JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「痴人の愛(1967)」

2010-04-25 | 映画(DVD)
「悪女礼賛 ~スクリーンの妖花たち」

「痴人の愛」1967年 大映 監督:増村保造

永遠の小悪魔系ヒロイン。
ふと知り合った少女・ナオミを理想通りに育てようとした男が、次第に彼女の虜となり、甘美な堕落への道を歩んでいく――。谷崎潤一郎不朽の名作三度目の映画化。ヒロイン・安田道代が強烈な存在感を示す。

記憶は定かでないが「痴人の愛」との最初の出会いはこの映画だったと思う。随分昔にTVでやっていたのを見た。
原作を読んだのは多分、その後・・・
そのためか痴人の愛=安田道代というイメージが強い。

これはいかにも1967年という時代の中で生まれた「痴人の愛」という感じ。
大正の谷崎文学を増村保造がどぎつく描く。

譲二(小沢昭一)の工場勤務の様子は最低限に抑え、工場の煙突と騒音を映像に挟むシュールさがナイス。

ゴーゴー喫茶のシーンとかはあるものの、カメラはあまり外へは出ない。若者との付合いも倉石功と田村正和くらいしか出ない。
倉石功に比べていかにも弱々しい田村正和がとても良いです。
譲二さんと酒飲んで意気投合。

ナオミの方は譲二と別れてから荒んだ生活に落ちていってしまう様子を描く事をしない。あくまで噂止まりで、洋服を取りに帰ってくるナオミからも荒んだ様子は見えにくく、奔放な輝きに翳りがない。

翻弄される譲二の苦しみを隣家の医者にぶつけるキチガイ沙汰の演出もドギツ~イ。

着地の仕方は、この映画で再三出てくるお馬さんごっこで「私だってあんたしか居ない」と譲二の背中にしがみつく。

木村恵吾の2作品よりバッサリ切ってドギツク演出する本作に軍配。
そして3作品よりもっともっとエロいのが原作。

ラピュタ阿佐ヶ谷

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2 コメント

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Unknown (よーちはら)
2010-04-26 00:12:33
そーですね 痴人の愛といえば安田道代様ですよね

そして原作はそれをはるかに凌ぐエッチでしたね

中学ん時死ぬほどかじりついて読んでオナニーに耽っておりました

あの 独特の「じらしプレイ」の偉大な発明は他の媒体では再現できないもんなんですね

心の底が見えない者に対しての従順さとそれに対するスカシっぷり 

挑発してじらすじらすじらす たまりまへんな

あの偉大なる原作に匹敵するのは「嘆きの天使」ぐらいですかねー
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Unknown (imapon)
2010-04-26 19:49:39
よーちはら様、(ん?HN変わったのね)コメント感謝ですわん。

原作体験、中学ですか。流石です。
「嘆きの天使」ってマレーネ・ディートリッヒの奴ですか?だとしたら未見映画の必見リスト(そんなのないけど)上位のやつです。
落語で筋は知っているんですが・・・、
そういえば共通点はありそうですね。
じらしプレイなんですね。memo memo・・・
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