三無主義

 ~ディスパレートな日々~   耶馬英彦

レース回顧~ジャパンカップ

2014年11月30日 | 競馬

ジャパンカップの結果

1着エピファネイア △
2着ジャスタウェイ 無印
3着スピルバーグ  無印

馬券は当然ながらハズレエピファネイアの頭は考えづらかったうえに、秋の天皇賞馬2頭はハナから消してしまいました。

レースはこれといった逃げ馬がいないのでスローペースになると思いきや、1000m通過が59秒6というそこそこ速いペースになりました。それを2、3番手で追走して直線で抜け出し、最後は4馬身も千切ってしまうのだから、よほどエピファネイア向きの展開だったということです。レースの上がりが35秒2と、切れ味勝負にならなかったのもこの馬には幸運でした。
ジェンティルドンナエピファネイアのすぐ後ろにいて直線も不利がなかったのに負けたのですから、ここは力負けでしょう。馬場発表は良馬場でしたが、いつもの軽い馬場と違って力のいる馬場になっていたことはたしかだと思います。そのために切れ味勝負のハープスターデニムアンドルビーも勝負になりませんでした。
イスラボニータジャスタウェイよりも前で競馬したのに9着に負けてしまいました。この馬はどちらかというとマイル路線が向いているのでしょう。そのジャスタウェイもやはり正攻法の競馬。こういう消耗戦になったことがこの馬に幸いしたのでしょうか。
後方から行って、中をついて馬群を縫うように出てきたのがスピルバーグ。最後はジェンティルドンナを競り落としたのですから天皇賞はフロックではなかったということです。同じように後方から行きましたが、4コーナーで外を突く展開になってしまったのがハープスター。最後まで伸びては来ていますが、掲示板がやっとでした。この馬はこれからも展開に左右されることになるのでしょう。
いいところがなかったのがデニムアンドルビー。天皇賞のパフォーマンスを見ると、直線で必ず突っ込んでくるように思われたのですが、この馬もやはり今日の馬場があっていなかったということでしょう。もしかしたらカンカン泣きすることろもあるのかもしれませんね。

さて来週はジャパンカップダート改め、チャンピオンズカップです。
中京ダートの1800mというあまりメジャーでないコースで行なわれることがポイントで、あまりこのコースのダートを走ったことがない馬が多い中、中京ダート2.0.1.0で三連勝中のインカンテーションあたりが人気になるのでしょうか。楽しみです。 


ジャパンカップ~牝馬3頭の争い

2014年11月29日 | 競馬

ジャパンカップG1です。
東京は土曜日に雨が降って馬場状態が心配ではありますが、重にはならず稍重までだったことと、日曜日の天気予報が晴れなので、ジャパンカップは何とか良馬場でやれそうです。少し力の要る馬場になりそうなので、エピファネイアにはやや有利、ハープスターにはやや不利な感じがします。

◎ジェンティルドンナ
〇デニムアンドルビー
▲ハープスター
△イスラボニータ
△エピファネイア

本命はジェンティルドンナ。実績からして何も言うことはありません。天皇賞も並みの馬なら馬群に沈んでしまうところをこじ開けて2着に来たのはこの馬の底力というしかありません。器用な先行力があるので、3番は絶好枠。サトノシュレンタマモベストプレイが逃げてこの馬が内の3番手、その外にイスラボニータという展開になれば、直線での瞬発力は一枚上だと思います。ジャパンカップ三連覇もあるのではないでしょうか。
強敵は昨年2着のデニムアンドルビー。必ず伸びてくる末脚は結構な脅威です。天皇賞もエピファネイアが壁にならなければ勝ち負けまであったかもしれません。そしてもう1頭の強敵がハープスター。凱旋門賞は大外を回ってかなりいい脚を使いましたが、最近の凱旋門賞の傾向で、後ろから行った馬は届きません。実は同じことがジャパンカップにも言えるので、今回は川田騎手がある程度前目につけると思います。デニムアンドルビーも同様です。 勝つのは牝馬3頭のいずれかだと思います。あとは2番手争い。
おそらく先行するであろうイスラボニータが直線でもかなり粘りそうです。 そして重馬場の菊花賞を勝っているエピファネイアが絡んでくるでしょう。
昨年と今年の天皇賞馬2頭ですが、いずれも距離が不安。ジャスタウェイは去年の天皇賞でジェンティルドンナを4馬身千切って勝ったのを見てマイラーだと思いました。安田記念を勝ったことからもジャパンカップの距離は苦しいと思います。スピルバーグも2000m超の距離経験は14着のダービーだけなのでやはり苦しいかなと。枠順も不利だと思います。フェノーメノは秋の天皇賞がやっぱり負けすぎですね。外国馬では相手関係から唯一買えそうだったトレーディングレザーが大外枠になってしまったのでこちらも買いづらい。その他の人気薄の出番はなさそうです。

