JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

大映映画の鬼才増村保造 「清作の妻」

2006-10-26 | 映画(DVD)
今回の特集で一番のお目当て「赤い天使」を観て来ました。もう1本は「清作の妻」
なんとも重たい、重たすぎる2本でした。

「清作の妻」1965年 大映



またしても若尾文子がとんでもない愛の姿を見せます。
「妻は告白する」で川口浩は元婚約者から「本当に人を愛したのは奥さんだけよ」と責められていましたが、「本当の愛」などには関わらない方が良いし、ほとんどの人は本当の愛なんて知らない。だからこそ映画の世界にそれを見て楽しめば良いのだが、それにしても重たいです。また終始流れる音楽も不気味。

あらすじの方はgoo映画などで確認してくださいね。

このように重たい映画は好んで観る事はなにのですが、いい映画を観たなという気持ちにはなります。

テーマとは関係の無い所での感想・・・

野良仕事の合間でもベタベタするお兼・清作。
モノクロでのラブ・シーンが妙に艶かしくも美しい。

日露戦争へ出征した夫の銃後を守る夫人を巡回訪問する村長と同行の村人
お兼の美しい後姿に
「いい尻をしてやがる。もったいないなぁ・・・」
村八分のあばずれ女であっても、元妾の汚れた女であっても、いい女を見る好奇の目。実に実感がこもっている。

久し振りに清作に可愛がってもらうお兼。「きちがいになりそうだ」と漏らしていた。あの凶行は咄嗟の狂気。

そういえばこの一連の増村映画に何度と無く登場する科白。
「私を可愛がっておくれ・・・」当時の女性の科白として堪らなく良いですな。

夫の目を突いて逃げるも村人に殴る蹴るの暴行の末縄にかかるお兼が立ち上がる姿、泥と血にまみれた姿が美しすぎる。

人生を台無しにされ卑怯者と呼ばれ村から孤立せざるを得なくなった盲目の元模範青年清作は妻を許す。お兼無しでは生きていけない片輪者だ。
どこか遠くへ逃げてひっそり暮らせばいいものを、「それでは負けだ。この村で生き抜いてやる!」めくらになって本当の人間になれたと言うが元模範青年の意地、根性が言わせたのでしょう。

成田三樹夫が軍人役で「帝国軍人が女に目を突かれるとは情けない」とカッコ良く登場します。

人気blogランキングへ 疲れています。「赤い天使」は次回へ、衝撃度が強すぎて・・・



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