負」

「つげ義春ワールド ゲンセンカン主人」1993年 シネセゾン 監督:石井輝男

売れない漫画家の淡々と過ごす日常の中で出会う奇妙な出来事を、四つのエピソードを織り混ぜて描くドラマ。
「李さん一家」「紅い花」「ゲンセンカン主人」「池袋百点会」の4話オムニバス

「ねじ式」の5年前に作られた石井輝男によるつげ義春オムニバス。
原作を読んでいるのは「紅い花」「ゲンセンカン主人」
やはりつげ義春のマンガのコマ、科白を忠実に映像で再現していて、リスペクトぶりが覗える。
まったく違和感なく、世界観の再現に成功している。

売れないマンガ家つべ(佐野史郎)のマンガのページをを出版者や本人が繰るという形で進む。オムニバスのつなげ方はこの1作目の方が自然で良い。

「李さん一家」の横山あきおがいい味出してます。
横山はるお・あきお時代の「怪盗ラレロ」もう一度見たいです。
2階に佇む李一家、マンガのコマで確認したいところ。

つげ義春の傑作「ゲンセンカン主人」の世界が出色。
聾唖の女将(水木薫)はマンガに出てくる女将とは顔立ちのイメージなんかかなり異なるんだけど、大浴場で祈祷する裸の腰なんて、よく雰囲気を伝えていてエロい。ギョホ、ギョホ、ギョエ・・・
ゲンセンカンの村に住む老人の顔の醜い斑点や、佐野史郎の顔色メイクがマンガには無い、石井監督の好むところのグロさで、終盤の緊張感を盛り上げる。

売れないマンガ家の青春「池袋百点会」は一転した青春もので好みではないのだけれど、岡田奈々の可憐さに見惚れる。
「私はバレエをやるわ」と夢を語り、踊ってみせるシーン、エレガント。
アイドルだった岡田奈々(歌は下手だったがシングル盤1枚持ってるぞ{/face_ase2/)がこの時、33歳。

ラストではつげ義春自身も登場。これには賛否がありそうだが、個人的には陳腐さを感じてしまった。こういうのって微妙なところだよね。

シネマヴェーラ渋谷

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2 コメント

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私の方でも (さむがい)
2010-09-08 19:47:20
つげ義春ワールドのお話に申し訳ありません。
本日の私のブログのスレッド(こちらはタイガーマスクのネタですが。。。)の最後で貴ブログを紹介させていただきました。
またブックマークのコーナーにもリンクさせていただきました。
事後承諾で誠に失礼ではございますが、よろしくお願い申し上げます。
もし、不都合ございましたらご連絡下さいませ。
善処いたします。
返信する
Unknown (imapon)
2010-09-14 22:02:00
さむがい様、リンクありがとうございます。
タイガーマスクネタを拝見しまして、おかげさまで、お蔵入りしかかっていた「ヤッターマン」をなんとかUPできました。相変わらず内容はカラッポですが記録としてUPできて一安心です。
これからもよろしくお願いします。

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