ろぐろぐ音楽ブログ

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観月ありさ 全シングルレビュー。

2014年11月03日 11時01分17秒 | 感想・レビュー(シングル)

ナースのお仕事スペシャルドラマで復活&3年半振りシングルリリース記念!観月ありさ全シングルレビュー。
さっくり振り返るつもりが、意外と大ボリュームに…(汗



アイドル冬の時代に突入直後である90年前後、CM出演などをきっかけに女優アイドルとして人気を博した3M=宮沢りえ、牧瀬里穂、観月ありさ。彼女らも先輩アイドル達と同じく歌手活動にも手を出して、宮沢りえは作詞:川村真澄・作曲:小室哲哉のMy Revolutionコンビによる「DREAM RUSH」(89年)、牧瀬里穂は竹内まりや作詞作曲の「Miracle Love」(91年)、観月ありさは尾崎亜美作詞作曲の「伝説の少女」(91年)、という3名とも豪華作家陣による華々しい歌手デビューとなり。
で、その結果、宮沢りえ・牧瀬里穂の2名は30万枚を超える売り上げを記録したのに対して、観月ありさのみ20万枚を超えた程度で、時代を考えれば健闘した方だけれども3Mの中では一番低い売り上げに。

しかしここからが違うのが観月ありさ。

宮沢・牧瀬の2名がデビューシングルが最大のヒットであとはしぼんでいくという「人気アイドルの歌手デビュー」典型パターンになったのに対し、観月ありさはデビュー翌年(92年)の4thシングル「TOO SHY SHY BOY!」が37万枚を売り上げ最大のヒット。さらに、94年にも7thシングル「Happy wake up!」が33万枚を売り上げ、それ以降も地味ながら主演ドラマの主題歌などで10万枚を超えるスマッシュヒットシングルを何枚か生み出して、アイドル冬の時代に大健闘。

セルフライナーノーツなどを見ると、もともと歌手への意欲が強かったらしい観月ありさ。
声量や音程という基礎歌唱力という点ではまぁアイドルにしてはそこそこ、というレベルではあるけれど、ストレートかつ艶と伸びのある声が良くって。それがいかんなく発揮されるミディアムバラードは鉄板。そして歌唱力の割にリズム感があったというか、カンのいい歌い方をする人だったので、TK(小室哲哉)楽曲が思ってたよりもフィットしたってのも結構大きかったんじゃないかなーと思ったりする。宮沢りえはもちろん、牧瀬里穂もアルバムでTK節炸裂の「キャンセルされたプライバシー」って曲がありますが、やっぱり歌えてないもんなぁ。CDでも。「TOO SHY SHY BOY!」をはじめ非TK曲でも「Don't be shy」みたいなダンスナンバーもきちんと歌えているってのがほかの3Mとの大きな違い、かなと。

というわけでそんな彼女のシングル歴史を振り返ってみましょ。



1st. 「伝説の少女」        1991.05.15        お気に入り度:★8
(作詞作曲:尾崎亜美 編曲:佐藤準)
当時14歳。14歳とは思えないスタイルの良さで注目を集めた観月ありさに、尾崎亜美さんは「伝説の少女」というフレーズをつけた。タイトルの割にジミな曲ではありますが、伝説の少女が主人公なのではなく、「伝説の少女を夢見ている女の子の物語のはじまり」がテーマなので、そう考えると本当にピッタリ。観月ありさの歌唱も、この時期ならではの少女らしさといいますか、歌いなれてない感じが逆にピュアな少女性を演出しているんではないかなと思います。
ただやっぱり大型アイドルのデビュー曲!って割にはインパクト薄いかなぁ。ほかの3Mが良くも悪くも引っかかるデキだっただけにw、余計そう思う。

カップリング「鏡の中のUTOPIA」も尾崎亜美さん曲。カップリング曲ながら後に尾崎亜美さん自身もセルフカバーするくらいのナイスソング。バラードな1曲目と対照的なアップテンポで力強い曲。尾崎さんらしいソウルフルさも感じられるし、こっちがシングル曲でも良かったくらい。

 


2nd. 「エデンの都市(まち)」        1991.08.28        お気に入り度:★8
(作詞:田口俊 作曲:奥居香 編曲:笹路正徳,奥居香)
2ndシングルはプリンセスプリンセス奥居香さんの曲。奥居さんってこういう曲ホント得意だよねーというかw 同じく奥居香さんが楽曲提供した森口博子「スピード」「ホイッスル」とか松田聖子「Precious Heart」的な、プリンセスプリンセスっぽい明るく元気な曲。デモテープも奥居さんが歌っていたんだろうねー、というのがよくわかるw 尾崎亜美さんとは違う形で少女らしさをうまく引き出してくれていて、これもこの時期ならではの感じですがナイスです。

