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日常の断片

最強のふたり

2012-11-18 21:09:22 | 映画
映画ブログみたいになってきたな。

最強のふたりという映画を見た。
国はフランス。

金は唸るほどあるが、首から下が不随である
中年男性が、日常の世話係を募集。

そこに応募にやってくるスラム街の黒人青年。
就活をした意志を見せたら失業手当が出るから、
という不埒な応募理由だった。

でも何か感じるところがあったのか、その青年を
試用ということで雇う。

そこから男性の生活は変わっていく。

障害よりも、その人そのものをまっすぐ見る青年。
腫れ物に触れるようにされて退屈だった生活が、
その青年のあっけらかんとした明るさと気遣いで、
一気に色を帯びる。不思議な縁。

実際の話では、もう少し複雑な事情が絡んでくるけれど、
主にはこのふたりの、心の交流を見守る映画。
しかもこれが実話だというから、驚いてしまう。

人生はそんなに単純じゃない、という
心汚れた僕みたいなトンチンカンには
良いカンフル剤になる。

どんな時もユーモアを。
笑顔が出ればまた一歩。
そんな感じ。

いまさら土曜日のこと

2012-11-14 20:55:08 | 日々雑感
東京都現代美術館に行った。

アートと音楽。というとっても分かりやすいタイトルでの展示。
「情報化社会で、アートと音楽の境目は無くなってきている」というような案内書き。
展示作品=音楽という感じ。

音楽とそうでないものとの境目が曖昧になると、一体どこまでが音楽なんだろう・・・
みたいに思うけれど、まぁ音楽っていう言葉がある以上、音楽はあるので、
そんな深く考える必要のないことなのかも。
音楽って言葉に自分が思う内容を詰め込んでおけばそれで事足りるわけだし。
固定観念に縛られちゃダメよってことなのかもね。

そのあと、神保町に行って、岩波ホールで映画。
「菖蒲」。

短編小説を映画化したもの。なんだけれど、
女優の独白も挿入され、どこまでが演技でどこからが演技じゃないのか分からないような
映画に仕上げられていた。

短編のあらすじは、余名幾ばくもないと分かった女性が
20歳の若者と、恋のような友だちのような関係になって、
川遊びに行ったら、20歳の子が溺れて死ぬっていう単純なもの。

でも、そこに女優自身の夫が、まさに撮影中に末期肺がんで亡くなる
というエピソードが挿入されて、その2つのストーリーが縺れながら
映画が進む。
僕自身も、近い人を失うというのが何かは知っているので、
自分の経験も重なってしまう。

自分の経験の広さとおなじくらいの広さのテーマを持つ映画に対して、
感想を持つことが難しい。独特の風味だった。
娯楽より表現である映画が、やっぱり好きだ。

そのあとはカレーを食った。
カウンターに座ると、カレー屋の兄ちゃんが、リズミカルに作ってるのが
見えて、楽しかった。
表情ひとつ変えず、客に対する礼儀も忘れず、仕事に徹している感じ。
恋した(安)。