馬券は◎〇▲-◎〇▲△△の3連単フォーメーション36点勝負。


映画「日本と原発」

2014年11月29日 | 政治・社会・会社

六本木シネマートで映画「日本と原発」を観ました。マスコミは決して宣伝しない、テレビにも新聞にもeiga.comにも出ていない映画です。シネマート六本木のホームページにも載っていません。シネマートの上映作品の一覧はありますが、「日本と原発」の文字はありません。自主上映というのはそういう扱いなのでしょうか。
しかし知っている人はたくさんいるみたいで、上映開始19時の1時間前に受付開始ですが、18時10分に行ったら9割がた席が埋まっていました。後で聞いたら、その後90人ほど、席がなくて帰したそうです。

3.11の原発事故で起きたこと、起きるに至った理由、東電と政府と自治体の対応と住民の被害について、事細かに表現されています。この映画を観れば、福島の原発事故の概略が理解できます。私も知らなかったことがたくさんありました。
浪江町に取り残された車が3年半経った今も、まったく同じ状態で放置されたままになっている映像を見て、原発事故というものは取り返しがつかないものなのだということをあらためて実感しました。放射能があるから近づけないということはわかっていましたが、それが何を意味するのかは想像の外にありました。放射能汚染の現実は、草ぼうぼうの野原に車が何百台も取り残された光景であり、2011年3月11日で時間が止まってしまっているということだったのです。避難した僧侶が「復興なんて言葉はとても当てはまらない。放射能が拡散した地域は消滅したのと同じだ、復興などあり得ない」と話していました。まさにそのとおりです。
原子炉で生み出される核分裂生成物の中で最も危険とされるセシウム137の半減期は30年。60年で25%、90年で12.5%までしか減りません。10分の1になるのに100年かかります。そしてメルトダウンした原子炉内のウランはどこまで沈んでいくのか見当もつきませんし、何千年、何万年、何億年経ったら落ち着くのかもわかりません。原子力は人間に制御できるものではないのです。

それでも原子力ムラというものが厳然として存在し、産業界の7割が関係している以上、日本政府が原発を中止することはあり得ないし、経団連が原発推進を継続していくのも当然のことです。御用学者が原発は安全ですと繰り返すのも同様です。日本の権力構造に働きかけても原発をやめることはできません。

しかし市民運動としてなら原発を阻止できるかもしれません。あるいは裁判としてなら阻止できるかもしれません。そこに僅かな光明があり、この映画の目的があります。原発推進の立場の人たちの理屈にひとつひとつ対抗できるように、絨毯爆撃のように論破していった映画だと、上映後の挨拶で監督の河合弘之弁護士は言っていました。その小柄な体格と年齢からは考えられない物凄いバイタリティを発散する人でした。この執念深い映画を作っただけのことはあります。

河合弁護士の言うとおり、この映画をひとりでも多くの人が観て、不十分だった原発についての理解を深めることがとても重要だと思います。六本木シネマートでは連日満席でせっかくの来場客を帰している状態が続いていることから、追加上映が決まりました。12月4日、5日、6日(木金土)と12日、13日(金土)です。東京の人はこの機会を逃すべきではありません。