カップリング「風が吹いてる」も奥居さん曲。奥居さんのコーラス全開、スケール大き目のバラードで隠れた名曲。本人もお気に入りのようです。

 


3rd. 「風の中で」        1991.11.21        お気に入り度:★8.5
(作詞・作曲:尾崎亜美 編曲:佐藤準)
再び尾崎亜美さん曲。1stアルバム曲となる予定が、本人の強い要望により先行シングルになったとか。それも納得の曲でございます。「伝説の少女」よりジミだけど、より名曲オーラが出ている感じ。よりナチュラルな少女性というか。尾崎亜美さんの少女趣味的な世界観に、この時期の少女にしか出せない魅力がうまくマッチしている曲かな、と。
カップリングの「Graduation~扉を抜けて~」も尾崎亜美さん曲。セルフカバー集「POINTS-3」ではなく、オリジナルアルバム「月の魔法」にて尾崎亜美さんはセルフカバー。これはセルフカバー版の方が好きかも。観月ありさに似合ってないわけじゃないんですが、なんだろ、観月ありさ版はアレンジが普通?尾崎さん版の方が面白い。

 


4th. 「TOO SHY SHY BOY!」        1992.05.27        お気に入り度:★7.5
(作詞・作曲:小室哲哉 編曲:小室哲哉,久保こーじ)
1stアルバムでひときわ目立つ名曲だった「夢だけのボーイフレンド」を提供したTKがシングルでも登場。「夢だけの~」と同じく、小室節全開の曲なんですが、今回のはちょっとTMNそのままっぽいというか、あんまり観月ありさにフィットしてるとは言い難いような気もするー。ただ、アルバムレコーディングを経て、ありさ本人の歌声にしっかりとした芯ができてきたのがイイカンジです。小室ファミリーブーム前にもかかわらず これが観月ありさ最大ヒットに。「観月ありさ with 小室哲哉」名義でMステに出演したこともあったりと、翌年の篠原涼子 with t.komuro「恋しさと せつなさと 心強さと」の布石になった?という意味でも重要な曲かも。ちなみに2ndアルバムに入っているEXTENDED REMIXが結構好きです。ドラムパートがより強くなっててツボ。



5th. 「今年いちばん風の強い午後」        1993.05.21        お気に入り度:★9
(作詞・作曲:呉田軽穂 編曲:大村雅朗)
アイドルなのになぜか1年ものスパンが空いての新曲、TKの次は呉田軽穂=ユーミン。ユーミンらしい瑞々しさとこじゃれた歌詞が観月ありさの雰囲気にマッチしていて、スバラシイです。スピーディーでさわやかな展開の夏ソングですが、「探していたの 真夏のサンタクロース」「つぎのクリスマスにはなんにもいらない あなたといられたら」とか、夏を舞台にしつつクリスマスを意識してちょっとバブリーに優雅な雰囲気が実にユーミンぽい。作曲編曲のクレジットからは、80年代中期の松田聖子を思い起こされる感じ。PVも南の島にロケに行って撮影していて、夏らしくてあまり古さを感じさせないデキでいいです。



6th. 「君が好きだから」        1993.08.31        お気に入り度:★8
(作詞:田口俊 作曲:呉田軽穂 編曲:大村雅朗)
ユーミン続投。ユーミンらしい、シンプルながらも瑞々しいメロディが印象的なバラード。作詞がユーミンじゃないぶん前作よりはユーミンっぽくない。さてそれをどうとるか。90年前半シングルの中ではジミな印象のあるシングル。いい曲だけどね。フジテレビ月9主題歌だったそうですが売り上げアップとまではいかず。あとこれジャケが良くなかったような気がする(汗
ちなみに、シングルではアウトロはフェードアウトで終わってますが、ベスト盤の「FIORE」収録版ではフェードアウトしない完全版。ということをつい最近10年越しに気づきました(笑



7th. 「Happy wake up!」        1994.10.03        お気に入り度:★8.5
(作詞作曲:小室哲哉 編曲:小室哲哉,久保こーじ)
ユーミン×月9で売り上げ伸びなかったので、TK×CMソングで再びテコ入れ…なのかはわかりませんが、久しぶりの小室哲哉登場。今回は明るくキャッチーなTKポップで、背伸び感のあった「TOO SHY~」と比べるとぐっと等身大な感じに。クノールカップスープのCMにもばっちりフィット、そしてTKブランドが幅を利かせてきた時代ということもあってか、30万枚を超える売上で「TOO SHY~」に次ぐヒット作に。BOY MEETS GIRLにそっくりじゃん、とか言っちゃうとミもフタもないけど似合ってるからそれでいいと思うw

