ネジレンボー・ブリッジの冒険渡橋を終えて、対岸の棚田の畦道に入り込んだ。
「わあ、稲が近いなあ」と恵さん。
「僕らの夏休みい!」
そう叫んだのは、美緒さんだ。
みんな若いから、きっと田んぼに入り込むこと自体が初体験なのだろう。
そう言えば朝、「今日は世界遺産に案内しますよ」と声をかけたとき、美緒さんと恵さん。「え、あるんですか!?」と真顔でリアクションしてくれたものだ。
*
その「勝手に世界遺産 第二弾」の作業小屋でひと休み。
「わあ、気持ちいい」
恵さん、すぐさま割り竹の床に寝転がった。
美緒さんと卓弥さんは、小屋の端っこに座って向こうに広がる棚田に見入っている。
誠さんは立ち上がって、村では珍しい茅葺きの屋根の作りなどをしげしげと眺めている。
小屋の隅に、使い古しの木造りのカウベルがぶら下がっていた。
手に取ってみると、手作りならではの優しい響きだ。
眺めているうちに、首のない手長人形のように見えてきた。
股のあたりが、妙にセクシーである。
もしかして、この小屋の主、憧れの誰かをモデルにしてこれを彫ったのかなあ。
バカなことを思いつつ、ふと顔をあげれば、誰もがそれぞれの想いの中に入り込んでいるようだ。
「このまま寝てしまいたいなあ」
誰かが、そんなことを呟いた。
*
しばらくして小屋を出ようとすると、「あ、痛い」
美緒さん、蟻にお尻を咬まれたらしい。
「わあい、それも僕らの夏休みい!」
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若い私には何のことやら・・・(笑)