この映画は大震災の映画ではありません。大震災をきっかけに明らかになった原発の実態を暴く映画です。日本国民だけでなく、アベくんから原発を買おうとしているアジアの政府要人も含め、世界中の全員が観るべき映画です。原発について議論するなら、この映画を観てからにしたほうが効率的です。それほどわかりやすい映画でした。


手嶌葵という個性

2014年11月24日 | 映画・舞台・コンサート

手嶌葵さんのコンサートに行ってきました。今年2回目です。春に聴いたときは、なんとも不思議な声を出す人だなという印象で、ハスキーなのに透明感のある声に寝そうになりました。今回は、だいぶ上手になっているというか、パワーアップしている印象を受けました。やっぱりまた寝そうになりましたけど。
私は声を張り上げて高音を出すタイプの歌手がちょっと苦手でして、そういう人のコンサートにはもちろん行きません。最近流行のカラオケ採点番組で高得点を連発している「Let it go」の女性歌手などは苦手の最たるものでして、たしかに歌は上手ですけれども、私の耳にはちっとも響いてきません。
多分ですけど、手嶌葵さんがカラオケの採点に挑戦したら、相当に低い点が期待できると思います。70点台とか。だから絶対に出ないでほしい。彼女の歌は、機械に採点されるような歌ではないのです。

声はハスキーです。たくさん息を出しながら歌う感じで、低音はあまり得意ではないように感じます。しかし高音はハスキーなまま高い音にすっと入っていくので、まったく無理がなく歌っているように聴こえます。そして音程が決してぶれません。声を張り上げることなく高音に入っていくことと、音程がぶれないことの2点の特徴が聴く側にはとても心地よく、歌詞が直接心に入ってくるような感じがするのでしょう。

コンサートの何曲かは、出だしからしばらくアカペラで歌っていました。やり直しのきかないコンサートでアカペラを歌うのは相当に勇気のいることではないかと、素人ながら思ってしまいます。おそらく地声に自信があるんですね。だから堂々とアカペラで歌うのでしょう。カラオケの採点機にその自信が壊されることはないとは思いますが、変なトラウマにならないとも限りません。決してカラオケの採点番組に出ないでほしいものです。

手嶌葵という個性は、かつて聞いたことのない歌い方ができる稀有なものです。そしてその歌い方が聞く人の心に響きます。日本語の歌をたくさんカバーしていますから、ひとつでも聴いてみると、声を張り上げる系の女性歌手とは一線を画していることがわかります。CMソングに数多く登場していますが、何故CMに手嶌葵が起用されるのか、やっぱり歌を聴けばわかります。

このまま手嶌葵という個性を完成させるように頑張ってほしいものです。


レース回顧~マイルチャンピオンシップ

2014年11月24日 | 競馬

マイルチャンピオンシップの結果

1着ダノンシャーク  無印
2着フィエロ     ◎
3着グランデッツァ  ▲

馬券はダノンシャークが無印でハズレ。 

レースは最初の1ハロンが12秒0だったものの、2ハロン目が10秒4と速く、先行勢には厳しい流れだったのかなと思います。予想通りホウライアキコが逃げて、スタートのよかったグランデッツァが続きましたが、外からミッキーアイルが来たので先に行かせる展開。フィエロは中段でダノンシャークはその後ろの内にいました。直線で早々と先行勢が止まってしまう中、脚を伸ばしてきたのはグランデッツァフィエロで、フィエログランデッツァを競り落としたときはこの馬が勝つのかと思いましたが、内からするするとダノンシャークが抜けてきました。ゴール前ではフィエロが差し返したかと思いましたが、数センチ差のハナ差で負けてしまいました。