カップリング「Close to you」は小室哲哉作曲のバラード。カップリングでさり気なくいい曲があるなんてTKにしては珍しい。



8th. 「あなたの世代へくちづけを」        1995.02.13        お気に入り度:★8(リテイク版は★9)
(作詞・作曲:小室哲哉 編曲:久保こーじ)
TK続投…ですが、前作とはうってかわってマイナー調バラード。ありさ本人のライナーノーツでも書き出しから「この曲は名曲です。」って書くくらいの名曲、ただし個人的には「ARISA'S FAVORITE-T.K.SONGS-」に入っているボーカルリテイクver.に限る。というのも、シングル収録時には高いキーが出ずに、ひとつキーを下げて歌ったみたいなんですよね。で、リリースから1年半後、リテイクの機会があったときに歌ってみたらオリジナルキーでも歌えるようになっていたよ、ということらしい。比べるとやっぱりオリジナルキーの方が自然だし 観月ありさの声にも合ってるし、シングル版にある変なリヴァーブ効果もないしでよいのです。派手さはないけど名曲。ちなみにデビューから続けてきたオリコンTOP10ランクインはこの曲が最後。



9th. 「抱きしめて!」
 
       1995.05.24        お気に入り度:★7
(作詞:永岡昌憲 作曲:星野靖彦 編曲:土方隆行)
初期浜崎あゆみ作品で有名な、星野靖彦さんによる夏らしい爽快ポップ。ただこれまでのシングルの流れで見るとちょっとB級アイドル感もあるかな…。PVはこれでもかというほどどアップでリングライト使ってかわいさ強調、ザ・アイドルなPVなのに、この鈴木その子みたいな真っ白肌のジャケ写はヒドイと思う。タイトルロゴもダサいし。この曲で初のTOP10落ちになってしまいますがジャケ写のせいじゃないかって思うくらいw
曲自体はねー、いい曲だとはと思うのですけども、ピロピロしてるイントロとか「ちぎれそうな夜」って歌詞が微妙にダサいとか、ツッコミどころはある。この後にリリースされたアルバム「cute」の流れで聞くといいんだけど、これまでのシングルの流れで聞くといまいち、みたいな。



10th. 「Don't be shy」
  
     1995.12.01        お気に入り度:★9
(作詞:岩里祐穂 作曲:F&M Project 編曲:星野靖彦)
カバー曲その1。Jamie Dee「Don't be shy」のカバー。ユーロビートのカバーにチャレンジ、ではありますが別に安室奈美恵みたいな陽性ハイパーユーロではなく、デジタルビートのダンスナンバーって言う方がしっくりくる感じの仕上がりですごくいい。「TOO SHY~」からダンスビートはちょくちょく歌ってきているのでこの路線も違和感なく歌えてますね。この辺あたりから声質が安定してきた気がします(ありさ本人は「Days」あたりから、って言ってますが)。前作の反省からかジャケ写のセンスも急に良くなりましたが売上ふるわず、むしろ半減以下にダウン。1995年は安室奈美恵「TRY ME」がヒットした年だし戦略的には間違ってないと思うのに。何故ー。




11th. 「風も空もきっと…」        1996.04.20        お気に入り度:★8.5
(作詞・作曲:上田知華 編曲:大槻啓之)
思いっきりデジタルやった前作の反動なのか、上田千華さん作曲による生音重視のバンドサウンドに包まれたミディアムバラード。観月ありさ王道、といった感じの安心感あふれる曲。とはいえシングルでこの路線ってあんまりないんですが、それでも王道っぽく聞こえるくらい相性がいいってこと、かな。女性シンガーソングライターとの相性が良いみたいです、ありささん。
アニメ「セーラームーン」のEDテーマだったようですが、初期に放送されていたTVバージョンはシングルバージョンと結構異なっていて、生音率が低くてヴォーカルテイクも幼い雰囲気になっています(後にシングルバージョンに差し替えた模様)。セーラームーンというアニメには初期版の方が似合ってたのかも?ちなみにC/Wなしの1コインシングル。



