【タイ山岳民族の村に暮らす】

チェンマイ南西200キロ。オムコイの地でカレン族の嫁と綴る“泣き笑い異文化体験記”

【雨のソンクラーン】

2017年04月16日 | オムコイ便り

 オムコイでは14日の午後になって冷たい風が吹き出し、空が雨雲で覆われるようになった。

 そして、夕方には激しいスコールがきて、それは雨脚を弱めながらも夜半まで降り続いた。

 その日の午後から町の寺に出かけ、新年恒例の「砂運びタンブン」を済ませた女将は、村ごとに踊りを競うだけの自粛パレードと水掛けに参加。



 そのまま親戚や友人宅での飲み会になだれ込んだ様子だが、夜になってびしょ濡れのまま「寒い、寒い」と言いながら家に戻ってきた。

 むろん、足元は大酔してふらふら。

 年に一度の伝統行事とはいえ、ホントにまあ、ご苦労なことである。

     *

 翌15日も、朝から小雨まじりの曇り空だった。

 番頭さんが用事で町に出かけた午前中はなんとか持ち直したものの、午後になって空がまた崩れ始めた。

 そういえば、今年のソンクラーン、本当に静かである。

 水掛け隊の姿も、数えるほどだ。

 「やっぱり、前国王が亡くなったせい?」

 知り合いのタイ人女性に声をかけると、

「それもあるけど、警察がヘルメットとシートベルトの検問をしているから、この時間は特にね」

 苦笑しながら答えた。

     *

 去年までは、酒酔い運転を牽制(?)するために警官がテントを張って道路を眺める程度だったのだが。

 軍事政権になってから、いろんな面でやけに「管理化」が進んできた。

 でも、どいうせやるんなら、まずは飲酒運転の摘発だと思うけどなあ。

 番頭さん、検問と雨のとばっちりを避けるべく、裏道を急いで家に戻ろうとしたのだが。

 路地の門でホースを持って待ち構えていた町のクソガキが、こちらに気づいた瞬間、いきなり頭上から水をかけてきた。

 スクーターの足元に置いたザックが、びしょ濡れだ。

 番頭さん、急ブレーキをかけて、

「こらあ! こっちはパソコンを持ってるんだ。いきなり、しかも顔面に水をかけるのはオムコイではルール違反だろうが!」

 怒鳴りつけると、目を丸くして家の中に逃げ込んだ。

 あれ、番頭さん、日本語で怒鳴ったのかなあ。

     *

 そういえば、昨日も「駄目、ダメ」と手を振って制止したのに、町のガキ二人がいきなり水をぶっかけてきた。

 むろん、こちらもバイクを停めて怒鳴りつけてやったが、町のガキは村の子供たちのように水掛けに関するルールを教えられていないようである。

 親たちにはやはり、水掛けの由来と昔ながらの作法をきちんと教えて欲しいものだ。

 そうしないと、いつかオムコイのソンクラーンもチェンマイと同様の「ただの水のぶっかけ合い」に堕してしまうことだろう。

 とはいえ番頭さん、今年の水掛け被害はこの微小な2回だけ。

 チェンマイにいた時は、外に出るたびにびしょびしょだったもんなあ。

    *

 何はともあれ、雨のおかげもあって想像以上に静かなソンクラーンになったことは、前国王追悼の意味でもよかったのではあるまいか。

 これで暦上のソンクラーンは終わったわけだが、今日はあいにく日曜日だ。

 今日も、しつこく水掛けのチャンスを狙っているしつけの悪いくそガキどもがいることだろう。

 朝の小雨はやんだが、空はまだ薄い灰色の雲に覆われている。

 天のピー様よ、くそガキどもに雨の天誅を!

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