今回の予想はディープインパクト産駒vsアグネスタキオン産駒というものでしたが、6頭いるディープ産駒のうち印を打ったのが3頭。残り3頭のうちミッキーアイルを消したまではよかったのですが、ダノンシャークは前走の着順が悪いのと6歳馬ということで消してしまいました。前走1番人気であり、昨年の3着馬であることを考えれば、無印はなかったかと思います。逆に無印でよかったのはワールドエース。実は金曜日の夕方の前売りで単勝1.1倍という極端な買われ方をしていたので、もしかしたらと思って消せなかったというのが本音です。レース振りに強さを感じないので、この馬は精神力が弱いのかもしれません。今後もG1は難しいでしょう。

フィエロは中段から直線で抜け出す横綱競馬をしましたが、ダノンシャークの出し抜けに屈しました。強い競馬をしたのはこの馬とグランデッツァだと思います。来年も出てくるようなら忘れずに買いですね。

さて来週はいよいよジャパンカップです。注目は凱旋門賞帰りの3歳牝馬ハープスターと、3連覇のかかったジェンティルドンナ。それに去年ジェンティルドンナにハナ差まで迫ったデニムアンドルビーイスラボニータスピルバーグもいますが、良馬場でスローペースの切れ味勝負になると、牝馬が上位を独占する場面まであると思います。楽しみです。


マイルチャンピオンシップ~ディープ産駒vsタキオン産駒

2014年11月22日 | 競馬

マイルチャンピオンシップG1です。
去年の覇者トーセンラーも今年は6歳ですし、ミッキーアイルは3歳で古馬のG1で通用するか微妙となると、軸馬選びが非常に難しいレースです。

◎フィエロ
〇ワールドエース
▲グランデッツァ
注レッドアリオン
△トーセンラー
△タガノグランパ

本命はフィエロ。前哨戦のスワンSではこの馬が一番強い競馬をしました。ワールドエースと悩みましたが、毎日王冠で13着と、休み明けにしても負けすぎているのが気になって、こちらに本命を打ちました。
そのワールドエースが強敵。フィエロにはマイラーズカップと安田記念で先着しています。レコード勝ちしたマイラーズカップくらい走ればここでも勝つ可能性があります。
ディープインパクト産駒を本命、対抗にして、3番手はアグネスタキオン産駒のグランデッツァ。ダートを使われたりしてどうも路線が迷走しているですが、もともとスプリングステークスを勝って皐月賞で1番人気になった実力馬です。5馬身ぶっちぎってレコード勝ちした都大路Sの走りを見ると京都コースが合っていると思います。レースの上がりが33秒台になってしまうとディープインパクト産駒には敵わないかもしれませんが、34秒台の上がりならこの馬にもチャンスがあります。
レッドアリオンは上がりの競馬になった富士Sでは32秒8で追い込んできました。スタートに難がある馬なので、すっと出て内側の中段くらいにつけられれば直線で内の開いたところから伸びてくる可能性があると思います。
外枠に回ってしまったトーセンラータガノグランパ。京都が庭のトーセンラーもこの枠順は少し苦しそうです。タガノグランパは菊花賞からという異例のローテーションですが、常に不人気を跳ね返して上位入着を果たしており、3歳馬ならこの馬だと思います。

馬券は◎〇▲-◎〇▲注-◎〇▲注△△の3連単フォーメーション36点勝負。


気づかないで迷惑をかけている心配

2014年11月21日 | 日記・エッセイ・コラム

物凄く臭いカバンの臭いを嗅ぎました。

私は電車ではあまり座らないのですが、腰痛がひどいときに電車に乗ると、席が空いていれば座ります。
先日、電車に乗ってシートの端に座ったとき、隣に立った人のカバンがひどく臭いました。ショルダーバッグです。その人が座席の仕切りに寄りかかったときに、カバンが仕切りを越えて私の目の前にきた途端に、物凄い臭いがして思わず顔をそむけてしまいました。何日も履いている靴下の臭いのかなりひどい部類の臭いです。こんなカバンを持ち歩いている人は多分相当に汚い部屋に住んでいるだろうと容易に推測できました。