12th. 「PROMISE to PROMISE」        1996.07.24        お気に入り度:★10
(作詞:小室哲哉,前田たかひろ 作曲・編曲:小室哲哉)
女優・観月ありさの代表作「ナースのお仕事」主題歌。シングルでは4曲目のTK楽曲、今度はミディアムバラード。これ名曲。ほんと名曲。日常のエアポケット的な切なさを切り出したTKと前田たかひろさんの歌詞と、観月ありさの歌声が絶妙にマッチ。この曲の絶妙な空気感は、globeだとリキ入っちゃうし 安室さんが歌うとかったるそうになっちゃうし 朋ちゃんにはキー低いし hitomiだとやさぐれ感が出ちゃうし、観月ありさにピッタリすぎる曲。小室作品として凄いチカラが入っている!という作品ではないけど、それがかえっていっそうエアポケット感を演出していて いい方向に転がっているというか。とか書くといいように書きすぎでしょうかw 

ドラマは代表作って言っても実はパート1では平均視聴率17%くらいで、大ヒットというほどではなかったんだよね。この曲はオリコンTOP10にはランクインしませんでしたが(最高19位)、ロングセールスで売り上げはTOP10入りした「あなたの世代へ~」を超えるヒットに。



13th. 「Forever Love」        1997.04.23        お気に入り度:★7.5
(作詞・作曲:伊秩弘将 編曲:水島康貴)
コーヒー飲料「kafeo」のCMソング。こんどは伊秩さん曲。SPEEDと同じ事務所だし流れとしては想定内。CMソングにふさわしいキャッチーポップで普通にいい曲。ただちょっと伊秩さんの手癖っぽい感じがするかなぁ。オーソドックスすぎるというか、手抜きとは言えないですが全体的にもうちょっと練れた気がしないでもない? 南国ちっくなイントロとかも、よくわからないしw これはこれで好きですが。カップリング「in my life」も伊秩さんらしさあふれる小品。



14th. 「Days」  
      1997.11.19        お気に入り度:★8.5
(作詞作曲編曲:五十嵐充)
「ナースのお仕事2」主題歌。コロムビアからavex tuneにレコード会社を移籍。移籍効果が早速出て、当時ELTでノリノリだった五十嵐充さんが楽曲提供。五十嵐さんらしい繊細でメロディアスなスローバラードですが、もっちーが歌ってるところを想像しにくいあたり、五十嵐さんの職人魂炸裂といった感じ。シンプルでやさしい音使いで聞いてて心地いいけれど地味じゃない、というあたりも五十嵐さんらしいかな。歌声もいつもながら伸びのある歌声を聴かせてくれていて曲との相性もバッチリ。

カップリング「walk into the lights」は「抱きしめて!」以来の星野靖彦さんによるキャッチーポップでこれもさりげなくいい曲。ここから先しばらくはカップリングもいい曲ばっかり。
ドラマ自体はシリーズ1より視聴率はちょっと上昇、主題歌はやや減ですが10万枚突破。ナースの~シリーズでは一番シリアスでしたね、ドラマ。



15th.「Through the season」        1998.05.27        お気に入り度:★8.5
(作詞:海老根祐子 作曲編曲:葉山拓亮)
紙パック飲料「piknik」のCMソング。当時第二のELT目指して頑張ってたD-LOOPの葉山拓亮さん楽曲。サビメロ「あーなたをさがしーてたー」の、「てたー」ってファルセットになる部分がぐっとくる。夏向けでさわやかな曲調だけど、ひとにぎりの切なさというか、刹那さというかが込めれられて素晴らしいのです。同時期、同じく葉山さん作編曲による爽やかポップでCMソングに起用された知念里奈「Wing」がヒットしたにもかかわらず、こちらは大不振でオリコン49位。ショートボブヘアーが不評だったとか?この時期だけだし。

カップリングの「Previous days」はT2yaさん作編曲で、shela「White Destiny」のプロトタイプみたいな曲。ちょっとありさ自身が歌いきれてない感じが惜しいですが、T2yaさんらしい哀愁感が絶妙で個人的にはツボ。



ex01. 「oh-darling / convertible」        1998.07.08        お気に入り度:★8
(作詞:MARC,小室哲哉 作曲編曲:小室哲哉)
月9ドラマ「ボーイハント」主題歌。モデル仲間のKAYATOさんという方と組んで、convertible名義で出したシングル。と言ってもモデルさんの方はほとんど歌ってないしそんな踊ってもいないという…。最初は顔出ししないで、月9ドラマ主題歌を歌う謎ユニット!という話題で売ろうとしたものの あんまりにも売れなかったために途中で顔ばらししたという話はホントなんでしょうか(笑)
曲自体はTKによる低音ビートがかっこいいノリ重視の夏曲。MARCの歌詞が意味不明なのはいつものことなのでまあいい…か?カップリングのHard top remixが結構いいかもしれない。

視聴率は当時の月9としてはかなりの不発だったようでしたが腐っても月9?最高位は低いものの10万枚は突破。「ねー いったい あなたは何者なの?」という歌詞は後ろのモデルさんに言ってるというネタ。PV集に収録されなかったのはモデルさんの権利が取れなかったから?かっこいいのに。



