毎日更新!中谷比佐子のきもの365日

きもの日記です。さて何を着よう?と思ったときの参考にも

センターカットのきもの

2011年12月31日 | きもの
「アッ」驚いて駆けつけようとしたのですが
あまりにも堂々と歩いているので
ひょっとしたら其れが着ている人のフアッションかと思いやめました
「なにが?」
つまり後ろの背縫いのところが裾で30センチほど切れていました

ロングドレスのカットと同じです
下着である長じゅばんの裾は見えませんでしたから
矢張りわざわざセンターベンツで歩いているわけですよね

身長は170センチはあろうかという大女
襟あわせは着物です白い半衿が見えていました
そして背筋を伸ばして歩いて歩いていますから
これからはそういう着方がいいのかな?
なんて思ってしまう

江戸時代までは色んな着方があったのです
膝を出した着方
ノースリーブ着方
腰上げをたんとした着方
帯をだらりと流した着方
浮世絵を見るとまあ自由な着かたできものライフを謳歌しています

今洋服を色んなスタイルで着るのと同じですね

きものはきちんと着ないといけません
という考えは少しずつ廃れていくのかもしれません
そんなことを思いながら
その大女の後ろを5分くらい付けました

物好き!



衿芯

2011年12月30日 | きもの
昨日衿つづらの中をを整理していてお宝を見つけました
それは芸者さんの衿芯です「育子」「華子」など
名前が衿芯の端に墨で手書きされていました
昔赤坂の芸者さんの着付け模様を取材したとき
半衿の付いた衿芯をしこたま戴いたのですが
その数本がまだ手元にありました

このつづらは
きもののフアッションショー用に保管していた半衿たちです
処分したのもあるのですが
なんとなく手放すのが偲びがたくそのまま箪笥の上に置かれたまま
数十年が過ぎているのでした

芸者さんは芯屋さんの中の芯でも
最も厚いものを使っています
それは帯芯から作るのですが
明治大正時代の丸帯に使ったような芯です
其れを切り取って一人ひとりの首の肉の付き方を見て
男しさんがその人にあった衿芯を作るのですね

当時20人分の芸者さん用を参考に戴いたのですが
長さも幅も本当に一人ひとり違うのですよ
長さは1メートル50センチ4尺ですね
幅は8センチから11センチ
この幅の加減が人それぞれ
秋櫻舎はこの寸法を一般向けに手直ししています

そうそう育子姐さんはまだ現役だそうです

きものと手袋

2011年12月29日 | きもの
毎年片方の手袋を落とすのですね
ですから「どうせ落とすから」と安いものを買うわけ
それはきちんと指にはまっていないから
小銭を持ったりするときいちいち脱ぐから落とすわけです

それで今年は奮発しましたある店の超高級品
決めるとき一本一本の指の具合を見ますのでなんと一時間もかけて
シンプルな黒い手袋が決まりました

サイズはあちらのサイズで6、18センチですかね
安い手袋は20センチ以上が多く道理ですぐ脱げるのです

この手袋ですと一円だってつかめます

何年か前ウィーンで手袋を買ったときを思い出しました
そのときもサイズが決まったからあれとこれ
という買い方を店の人に拒否され
また一足ずつ始めから肘を机について手を天上にむけ
其処のマダムがゆっくり手袋をはめていく

そのときの一足はまだ健在なのですが
ベースの黒がなくなっているので毎年落としているわけでした

きものには丈が長いものが暖かくてよろしい
コレは一回一回脱ぐのも困難なので
矢張りピッタリのものを買うしかありません

手首に毛の付いたものはきものの袖口が汚れます
ご用心

きものお直し

2011年12月28日 | きもの
染め替え
色揚げ
刺繍直し
柄足し
きものってどうにでもなるんですよね
国宝級のすばらしいおきものも素敵ですが
たった一人の思い出のきものが
職人さん達の手によってよみがえることがもっと素敵

紬などはで表と裏をひっくり返すと新品に見えますしね
六日町の温泉宿龍言の女将さんのように
自分に派手になったきものは
上前を下前に縫い直してまた暫く楽しむ
というお洒落も素敵

昨日は高橋洗い張りやさん今年最後のきもの治め
きものの顔が艶やかになったり
若返ったり
お澄ましになったりと
職人さんたちの腕のよさが光かります

表の作家と呼ばれている方たちも
裏の職人さん達がいないときものは完成しないのですね
裏の職人さんたちは表の作家さん達より腕の良い人がいます

表の作家さんはきもの全体を考えます
裏の職人さんたちはキーポイントの技術が最高なのですね
両極に居る人を結びつけ
いい着物を誕生させたのが「問屋」という職種

今は本来の「問屋」さんが少なくなり
表の作家さんも
裏の職人さんも腕が振るえません

私達で支えましょう

指先がツメタイ

2011年12月27日 | きもの
朝の寒さ格別ですね
足袋の指先がジン人と冷えます
なりふり構わずブーツを履こうかしら
と考えながら歩きます

昔の人はマールい爪皮の付いたビロードの草履を履いていましたね
私も持っていた赤いその草履を捨てたのですよ
野暮ったいと思ったのです
若かったのですね

アザラシの草履があるのですが
それは雪の日には良いのですが普通の日に履くと重い
もう少し軽めのものはないかと
草履やさんに行ってみましたら
なんとなんと15万という値段
買えません

ネル裏の付いた足袋にすればいい
そのとおりです
でも一回り足が大きくなります
今までは其れがいやでやせ我慢していたのですが
昨今の寒さはもうそんなこと言ってられません

まずネルがたっぷり付いたたびカバーを
「めうがや」さんに作っていただくことにしました
そのとき真綿をつま先に入れる挑戦もしていただきます

しかし出来上がりが1月末だとおっしゃる
其れまではひどくつめたい日はブーツにします
ウイーンに行ったとき
足袋を履いてブーツを購入したのです
そうそう其れがあった
それにしてもーーー