異次元の人、Paul Simonの新作。
Graceland以降のいつもの感じではあるが少しだけ民族音楽色は減っていて、ちょいとロックしているか。しかし変わったことをやっているわけでもなく。過去も未来もなく。でもそれはいままでもそうか。
改めて、根っこが違うと感じる。
この人はきっと何処かの段階で楽園を知ったのでしょう。心からの楽園。
それに魅了されて、表そうとしているのではないか。
今作はここ最近の数作より良い楽園に連れて行ってくれます。
具体的にここは何処ですかと聞きたくなる。
夢の国というより、いやそれ具体的にどこどこなんでしょ?絶対。
などと喰い付きたくなる。
逃げた楽園ではない。リアルな幸福感。そこに惹かれるのです。
音的にはアコースティックギターが旋風の様に活躍して、打楽器含め全ての音がそうですが、楽器というより大地から生えた音に感じられるのです。その美しさといったらない。
やっぱり知っているんですよね、良い場所を。
ところでジャケットはおそらく今までで一番残念なのですが、音のイメージとかけ離れ過ぎていて変に足を引っ張ることはない。中途半端な楽園を描かれてしまうより良いかと割り切っています。
音を聴き出せばジャケが無くても風景を感じられるのです。
聴くのは絶対休日の明るい時間かと思っていましたが最近は仕事帰りの夜でも大丈夫です。
優しくも強力な音楽。ジャケやシチュエーションをものともしません。
個人的にはGraceland以降の最高傑作。
Paul Simon/So Beautiful Or So What
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1. Getting Ready for Christmas Day
2. The Afterlife
3. Dazzling Blue
4. Rewrite
5. Love and Hard Times
6. Love Is Eternal Sacred Light
7. Amulet
8. Questions for the Angels
9. Love & Blessings
10. So Beautiful Or So What
2011年作品