16th. 「朝陽のあたる橋」        1999.02.03        お気に入り度:★8
(作詞:森浩美 作曲:T2ya 編曲:葉山拓亮)
ドラマ「天使のお仕事」主題歌。教会ピアノ風のイントロが印象的な、あたたかくて穏やかでありつつ、凛と澄んだ空気感も併せ持つステキ楽曲。観月ありさお得意のミディアムバラードなのでばっちりハマってます。ウェディングソング風の仕上がりですが別にドラマは結婚テーマではないはず。作曲:T2ya 編曲:葉山拓亮というその筋の人にはたまらないクレジットですが、あんまりT2yaさんっぽくはないかも。ちなみにシングルとアルバムではイントロのピアノがほんの少しだけ違ったりします。

カップリング「True」はさりげなく尾崎亜美さんが久しぶりに楽曲提供。隠れた名バラード。というかこっちがA面でもよかったんじゃ?「きっとAngel Eyes 空から見つめてる」って歌詞からしてもドラマに合わせて書いてるような気がするんだけどなぁ。尾崎さんの少女趣味がいい感じにマッチしているし、カップリングながらの地味な曲とかそういうわけでもないし。謎。
ちなみにこのドラマ、ナースのお仕事シリーズキャストを半分近くそのままひっぱってきた影響からか初回の視聴率は14%とそこそこでしたが、その後下降しっぱなしで最終的には7%程度だったそうで。タイアップ効果も表れず。もったいなーい。



17th. 「Eternal Message」 
 
     1999.04.28        お気に入り度:★9.5
(作詞:海老根祐子 作曲編曲:葉山拓亮)
「伝えたい言葉があふれだして 急に声が聞きたくなるから」。今は亡きケータイキャリアTU-KA(懐かしい!)のCMソングだったわけですが、もうピッタリすぎるよね。キャッチーなんだけどキュンとくるせつなさもあるサビメロはさすが葉山さん楽曲。これが売れないってのがなぁ。納得いかないっつーかなんというか。ちなみにTU-KAはこの後にイメージキャラクターをあゆに変えて最後の悪あがきをします。そっちは歌も浸透したのになぁ、って思ったりしてみるw

カップリング「I NEED YOU」はアコギメインのシンプルな音に乗せて届けられる伸びやかなありさボイスがナイスなバラード。ここまでシンプルに「声」に焦点あてた曲はありさ史上初。たぶん。オケはシンプルですがメロディはちゃんと起伏があるので退屈しないのもいい感じ。



18th. 「BREAK ALL DAY!」    2000.05.10        お気に入り度:★10
(日本語詞:サエキけんぞう 作曲:Cathy Dennis,Michael Ericsson,H.Roostan,Toh Eric Harmansen 編曲:ダンス☆マン)
「ナースのお仕事3」1クール目主題歌。カバー曲その2(オリジナルはS Club 7「Viva la fiesta」)。突如ハデハデ★盛り上げラテンチューンにチャレンジ。でもこれがいいんですよー。ポイントはダンス★マンさんのアレンジ。オリジナルの面影はありつつも、より派手さを増してにぎやかになっております。ナースのお仕事1・2は共に主題歌はバラードでしたが、パート3以降はコメディ要素が増えるのでこのアゲアゲ路線で正解。 
視聴率的には2と同等かちょっと上、2クールドラマでしたが終始高いアベレージをキープして、20%越えも珍しくなかったシリーズ3。ありさ本人の歌手人気は落ちてきてましたが主題歌の売り上げは5万枚弱で前作の3倍以上。Mステにこの曲で何故か2回出ている。

カップリング「SHAKE LOVE」は「Through the season」パート2みたいな曲。タイアップも曲作ってる人も同じだし、曲のデキがいいのもおんなじ。CMも見た記憶あるし、両A面でもよかったかもね。

 


19th. 「女神の舞」        2000.08.23        お気に入り度:★7.5
(作詞作曲:つんく♂ 編曲:松原憲)
「ナースのお仕事3」2クール目主題歌。今度はつんく♂曲。前作のノリの良さをまた変な方向に変えてみたような曲。でもこの時期モー娘。絶好調で無敵モードだったつんく♂にしては手抜きっぽいというか、あんまりチカラ入ってる感じしないなぁ。でもこの曲スキでした。このちょっとヘンなノリはドラマにも合ってた気がするし。歌詞をそらで全部覚えた初めての曲がこれだった自分の中学生時代はやっぱりどうかしているな。

