古代日本の歴史を謎解き

日本の古代史の謎に挑戦します。

「神武東征の神話」必要だったのか。

2018-03-11 16:34:31 | 歴史
一応、神武東征の意味する所 の続きになりますが
「古事記」「日本書紀」は天皇家の正当性を主張する為に都合よく書かれた歴史書で
「古事記」は上巻、中巻、下巻の三つに分かれていて、上巻の部分が
・イザナギ、イザナミによる国産みや神産み
・天照大神と素戔嗚の誓約
・ニニギの天孫降臨
・出雲の国造
・山幸彦、海幸彦などの日本神話です。
最後に
神武天皇が、九州日向の土地を出発して、近畿を制圧、奈良(橿原)で初代天皇に即位します。

イザナギ、イザナミによる国産み、天孫降臨などは、さすがに天皇家のご先祖様と思われるような
壮大で、通常の人間では出来ない様な内容です。
天照大神と素戔嗚の兄弟げんかもそうですが、
九州日向を出発して近畿を制圧する神武東征の物語は必要だったのでしょうか。
考えられる理由は
・ご先祖様が九州から移住したことが事実である。
・その歴史が漢字のない時代に、きちんと伝えられていた。
・その事実を知る人が多くいた。
一方
・実は、ヤマト朝廷は元々、近畿の一族が発展した国
・或いは、朝鮮人が新たに移住して出来た国
しかし、西日本統一には、西日本統一にマイナスの印象がのこるので
あえて、九州から移住した物語を作成した。
この二通りが考えられると思います。

ヤマト朝廷は元々、近畿の一族が発展した国なら
天孫降臨を奈良盆地にして、山陰、山陽、最後に九州を制圧する物語の方が立派になります。
朝鮮半島など他国から移住して出来た新興国家であれば、自分たちのご先祖は
九州から移住して来たと作り話を作成、正当性を主張した可能性は強いです。

弥生時代(ヤマト朝廷が出来る3~400年前)は確かに、文化が九州から西日本へ伝わった時代です。
弥生時代末期、古墳時代前期は、魏の国が滅び大陸が混乱の時代に突入します。
朝鮮半島では、高句麗が支配力を強め、倭国の支配が弱まる、軍を引き上げた時代です。
朝鮮半島から沢山の移民が倭国へ来ます。
九州北部(筑紫など玄界灘湾岸)が朝鮮半島から攻撃される危険性も増えた時代です。
大宰府を中心に倭国防衛の任務が増える一方、大陸との交易で栄える事はありません。
九州にあった国の王が朝鮮半島から離れた安全な地域で新しい都を作る計画を立てても不思議ではありません。
新しい国造りは、氏姓制度を始まりにした律令国家です。
もちろん、文化は大陸を参考にします。中国大陸、朝鮮半島からの移住した民族を活用したでしょう。
各地の豪族が大きな古墳を競い合って作る時代ですから、全く新しい思想であった事は間違いないでしょう。
飛鳥時代には、漢字や仏教が伝わります。
神武天皇の祖先が九州出身であったかどうかは、わかりませんが
氏姓制度も九州から西へ伝わり、都を奈良に決めて連合国体制から始まった事は間違いないと考えています。
もちろん、飛鳥時代に始まる聖徳太子の遣隋使の派遣、冠位十二階や十七条憲法などで急速に進んだ事は
間違いありません。
倭国の皇帝(天皇家)が遠く東(九州、大陸に近い場所)から移住して近畿で新しい国造りを行ったストーリーが
必要で、且つ、諸国の信頼を得る唯一の方法であったのです。


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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2018-03-23 23:08:22
日本列島は世界の縮図説
北米プレートとユーラシアプレート境が新潟と富山の間
静岡の一部がフィリピン海プレート
北海道(北米)本州東(南米)本州西(ユーラシア)
四国(オーストラリア)九州(アフリカ)静岡(南極?)
サピエンスはアフリカ起源で中東から文明を築く
これをなぞり九州発近畿で天皇即位の流れか

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