振り返って自分のカバンはどうなんだろうかと確認すると、あまり臭いはしません。買ってからまだ3ヶ月ですし、有機物は入れないので大丈夫なのかなと思いました。他のカバンについても、あまり臭いはしません。しかし、自分の臭いはあまり気にならないものですし、本当に臭いがしないかどうかは客観的にはわかりません。日頃自分のカバンの臭いにあまり頓着していないのもたしかです。これまでに使って捨てたカバンも数多くありますし、それらが臭って人に迷惑をかけていたかもしれません。

人のふり見てわがふり直せと言いますが、カバンの臭いに限らず、自分でも気がつかないところで人に迷惑をかけてきたのだとしたら、ここで謝罪したい気持ちです。これからは周囲に十分気を配って、空気のように生きていきたいと思います。

俳優の高倉健さんが亡くなったと報道がありました。
高倉健さんの人となりについてはよくわかりません。一昨年観た映画「あなた」の印象が最も鮮明で、そこではごくごく一般的な老齢の男性を演じていました。同じ時期に上映されていたハリウッド映画の「アベンジャーズ」のキャッチコピーが「日本よ、これが映画だ」というものでしたが、「アベンジャーズ」は映像の迫力以外は内容が空疎で、アメリカ人の中身のなさを感じるものでしたが、「あなたへ」は逆に地味な映像でしたが内容が豊かな映画で、私はeiga.comのコラムに以下の感想を寄せました。

高倉健が演じる実直で謙虚で無欲な主人公の心模様がストレートに伝わってきて、涙が流れっぱなしでした。思い出しても、健さんの渾身の演技に涙が出てきます。本当に凄い俳優さんです。
世の中の奥様方に、ご夫婦でご覧になることを強くおすすめします。その理由は、観ればわかります。
健さんが海に散骨したあと、猟師ふたりが手を合わせて海に祈る漁船が夕日に映えるシーンは、映画ならではの素晴らしい映像でした。
こういう繊細な心模様の映画はガサツなアメリカ人には理解できないのかもしれませんが、ひとこと言わせていただければ、「アメリカ人よ、これが映画だ」
以上です。 

地上波でも放送されていましたが、公開されたときに映画館で観ていて本当によかったと思いました。

さて、健さんが亡くなったニュースを聞いて、まず「うらやましいなあ」と思いました。あんなふうに死ねるものならそうしたい。痴呆症になったり植物人間になったりして人に迷惑をかけることを、私は最も怖れています。痴呆症や植物人間になったら自分で死を選ぶことができないのが一番怖ろしい。そうならないうちに、変な言い方ですが、元気なうちに死んでしまいたいと切に願います。


レース回顧~エリザベス女王杯

2014年11月16日 | 競馬

エリザベス女王杯の結果

1着ラキシス     ◎
2着ヌーヴォレコルト 〇
3着ディアデラマドレ △

馬券は3連単15,570円的中。 我ながら驚いたことに、菊花賞、天皇賞に続いて3レース連続的中です。それにしても的中するたびに配当が低くなっているのはたまたまでしょうが、もう少し高い配当を当ててみたいものですね。

レースは1000m通過が60秒3という平均ペースでしたが、レースの上がりが46秒3から34秒1と速かったので、後ろからの馬は届かない展開でした。最後方から進んだアロマティコも直線で中を突いてよく伸びてはいるのですが、掲示板までも届きませんでした。
勝ったラキシスはスタートから一貫して内側を進んで脚を残していて、先行して抜け出したヌーヴォレコルトを直線で交わすというお手本のようなレースをしました。
ヌーヴォレコルトは1番人気らしく果敢に先行して早めに抜け出すという横綱相撲をしましたが、このコースと距離が得意なディープインパクト産駒のラキシスの末脚に最後の直線で交わされてしまいました。とはいえ、岩田騎手は素直にこの馬の力を信じた騎乗ぶりで、なかなか好感が持てました。やはりこのレースでも最も厳しいレースをしたのはこの馬で、展開と枠に恵まれたラキシスに運があったということです。
ディアデラマドレは好調馬らしく最後の直線でフーラブライドを交わしてくれました。私の馬券が的中したのはこの馬の好走によるところが大きいと思います。府中牝馬ステークスはスマートレイアーと同じ上がりタイムでしたが、こちらのほうが距離適性があったということです。上位2頭とは差がありましたが、直線で外をついて力強く伸びてきた末脚を見ると、今後も上昇が見込めそうです。同じ位置にいたスマートレイアーは伸びを欠きました。距離が長かったのだと思います。
メイショウマンボヌーヴォレコルトの外にピッタリとついていたのですが、直線では伸びずに12着に終わりました。ピークが過ぎてしまった感じがします。ヴィルシーナは逃げるサンシャインを積極的に追いかけましたが、最後はサンシャインが9着に粘ったのにこちらは11着と、いいところなく終わってしまいました。 