カップリング「Believe in your way」の方が必殺の大バラードって感じで名曲。ちょっと大仰な気もするけど、これシングルに取っておいてもよかったんじゃないかなぁ。明らかにカップリング向けに作られた曲じゃないよねこれ。コミカルなドラマに合わない曲だから、タイアップ的にリリースタイミングが難しかったのだろうけど。作編曲はBoA「メリクリ」等でおなじみ原一博さん。



20th. 「ヒトミノチカラ」        2002.02.06        お気に入り度:★9.5
(作詞:森浩美 作曲:高見沢俊彦 編曲:上野圭一)
1年半ぶりのシングルはアニメ「ヒカルの碁」EDテーマ。ファーストアルバム収録の「風に乗って」以来、10年ぶりのたかみー曲。いつもよりちょっとだけロックテイストも入ったアップテンポ。ありさボーカルもそれに合わせていつもより少し力強く。スピード感とサビの吸引力はさすがたかみー。編曲はたかみーではなく上野圭一さんなのでそんなにアルフィーっぽくはなってないですね。いい感じの塩梅なのではないかと。この曲ほんと大好き。
ヒカ碁はアニメ人気はそこそこあった気がしますが主題歌のヒットにはあまりつながらなかったよね、どれも。dreamの「Get Over」がいつもより売れたかな、くらいで。
テレビ出演時はたかみーのエンジェルギターを「持って」披露してました。EXILE ATSUSHIと同じスタイルを10年早くやっていた。

C/W「すべては風の中で」は、「Days」以降のシングル全部C/Wは外れなしだったのに比べるとちょっと落ちるかな。悪くないですが。「ヒトミノチカラ(BUZZ ROCK VER.)」は単なるリミックスではなくボーカル取り直しもした別バージョン。オリジナルよりさらに力強くなってて、むしろ力みすぎな感じもありますがこれはこれで。



ex02. 「VACATION / 朝倉いずみ with ナースのお仕事」        2002.04.24        お気に入り度:★7
(作詞:漣健児 作曲:CONNIE FRANCIS/HANK HUNTER/GARY WESTON 編曲:小西貴雄)
「ナースのお仕事ザ・ムービー」主題歌。ドラマの役名である「朝倉いずみ with ナースのお仕事」名義でリリース。カバー曲その3。コニー・フランシス「Vacation」をカバーした弘田三枝子「ヴァケーション」をさらにカバーした曲、ということになるみたい。いわゆる企画モノで、ザ・朝倉いずみ!って感じでこれはこれで似合ってます。明るくてノリやすくて元気いっぱいで、そういう意味でも狙い通り。ではあるものの、売り上げは撃沈。映画自体がナースのお仕事ファンでも苦笑いしながら楽しむ感じだったからなぁ。

リミックスが2曲入ってますが、これが意外といいです。どちらも小西貴雄さんによるリミックス。トランスハイパーな「HYPER MIX」と完全にパンクな「PUNKISH MIX」、どっちも似合ってる。「PUNKISH MIX」が面白くて特にいい感じ。V!A!V!A!V!A!V!A!V!A!



21st. 「Love Potion」        2002.08.21        お気に入り度:★8
(作詞:相田毅 作曲:Stephen Kipner,David Frank,Palema Sheyne 編曲:小西貴雄)
「ナースのお仕事4」主題歌。カバー曲その4。今度はクリスティーナ・アギレラ「ジニー・イン・ア・ボトル」のカバーだ!っても、完全に観月ありさ色。スローでセクシーなアギレラ版を期待してると肩透かしかもですが、ありささんはセクシーというよりは健康美な感じなので(ドラマの役柄的にもね)、これはこれで。じゃあなんでこの曲カバーしたのかというとまた別の話ですが、この開き直った下世話な感じはスキです。BREAK ALL DAY!と女神の舞の中間みたいなノリでナースのお仕事シリーズにはぴったり。

(追記:この曲、小西貴雄さんが観月ありさ向けにラテンアップテンポ版に大変身させたというよりは、「ジニー・イン・ア・ボトル」のスパニッシュ語版のリミックスをカバーした、というのが正確らしい。これを選んだディレクターさん?がすごいね、これは。)

ナースのお仕事主題歌にもかかわらず売り上げアップにはあまりつながらず、オリコン最高位30位、1万3000枚。でも次のシングルを考えるとこれでも効果あったのかな。ドラマの視聴率自体は3より若干落ち、平均17%くらい。でもまあよく頑張った方でしょう。さすがにマンネリの声も多かったし、沢田先生いなくなっちゃったし・・・。最終回が2時間SP+野球延長2時間で放送が深夜までになっちゃったのも今ではいい思い出。(リアルタイムで見てた)



