三無主義

 ~ディスパレートな日々~   耶馬英彦

増加するクレーマー

2015年07月19日 | 政治・社会・会社

料理に髪の毛が入っているというクレームがありました。4名で来店の20歳位の男性客です。店長がお詫びをして、作り直しを提案しましたが、もう要らないとのこと、それではこちらをキャンセルした上で、別の一品をサービスいたしますがと注文を伺い、別の料理を無料で提供しました。提供時にも再度謝罪しました。
その後は普通に食事を継続していたので、納得したくれたように思えたのですが、 会計時に豹変。
「てめえのところは髪の毛が入った料理を出して金をとんのかよ!」と怒鳴ります。
しかし店長はあらかじめ本部に相談して対応策を教えてもらっていました。
「お怒りはごもっともですが、責任者としてきちんと謝罪した上で、当該の料理はキャンセルし、別の料理を無料で提供しました。 誠意は尽くしたと思っております。他の料理につきましてはすべてお召し上がりいただいておりますので、料金は頂戴いたします。どうしてもお支払いただけない場合は、刑事事件の無銭飲食事案として警察を呼ぶことになりますが、それでもよろしゅうございますか?」
クレーマーとしてはまだ駆け出しのようで、店長の凄みに対抗しきれず、捨て台詞を吐きながら代金を払って帰っていきました。
染めた髪の毛を長く伸ばしている男で、料理に入っていた髪の毛も同じ色でした。従業員に髪を染めている人間はおらず、どう考えてもそいつの髪の毛です。しかしそれを指摘するのは得策ではありません。
「おれがわざと入れたって言うのかよ!?」と、その一点で攻撃してくるのは目に見えています。仮にDNA鑑定をしてそいつの髪の毛だと判明しても、「わざと入れたと言われた」と、名誉毀損の面で食い下がってくるでしょう。
意外に難しい対応でした。

別の店では、麻婆豆腐が辛すぎると、やはり20歳位の男性客がレジで大声で叫びました。人間が食べる辛さではないと主張します。辛いかどうかはひと口食べればわかることで、辛すぎるので作り直しくれと、その場で言ってくれればこちらも快く応じることができました。全部食べてからレジで叫ぶのは、人としてどうなのか。そしてこんな行為を20歳の若者が行なうのが、現在の日本が病んでいることの現れだと見て間違いありません。チンピラならいざ知らず、母親と来ている大学生風の格好をした大人しそうな若者です。それが理不尽なことを叫ぶ。そしてできることなら料金を無料にしようという魂胆です。
店長が強い対応をして、辛さは人それぞれで、全部食べてから言われても対応できませんと伝えたので、母親も息子を宥めながら料金を払って帰っていきましたが、店長が少しでも隙を見せたら払わずに帰ったかもしれません。

小泉と竹中の市場原理主義の格差拡大路線が安倍政権によってさらに強化されています。日本中が派遣社員ばかりになり、食うに困ってクレーマーと化していく気がします。これからも20歳の若者があわよくば無料にしてもらえるかもと、レジで怒鳴る場面が増えるでしょう。本当に鬱陶しい世の中になりました。