さて、来週はマイルチャンピオンシップです。前哨戦のスワンステークスを1番人気で勝ったミッキーアイルが有力。2着のサンライズメジャーが56キロから57キロになるのに対してこの馬は57キロから56キロになります。かなり有利です。
京都コースを庭にしているトーセンラーが強敵。マイルから3200mまで、京都コースでは4、2、4、1とほとんど馬券に絡んでいます。6歳ですがまだ23戦。天皇賞馬スピルバーグの全兄で、あとひとつかふたつはG1を取ってもおかしくない血統です。


エリザベス女王杯~オールカマー組vs秋華賞組

2014年11月15日 | 競馬

エリザベス女王杯G1です。
超一流どころが出ておらず上位拮抗の一戦。こういうときは得てして上位人気馬同士の争いになることが多く、今回のメンバーからしても、人気薄の出番は考えにくいと思います。
秋華賞で新潟のレースから参戦したショウナンパンドラが勝ったこと、新潟コースのオールカマーで6着だったフェイムゲームが先週のアルゼンチン共和国杯を楽勝したことから、オールカマー組が強い気がします。

◎ラキシス
〇ヌーヴォレコルト

▲アロマティコ
△ディアデラマドレ
△ショウナンパンドラ

本命はラキシス。ヴィクトリアマイルの15着は距離不足が原因。牡馬相手のオールカマーでは立て直して2着していますし、昨年の2着馬でこのコースと距離が得意です。先行有利な流れも予想されるので1番枠も絶好だと思います。
1番人気のヌーヴォレコルトは、秋華賞は負けて強しの内容でした。クラシックで常に上位争いをしてきた底力で逆転も十分。
昨年の3着馬でオールカマー5着のアロマティコが混戦で浮上する可能性もあります。外回りは直線で中も内も開くので、末脚たしかなこの馬がゴール前で抜け出る可能性もないとは言えません。
府中牝馬ステークス組ではディアデラマドレ。1800mまでしか勝ち星のないスマートレイアーよりは今回はこちらが上と見ました。
秋華賞馬のショウナンパンドラの評価が難しい。秋華賞馬は本来なら本命級の評価をすべきかもしれませんが、この馬の場合は権利取りの紫苑ステークスが不良馬場での激走から秋華賞本番までがピークだった気がします。余力が残っているかが心配なので押さえまでとしました。
メイショウマンボは最近の2戦を見る限り、相当に調子が落ちている気がします。ヴィルシーナはスローになりそうな展開から怖い存在ではありますが、一発屋的なところもあるし休み明けでは苦しそうです。

馬券は◎〇▲-◎〇▲-◎〇▲△△の3連単フォーメーション18点勝負。


誰がその役職に就くかで変わること

2014年11月02日 | 政治・社会・会社

例えば会社である重要な仕事を担っていた人が急に辞めたり、または病気になったり事故で死んだりすると、周囲の人はみんな、これから大変だな、と思います。しかし本当に大変でしょうか。