22nd. 「Shout It Out」        2003.05.21        お気に入り度:★7.5
(作詞:松井五郎 作曲編曲:JEAN PAUL 'BLUEY' MAUNICK,MATT COOPER)
ドラマ「ダイヤモンドガール」主題歌。ドラマはお金持ちお嬢さん役の観月ありさがかき乱すコメディタッチのドラマで、それに見合ったちょっとシャレオツでセレブ感ある軽快な楽曲。観月ありさが歌うと なんちゃってセレブ感 親しみやすい感じに仕上がってる。インコグニートのブルーイ提供の曲、とのことですが洋楽疎いからわからない…(汗)このラグジュアリーな感じは洋楽っぽいといえばそうなのかな。とはいえこれまでカバー曲4曲もやってることもあるのか、外タレ提供曲なのに観月ありさ史上の異色作って感じにはならないのがスゴイ。それがいいのか悪いのかはまた別ですがw

2000年以降は悪くてもオリコン30位くらいには入っていたのですが(企画モノの「VACATION」除く)、今作でオリコン最高位94位・3300枚と一気に撃沈。ドラマの視聴率的には11%前後とやや低めだったとはいえここまで来ちゃうとはなぁ。この売上不信を受けてか、定期的なシングルリリースはここで終了。これ以降は一気にリリースペースが鈍ることに。



ex03. 「セ・ラ・ビ / ALISA MIZUKI TO AZIAN2」        2005.09.28        お気に入り度:★6
(作詞:20/TATSU 作曲:TATSU 編曲:ASIAN2,笹本安詞)
2年以上ぶりのシングル。主演映画「鳶がクルリと」主題歌、ミクスチャーバンド「AZIAN2」とのコラボ名義でリリースされた楽曲。AZIAN2の色がかなり強く出ていて、ありさ本人も初のラップを披露したりしてます。ただなぁー。似合ってるかというと、うーん、どうよ?w って思ってましたが改めて聞くと悪くない。この作品のリリース後しばらくしてAZIAN2がプチブレイクしたというタイミングもちょっと悪かった? 映画も不発で、Mステで披露したにもかかわらずこの曲はオリコンTOP100に入らず、売り上げ880枚と撃沈。Mステで歌った楽曲で一番低い売り上げなんじゃ…と思っていたら数年後にIMALUさんが更新してくれた(笑)。
カップリング「Sweet one week」はAZIAN2ではなく、好色人種というバンド?からの提供曲。謎が謎を呼ぶ人選ですがC/Wならではのチャレンジとしてはいいかも。たぶん当時そんなつもりはなかったと思いますが、結果的には色々なアーティストから楽曲提供を受けた20周年記念アルバム「SpeciAlisa」の前哨戦って感じのシングルになりましたね。

 


23rd. 「ENGAGED」        2008.02.06        お気に入り度:★9.5
(作詞作曲:滝川潤 編曲:旭純)
2年半ぶり、本人名義だと4年以上ぶりのシングル。主演ドラマ「斉藤さん」主題歌。2段構成のサビメロが素晴らしい珠玉のミディアムバラードで、本当にこれはもうメロディが素晴らしすぎるっ。徐々に暖かさを増していって、大サビ「ねぇ どうして~」でクライマックスになる展開がもう本当にぐっとくる。ミディアムバラードは鉄板な観月さんですがその中でもかなり上位な名曲。
ドラマとはミスマッチでしたが視聴率の高さも手伝ってなんとか7000枚は売れた。4年以上前のShout it Outの倍って考えると結構頑張ったかも。Mステ出演したらデイリーチャートに復帰したし、ネット上では結構いろんなところで評判良かった記憶が。

カップリング「アネモネ」は観月ありさ作詞、作曲は「ENGAGED」と同じ滝川潤さん。こちらもバラードですが、あたたかいA面から一転して切ない失恋ソング。これもいい曲。
前作のコケっぷりからして、この頃はもうリリースがあること自体がうれしくて仕方なくて。もうどんな駄曲でも出るだけ嬉しい!とか思ってたくらいですがw、そんな状況でこんな名曲が出てくるなんて思ってもいなかったなぁ。



24th. 「星の果て」        2011.08.17        お気に入り度:★8
(作詞作曲:川村結花 編曲:旭純)
3年半ぶりのシングルは、20周年記念アルバム「SpeciAlisa」からのリカットシングル。観月ありさお得意の、珠玉のミディアムバラード・・・って語彙の少ない自分には「ENGAGED」との差異を言葉で説明するのが難しいんですが(汗)、曲のデキもおんなじくらいイイ出来なのは確かなのです。リリースペース空いてる割に声の劣化とかも無いですし、あのアルバムからリカットするならこれが一番大衆受けしそうでシングル向きのバラードだし。とはいえアレンジ等は特に変更なしでそのままリカットされてもなぁ。歌番組での披露も無かったし。

