古代日本の歴史を謎解き

日本の古代史の謎に挑戦します。

古事記の日本神話と天照の神話

2017-06-11 22:24:30 | 歴史
古事記に登場する天照と月読の神話は、九州地方の神話です。
では、九州のどの地方の神話でしょうか。
九州の大国と云えば、奴国 と 邪馬台国 です。
個々からは消去法です。
天照が奴国の神話の場合(天孫降臨が九州北部)
漢委奴国王の金印を授かる歴史の古い国です。
そのご先祖様に関する神話となります。奴国のご先祖として思いつくのが徐福です。
大陸には陰陽思想が既にあります。
徐福が大陸の陰陽思想を持ち込んだ可能性はあります。
太陽神 天照、陰の神 月読 の発想は理解できます。
ニニギが奴国王で、山幸彦、海幸彦が宗像一族、安曇一族とも受け取れます。
しかし、陰陽思想では 陰 が女性、 陽 が男性 です。
天照も月読も日本古代固有の神様であるようです。
神武東征が、日向を出発して筑紫に滞在するストーリーも合いません。

天照が邪馬台国の神話の場合
天照が卑弥呼、月読が弟で一致しますが、3世紀中ごろに実際に存在した国です。
この二人を神話にする必要があるでしょうか。
天孫降臨するニニギが誰なのか、ニニギが作った国が邪馬台国なのか
話が矛盾してしまいます。
卑弥呼とその弟を先祖とする一族が別の地域に国造りし、二人を神話にしたと考える方がうまくいきます。

スッキリは
邪馬台国の女王 卑弥呼とその弟を祖先とする一族が九州北部から阿蘇を超えて、高千穂の地へ移住する。
その時の国王がニニギ
五ヶ瀬川下り、現在の延岡、或いは 大淀川を下り、現在の宮崎市に
新たに国が出来た時に、伝わっていた神話は天照と月読 と考えては如何でしょうしょうか。
神武東征が、日向を出発、筑紫にとどまるストーリーも納得できます。
日向には既に国がありました。そこへニニギの子孫が加わり新しい国が出来ました。
出雲の歴史と同じです。
邪馬台国が三世紀前半の国、卑弥呼の死が三世紀中ごろ、吉野ケ里など環濠集落が消えてしまい、古墳時代になります。
同じ時代に、西都原古墳群に古墳が出来てきます。
古墳時代に、弥生時代の事実が神話となります。
出雲の神話も同じ時期の出来事でしょう。
当時はまだ、文字がありません。ご先祖様の歴史は神話として語り継がれます。
古事記の上巻に編集された日本神話は、九州宮崎の神話と出雲の神話を合体させています。
中巻の始まりが神武東征で近畿の大和朝廷の始まりにします。

古事記の日本神話から素戔嗚を省いてみると

2017-06-11 19:08:43 | 歴史
古事記の日本神話と出雲の神話
古事記の上巻 日本神話には、出雲の神話が組み込まれていると考えます。
では、この日本神話を 素戔嗚 なしで読み直してみましょう。
天地開闢、国産みと神産み には変わりなしです。
話は、イザナギは黄泉の穢れから身を清めるために禊を行った際に産まれた 三貴神
左の目を洗うと天照大御神(あまてらすおほみかみ)が生まれた。
右の目を洗うと月読命(月夜見:つくよみのみこと)が生まれた。
※鼻を洗うと建速須佐之男命(たけはやすさのをのみこと)が生まれた。
左右に両眼から二人の神様が生まれる方が自然です。わざわざ鼻から産むの?耳や口は?となります。
名前も素戔嗚 だけおかしい。
・天照       漢字の意味から太陽神とわかります。
・月読(月夜見)  もちらも、夜の神とわかります。
素戔嗚 ? その名前に意味があるのでしょうか。

イザナギは、天照に高天原(天上界)を月読(月夜見)に黄泉の国(死者の国、地底の国)に行くように指示します。
※素戔嗚には、海原の支配を命じたところ、イザナミがいる根の国(黄泉の国)へ行きたいと泣き叫び、天地に甚大な被害を与えた。
 イザナギは怒って「それならばこの国に住んではいけない」と彼を追放しします。
 この神様らしくない行動の部分が無くなります。
更に
※素戔嗚は、姉の天照に会ってから根の国へ行こうと思い、高天原へ昇る。
 すると山川が響動し国土が皆震動したので、天照は素戔嗚が高天原を奪いに来たと思い、武具を携えて彼を迎えた
この天照の行動も神様らしくありません、削除されます。
当然、その後の、兄弟喧嘩から始まる 誓約 の神話も削除します。

天の岩戸の神話は少し手を加えます
原典
素戔嗚のいたずらで織物の仕事をしている女性が無くなり、天照がいじけて、岩戸に隠れたため世の中が真っ暗になった。
修正
葦原中国がまとまらず争い事が続くので、天照が怒り、世の中を真っ暗にした。
何となくギリシャ神話の太陽神 アポロン(ゼウスの子供)の話に似てきますね。

・因幡の白兎、八幡の大蛇、国譲りの神話は、全て削除です。
天照は、孫のニニギに葦原中国を収める様に指示して、天孫降臨 の話になります。
以下、修正したお話です。
ニニギの子供
火照命(ほでりのみこと:海幸彦)は漁師として国を作り
火遠理命(ほおりのみこと:山幸彦)は猟師)として国を作り
ニニギは、日向の土地に朝日が見える宮殿を作り、天照を祀った。