会社の中で誰かがいなくなっても、急に会社が危うくなることはありません。人事部長がいなくなったから会社が倒産したという話は聞いたことがないのです。いなくなったのが社長であっても同じです。会社ではたいていの人が毎日ほぼ同じ仕事をしていて、99%はルーティンワークです。そして会社が利益を得るのも、ほとんどルーティンワークによるものです。組織が大きければ大きいほど、この傾向は大きくなります。

例えば人事部長の仕事もルーティンワークのひとつですが、人事部長の場合は営業と違って仕事自体が直ちに利益に結びつくものではありません。しかし人事部が適材適所の配置をして、効率的なルーティンワークにすることによって会社が得る利益を増やすことができます。これが人事の主な仕事です。

その人事を司る人事部長がある日突然いなくなってしまったとき、会社はどうなるかというと、実はどうもなりはしません。昨日と同じような今日が淡々と過ぎて行き、各自がそれぞれの仕事をこなすことで、人事もつつがなく実行されていきます。こんなことは誰でもわかっています。

ただ、人事部長がいなくなることで、基本的な人事の考え方が変わる場合があります。また、人事部長を信頼して仕事をしていた人が辞めていく場合もあります。彼が親しくしていた人が優先的な人事の恩恵を受けることもなくなるでしょう。逆に人事部長に冷遇されていた人が息を吹き返してポテンシャルを十分に発揮する場を得るかもしれません。つまり、人事部長がいなくなることはマイナス面もあり、同時にプラス面もあるということです。 

ある人がいなくなることは組織にとってそれほど痛手ではない場合があります。特に役職として仕事をしている人で構成されている組織、ほとんどの会社がそういう組織だと思いますが、そういう組織はその役職が誰であっても実はあまり変わりがなく、役職の人さえいれば何とかなっていくものなのです。人事部長が急にいなくなっても、当面は誰かが人事部長の代わりをし、しばらくすれば誰かが人事部長の辞令を受け取るでしょう。肩書きや役職がある組織というのは、そうやって肩書きや役職そのものが組織を担っていくものなのです。誰でもいいのです。

組織にとって個性が影響を及ぼすようになるのは、役職や肩書きなどがかなり上のほう、つまり意思決定に大きく関与する役職の場合です。営業担当の役員が非常に無能な人間に代わると、そこで業務が滞ってしまうことがあります。しかしその場合も、組織が大きければ大きいほど、急には何も変わりません。社長が突然死んだからといって、大会社は簡単には倒産しないのです。誰かが無能な人間を補佐して日々のルーティンワークを維持します。そしてそれが自動的に組織を維持することになります。しかし本当に無能な人間や悪意のある人間が重役を担っていると、だんだんと悪い影響が出てきます。意思決定は右往左往して定まらず、ルーティンワークは無駄だらけになってしまいます。非効率の組織になって費用対効果が劇的に悪化してしまうのです。そうなると倒産する以外に道はなくなってしまいます。

官僚によると、大臣はクリーンであれば馬鹿のほうがいいそうです。しかし昔から、クリーンな大臣が少ない。政治資金の問題で叩かれる大臣が連続しています。馬鹿のほうの条件は十分に満たしているのですが、クリーンという条件を満たす政治家が少ない。

国家という大きな組織では総理大臣をはじめとする閣僚がどんなに馬鹿でも、役人と庶民の日々のルーティンワークによって国という組織は維持、運営されていきます。しかしそれは当面の間の話で、本当の馬鹿や本当に悪意のある人間が組織のトップについたときには、組織は腐っていき、最後には崩壊してしまいます。日々のルーティンワークがだんだん滞るようになり、変だなと気づいたときにはすでに手遅れになっているのです。日本各地の会社も、日本という国家も、徐々にそうなっているような漠然とした認識が世の中に蔓延している気がします。そしてその漠然とした認識は、モラルの低下を招いていき、不祥事や小さなルール違反が増えていき、いつしか町のあちこちにスラムが形成されるようになります。このところのドラッグでの暴走事件やカタギによるヤクザまがいの犯罪を見ていると、日本がそういう社会になる日が遠くないことがわかります。