このシングルの存在意義は、カップリングに収録されたPiano Version!よくあるピアノバージョンといえばそうなんですが、メロディ的にはシンプルな曲なのでこっちのアレンジの方が合ってるかも。

 


25th. 「わたし / Heroines!」        2014.11.01(配信) 2014.12.10(CD)        お気に入り度:★8 / ★5.5
(作詞作曲:岸谷香 / 作詞:中村彼方 作曲:Charlie Mason,Frida Molander,Christian Rabb)
女優業は年1回以上の定期主演ドラマはありつつもここ数年は特にヒットドラマはなく、音楽CDリリースも3年以上音沙汰ない状況が続いた中での朗報、「ナースのお仕事、2夜連続のスペシャルドラマで復活!」。ナースのお仕事といえば主題歌:観月ありさ!ということで期待していましたが、やっぱりスペシャルドラマで新曲作成ってのは難しいのか、3年前の20周年記念アルバム「SpeciAlisa」から2回めのリカットシングルという形に。

今回はきちんとボーカルリテイク、アレンジも変更されてます。
1話目の「離島編」主題歌は、岸谷香(=奥居香)さん作詞作曲の「わたし」。奥居さんお得意の元気ロックではなく、昔をセンチメンタルに振り返りつつも今日をしっかり生きていく、というバラード曲。このリアレンジとリテイクは大正解。オリジナルではなぜかちょっと不穏だったイントロも修正されて、リズムが強調されてシングル向けにちょっとお色直し。ボーカルも感情がよりグッと込められてる仕上がりになっているのは、ミュージカルをやった経験が活かされているのかな。とはいえミュージカル唱法になってるわけじゃないので、そこは一安心。

2話目の「再会編」主題歌は「Heroines!」。GReeeeNのプロデューサーJINさんがプロデュースした楽曲。これはオリジナルのほうがいいかなぁ。オリジナルは洋楽テイストのリズムパートとギターの音が強めで、好き嫌いは別としてそれがこの曲の個性だったんですが、リアレンジでなんだかフツーのポップスになってしまったような…。
でもこれは、ナースのお仕事3以降定番だった、観月ありさの主題歌をBGMにみんなで踊る映像が流れた、ってところに意義があるのかな、という気がする。ちなみに本編に組み込まれたのはザ・ムービー以来で、3と4ではエンディング映像でみんなで楽しく適当に踊ってました。


ドラマも面白かったなー。安いCGとかお決まりの展開とか超展開とか、まぁいろいろナースのお仕事らしかったな、とw
映画版だからって無駄に豪勢にして無駄な盛り上げ方をしたザ・ムービーより確実に今回のスペシャルドラマの方がよかった!
観月さん、ここ数年はコンディション悪い時は思いっきり太って見えちゃったりしてましたが(元が小顔+顔に肉がつきやすいからっぽい)、今回はベストコンディションでナース服もばっちり決まってました。ツイッター見てる限り、評判も悪くなくてよかったよかった。連続ドラマじゃないのがよかったのかも。



というわけで、全シングル振り返ってみて思ったのですが、それぞれ色の強いシンガーソングライターや作曲家さんからの提供を多く受けていて、カバー曲も多いし、それでいて歌唱力抜群とか歌声がすごく独特とかでは無いにもかかわらず、「観月ありさらしくないシングル」がひとつもないのが、観月ありさ最大の特徴なのかも。それでいて女優系にありがちなバラード一辺倒になったりしないので、いろいろな曲があってどれも楽しめる。まぁそれはファンだからってのはあるけどもw、ちゃんと歌手としての自分の色を持ってるのは確か。

女優系歌手って、歌手活動は完全にオマケですという立ち位置(最近なら新垣結衣・武井咲あたり)か、歌手やるときはアーティストになります(原田知世を筆頭に中山美穂や松たか子、柴咲コウとか)、という2パターンが多いですが、このどちらにも属さない感が観月ありさの良さでもあり、歌手としての大ヒットがなかった原因でもあるのかな、と思いつつ、そんな観月ありさの歌手活動もいいですよ、と強引にまとめておしまい。3枚あるベストアルバム(初期ベスト「FIORE」中期ベスト「FIORE II」22ndまでの全シングル収録「HISTORY~ALISA MIZUKI SINGLE COLLECTION~」)はどれも入門に最適なので、気になった方は是非!!!



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