いやあ、昨日は大変だった。
オムコイを出たのが、朝の8時半。
ホートを過ぎたあたりで大スコールに見舞われ、荷台で繰り広げられる壮絶な“天然水掛け祭り”に同情しながらのノロノロ運転が続く。
チェンマイに着いたのは、正午である。
定宿に顔を出し、数軒となりのカレン族食堂で水牛スープを食して、気合いを入れ直した。
*
チェンライ方面に向かうと、パヤオまで150キロとある。
楽勝だと思ったが、やはり年である。
あと55キロというところで、腰がきしみ出した。
休憩しながらあたりを見回すと、どうも見たような覚えがある。
あれ、ここは確か・・・。
しばらく進むと、滝がある。
あれ、ここにも確か・・・。
4年半前のことをあれこれ思い出しながらロマンチックな感慨にふけっていると、荷台のひとりが腹痛による緊急停車を訴えた。
こ、こらあ!
*
パヤオに至る坂道では、確か素晴らしい眺望が望めたはずである。
だが、空はどんよりとした曇り空だ。
目的地は、市街地から10数キロ入ったあたりだという。
村の名前は見つけたが、ラーを初め10数年ぶりに里帰りするという村の衆は実家の場所をすっかり忘れてしまっている。
ウロウロしたあげく、4時半にやっとたどりついた。
走行距離356キロ。
*
ラーの亡夫の両親とその兄弟姉妹。
その娘夫婦、その子供たち、親戚、友人、知人、近隣の衆。
次々に取り巻かれて、何がなんだか訳が分からない。
出されたホントン(タイ製ウイスキー)のソーダ割りをあおると、てきめんに酔いが回った。
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