古代日本の歴史を謎解き

日本の古代史の謎に挑戦します。

日本神話 神々の名前

2017-04-01 19:15:14 | 歴史
日本神話の概略は 古代のロマンたっぷりの日本神話で多少ですが、紹介しています。
そして、この日本神話は 古事記 にまとめられている話です。
古事記は、712年ですので、奈良時代 漢字もだいぶ普及して、万葉集や東大寺が建立された時代である事も思えておきましょう。
天皇家の、ご先祖様が神であり、この日本国を作ったというお話です。
物語(ドラマ)は、イザナギとイザナミの二人の神様が日本列島を作る部分からだいぶ詳しく書かれています。
この世代から人間の形になり男女の構成が始まっているようです。
しかし物語は、現在の恋愛ものでもなく、アドベンキャー性もありません。
嫉妬とか欲望など人間味のあふれるストーリーなのです。
登場する神々の名前が非常に長い、何とも難しい漢字を充てています。(漢字を使いたくてしょうがなかったのでしょうか)
イザナギ は 伊邪那岐
イザナミ は 伊邪那美 夫婦ですので「伊邪」或いは「伊邪那」が苗字の始まりでしょうか。
それぞれの漢字に意味があるわけではなく、古くから伝わる呼名に漢字を当てはめたような気がします。
中国の史記に登場する国の名前等と同じ要領です。
女性の名前に 美 を付けていますので、女性は美しい対象であったようですね。

物語は、高天原(天空界)、葦原中国(地上界)、黄泉の国(死者の国)が出てきます。
西洋でも、天国と地獄(天使と悪魔)の宗教文化があります。奈良時代ですので仏教も伝わっています。
仏さまや菩薩様が住む天国と閻魔様や鬼がいる地獄の影響は受けていると思います。
仏教では、善い行いをすると天国、悪いことをすると地獄に行くとされますが
この神道宗教では、生まれつき神様だけが高天原で過ごすようです。

神様は永遠の命で死なないはずですが、唯一、イザナミが出産のときに陰部のやけどで亡くなり、黄泉の国へ行ってしまいます。
そして、夫 イザナギが一度、黄泉の国へ行き、命かながら戻ってきます、そして、その国の恐ろさを伝えています。
黄泉の国を表現するのに必要な神話の部分です。
戻ったイザナギがみそぎを行い(悪い霊を洗浄する)、次の世代に神が
  左目から 天照大神(アマテラスオオミカミ)
  右目から 月読の命(ツクヨミノミコト)
  鼻から  素戔嗚(スサノオノミコト)が産まれます。

天照はその名の通り、高天原(神様住む天上界)を治めて、昼間の神様、太陽神です。女性です。
月読は、ひょっとしたら月闇だったかもしれません。後に、黄泉の国(死者の世界)を治めて、夜、闇の神様、性別が不明です。
この二人の神様は、物語と名前が合うのです。
物語に合わせて、名前も漢字を作られています。
この二人は漢字が伝わった後に、創られた(或いは、改名)神様ですので
古事記の著者(或いは、天皇記の著者 聖徳太子)が付けた名前です。


わからないのが、素戔嗚 この読み方、漢字に秘められた意味は何なのでしょうか。
やはり、古くから伝わる呼名に漢字を当てはめたのではないでしょうか。神様らしくもありません。
物語の中でも、あまり品のある行動ではありません。他の神様とはちょっと違います。


魏志倭人伝に紹介される投馬国(とうま)を つま 或いは づま国と読む説もあります。
私は、投馬国=出雲だと思います。
つま国の王がツマコクオウならスサノオに近くありませんか。
鳥取には、砂丘があり、古くから 砂 を スナ と発音していたとすれば スナの国の王 スナオウ が スサノオ(素戔嗚)かもしれません。
他の二人は、神様をトップを考える神信仰の国出身で、スサノオは、国王のトップとする現実主義の王が用いられたと思うのです。

日本神話の中では、スサノオ(素戔嗚)はアマテラスとも仲が悪く、結果、他の神々からも嫌われて高天原から追放されます。
アマテラスの子孫が天孫降臨して国造り、スサノオ子孫と会い、国譲りを迫る物語
何故、この部分が必要だったでしょうか。素戔嗚からヤマタノオロチ、国譲りの神話の部分は無くても天皇の正当性は主張できます。
ぎゃくに、素戔嗚の云う名前の神様を入れると複雑になります。
天の神(昼間の神、太陽の神)アマテラス と 地底の神(死後の世界の神、夜の神)ツキヨミ の二人の方がすっきりします。
素戔嗚は、やはり別の豪族(一族)の神話から加えられたと考える方が良いでしょう。
ヤマト朝廷の始まりに大きく影響した、奈良時代にも、その影響力は強かったという事です。

もし、スサノオが出雲国建国の王でとすれば、魏志倭人伝の投馬国の王
長官は彌彌(弥弥、ミミ)、副官は彌彌那利(弥弥那利、ミミナリ)と紹介されているので
素戔嗚=彌彌(弥弥、ミミ)でしょうか。
もし、素戔嗚が魏志倭人伝の時代に実在した人物であれば、天照大神も当時の人物を神格化しているはずです。
天照大神=卑弥呼 の可能性は高いと思います。
わからないのが、月読(ツキヨミ)、神話でもその後、登場せず黄泉の国(死者の国)を治めるので
当時の墓守の番人という事になります。
当時は、大きな墓を作っていますし、後に古墳時代となります。
聖徳太子の時代には古墳を作る儀式は無くなっています。神話に登場しなくなるのも理解できるのです。
仏教の影響もあったでしょうから、天照大神を太陽神としたなら、夜(死者)の神も必然的に必要になったのでしょう。
しかし、死者の国に神様が住んでいるのは、日本の神道だけの様です。
西洋では、地獄には悪魔、仏教でも鬼などで、天使や仏さまが住む世界ではない様です。
東西問わず、死は恐ろしい物だったのです。
争いによる戦死、災害や疫病などによる死亡、死んだ人の姿はやはり怖い物です。
恐ろしい物が蘇らない様にツキヨミの神が頑張っているとしたのでしょう。

卑弥呼の時代は漢字もない3世紀、聖徳太子でも6世紀、古事記は8世紀です。
3~400年も前の事実が、きちんと伝承できる事が難しい事は理解できます。
九州、出雲の歴史は、全て神話となって語り継がれたでしょう。
それをうまくまとめて、ヤマト朝廷の始まりとしたのが古事記である様に思います。
後に海外向けに書かれた「日本書紀」は中国の史記とつじつまを合わせるために四苦八苦しています。
日本書紀を読んだ中国人は、天照大神、月読 はイメージできたと思いますが
素戔嗚は、どの様なイメージをしたのでしょうか。
古代史の不思議は魅力たっぷりです。


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