黄泉の国へ行った 月読(月夜見) は、九州の西側にひそかに祀られています。
九州にあった神話は、太陽神(天照:昼の神)、月の神(月読:夜に神)の二人のお話でした。
こちらの神話の方が神様らしく、しっくりしませんか。

古事記の上巻に書かれている日本神話は
九州の二人の神様の九州神話と出雲の素戔嗚の出雲神話を組み合わせて出来ています。
その他にも、イザナミが多数の神々を産んでいます。
西日本各地に伝わっていた神様も存分に書き加えたでしょう。
神武東征は、九州の神話と近畿を結びつけるために必要でした。

中巻は、聖徳太子と蘇我馬子によって作成された天皇記が引用されますが、
その後半は、蘇我氏の台頭と仏教の普及が書いてあり、660年には、蘇我氏が天皇となる筋書きでしたので
下巻において、修正されて推古天皇までの話で締めくくられます。

聖徳太子、推古天皇以降は、日本書紀に委ねています。
古事記の目的の一つには、蘇我馬子が作った天皇記 と 仏教の影響の排除がありました。
伊勢神宮と出雲大社も古事記に沿って急いで立て直されたはずです。

古事記の日本神話と出雲の神話

2017-06-11 11:51:47 | 歴史
古事記の上巻に書かれている日本神話の中でも出雲に関する部分が約三分の一ほどあるようです。
素戔嗚が高天原を追放され出雲に降り立ち
因幡の白兎の神話
八幡の大蛇退治の神話
子孫が大国主となり出雲国を作る
国譲りでアマテラスノ子孫へ出雲を譲り、出雲大社が出来る。

上巻に登場する国は出雲の実ですので、当時の大和朝廷も無視できないほど出雲は影響力があり
出雲神話は有名だったのでしょう。
上巻の出雲の神話は、元々出雲にあった神話をそのまま引用されています。
概略
・出雲地方に古くから国が栄えていた。
・海を渡り隠岐の島に新しい一族がたどり着く。
・出雲の国と争いがおこり、、新勢力の渡来人が出雲の国を作る。
弥生時代の大陸からの渡来人が出雲の国を作ったのでしょうか。
既に、渡来人が住んでいて、更に大陸から人が移住した可能性もあります。
魏志倭人伝に紹介される投馬国が水行20日とありますが、帯方群から朝鮮半島を迂回して
新羅から日本海を横断して隠岐の島へたどり着く航路が発見された時代の出来事ではないでしょうか。
奴国、邪馬台国と同じ弥生時代の出雲が神話として伝わっていたと考えられます。

但し、古事記の編集者が挿入したのは、スサノオがアマテラスと兄弟、高天原を追放された部分です。
上巻の日本神話には、大和朝廷の本拠地、近畿奈良の神話が登場しません。
スサノオも奈良を出発して近江より出港、出雲のたどり着く話が良かったのでしょうか
出雲国に配慮したのでしょうか、出雲の神話を優先し、後に国譲りのストーリーです。

近畿の物語は、中巻で神日本磐余彦天皇(かんやまといわれひこのすめらみこと)が瀬戸内海を渡ってきて
近畿を征伐(神武東征)、初代天皇 神武天皇となる(紀元前660年)の話からになります。
やはり、東から渡来人が移住して、既にあった国々を従えていきます。
出雲の神話と同じストーリーです。
これらは、古事記 中巻は、聖徳太子の「天皇記」「国記」を引用で紹介した、聖徳太子と蘇我馬子が作成した天皇記のストーリーでしょう。
近畿と出雲と全く異なる地方ですが、東方から船に乗った一団が移住して新しい国を作ると云う部分で共通です。
大陸で大きな船が作られ、九州北部と交易が盛んにおこなわれていた。
新たに、九州北部(末盧国、伊都国)を経由せずに、朝鮮半島から門司へ、山陰地方へ航海が出来る様に発展していった過程です。
時代的には、漢委奴国王の金印を受ける奴国繁栄の後
親魏倭王の金印を受ける邪馬台国と同じか、その後の時代。
弥生時代後期から古墳時代の事実が神話になっています。3世紀後半でしょう。

上巻の日本神話は、
・イザナミ、イザナギなど神々のお話
・アマテラスの天の岩戸、スサノオとの誓約
・ここに、出雲神話から国譲り
・ニニギの天孫降臨から海幸彦・山幸彦
に分けられます。
国譲りのお話の他に、神武天皇が皇后に媛蹈鞴五十鈴媛命(スサノオの子孫 大物主神の娘)を迎えています。
物語としては、ニニギ辺りで大国主神の娘と結婚させる手法もあったでしょうか、
既に中巻が先に完了していたのでしょう。出雲の国譲りと神武天皇と大物主神の娘 との結婚 と似たような内容が二度登場します。

大和朝廷と出雲国、かなり親密な関係であった。同じ大陸一族で言葉や習慣も似ていたのでしょう。
倭国統一に協力関係でありました。

残る神話で、スサノオと兄弟関係にあるアマテラス、神武天皇のご先祖様に当たるニニギノミコトとご先祖様アマテラスとは
アマテラス神話がどこの地方の神話なのか分かれば、神様の国 高天原 が特定できるのですが、如何でしょう。