聴覚障害者制度改革推進中央本部ブログ

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【速報】衆議院厚生労働委員会7月13日 その5

2005年07月13日 | 【速報】7/13厚生労働委員会
7月13日 厚生労働委員会 13:30~13:50

委員長:質疑続行します。

石毛子(民主党):ごとう委員から30分時間をいただいたので、
続行します。西副大臣に長時間サービスの地方交付税について、
もう少し追加質問。それぞれの市町村が障害福祉計画を立案し、重度障害者も計画の中に位置づけ、地方交付税で手当をする場合もあると言われました。ALSの方のように、長く病院にいられなくて、計画の期間に合わずに在宅に戻られる方もいるし、介護のご家族の事情で介護ができなくなってなど、計画に合わないニーズが出てくることも想定される。
重度の方の実際の生活は、都市部に集中しているという事実もある。
支援費の元では、区分間流用があったが、新法は、区分間流用はできないようにすると聞いている。調整交付金は、保険制度ではあるが、税財源の場合は難しいと聞いている。現行制度はそうだと思う。また、特例交付金も考えられる。地方自治体に対する交付金がその例。
かなり前だと、保健婦が都道府県府から切り替えるときに同様のことが
あったと思う。もう1つ何らかの国が財政的に支援できる方策を考えて欲しい。

西副大臣:地方財政の状況は、小規模のため、今回のような長時間サービスを必要とする重度障害者の場合は、対応できる市町村がどの程度かは、制度設計の上でまだ把握できていない。サービスの利用実態についても、全国で把握するところから出発したい。

石毛:実態調査の結果をふまえて、上記の追加点を加えて欲しい。
移動の保障についての質問をする。地域生活支援事業として裁量的経費に位置づけられることになった。移動の保障について、私の考えを言います。若年障害者の方は、社会参加の機会を奪われてきたという認識と関わる。若年障害者の方にとっては、移動の保障は社会参加に不可欠な条件。それによって、新しい人との出会いを得られる。移動の保障、社会参加というのは、社会を獲得することだと、重要に思っている。
どのサービスも重要だが、社会を獲得するという重要な手だてが移動の保障。行動援護、重度訪問介護の対象を広げるなど、して、保障して欲しい。

西副大臣:重度の肢体不自由者などは、常時介護が必要ということで、介護と移動で分けることなく、個別給付の対象とした。
障害者の外出へのニーズはさまざまなので、一律に決められない。
重度の方以外については、地域の特性などに基づいて、柔軟に対応できるように、制度化した。

石毛:私の資料の、コミュニティサポート研究所の移動介護の調査をされています。必須の事業とすると言われているが、裁量的経費のもとで、
かなりの件が支給決定をしていないという事実。決定されていても、4分の1しか実施されていないとか。
1人あたりの実利用時間は、多いと言われる大阪府でも29.6時間。
活用されている方はもっと、かもしれないが、水準はその程度。
地域格差の是正の点から言うと、義務的経費に入れたほういいかと。硬直の問題は運用でなんとかしていただいて、障害程度の1と5があったとしても、認定の仕方をもっと検討して、ICFの活用方式をもっと活用しながら。社会を獲得する最も重要なサービスなので、拡充すべきと。

西副大臣:資料を見ると、大変な格差があるとよくわかった。都道府県別でこれだけ差があれば、市町村の現状は大変な差があると認識した。
移動認識については、社会参加を促進し、それぞれの地域での生活を支えるために大事なサービスと認識している。
市町村が必ず実施すべき、義務的と位置づけている。
費用については、国や都道府県がそれぞれ補助して、うまく運用していきたい。
この仕組みを実践することで、地域の実情に応じて、幅広く取り組んでもらって、全国的にひろまっていくものと考えている。

石毛:障害の認定の仕方の再認定と、国庫負担義務的経費に移動の保障も入れてほしいと強調したい。
サービス利用について、利用者の選択は認められるのか?実現への展望は?移動介護はパーソナルなサービスになると思うが。
恒常的なパーソナルサービスとして、自分で決める、選択できることが大切と考える。

西副大臣:お天気や気分などの個人的な事情で活用することが大事だと思う。ガイドラインを地域自治体へ出すことを決めている。具体的内容は検討中。障害者個々のニーズに対応したよりよいサービスを実施など、
個別給付を行うサービス業者など、経験を持っている人を活用した事業の委託に努める。その中で利用者が選択できるようにしていきたい。

石毛:移動支援は地域生活支援の中に位置づけられているが、費用の積算は、個別の単価を積み上げることで、来年以降の裁量的経費を確保するように考えているのか、市町村の裁量に任せて個々人に任せるのかに
よって異なる。

塩田部長:国の経費は裁量的経費だが、しっかり補助金は確保したいと思っている。どのようにして交付するかは、事業の優先順位を付けるとか、どうやったらいいかは検討して、来年度の予算編成過程で検討したい。

石毛:厚生労働省とすれば、裁量的経費は穴があけばそれまでだが、
義務的経費と同じく、きっちりしていただけるのかご答弁お願いします。

西:これまて支援費制度てサービス提供をしている業者を活用し、選択できる運営方法を、それぞれの自治体がスムーズに運営できるようにしたい。

石毛:移動の費用の積算は、個別参加によって積み上げて確保するのか、実施についても濃淡の決め方は市町村なのか。移動支援サービスの財政の考え価値如何であり、メニュー方式なのかどうか。

塩田:地域生活事業は、国の補助金で、補助金は確保したい。どう交付するかは、積み上げ方式か、優先順位にメリハリを付けるか検討し、来年度の概算要求編成過程で。

石毛:予算要求は、実現できるかどうかを厚生労働省としては、事務的経費同様、積み上げ方式かどうか再度答弁を。

塩田:補助金内容は検討するが、移動支援の重要性を認識し、市町村でできるようにしたい。

石毛:部長答弁は確認したので、きちっと実現させてほしい。居住について、現行グループホーム入居者がホームヘルプサービスとしてできるのかどうか。高齢者が身障グループホームに入居できるかは検討が必要。若年障害者がアパート入居については、重度身体障害者が入るなど、多様な形を尊重していただき、自立促進観点から制度として認めてほしい。

西:グループホーム・ケアホームをホームサービスとして受けられるかは、事業者とは別のサービス提供。責任関係のあいまいな部分は、障害程度に応じたケアを検討。ホームサービス活用は、程度に応じて改めたい。若手の重度の住居制度については、身体障害者が共同生活をするについて、施設から地域への移行者などの住居確保は必要、共同生活での一定のしばり、プライパシーからよくないとの考えも聞いている。指摘も踏まえ、関係者の意見など、充分検討し、結論を出したい。

石毛:プライバシーの観点については理解できない。精神障害者について2点。数値目標を確認したい。

西:数値目標を県が立てるので、それと関連し、今回の市町村計画もそれを含んで検討したい。

石毛:7年後には社会的入院を解消させてほしい。地域生活支援が目標なので、精神病院敷地内には建てるべきでない。

大臣:できる限り身近な地域でのニーズに応えたい。病院敷地内については意見が多数。認めるべきでない意見のある一方、地域でのグループホームが進まない中ではやむをえないとの意見も。通所施設立地は、通いの場かどうかが重要。精神病院のことについては一概にはいえない。秋までには結論を出したい。

石毛:「いずれにせよ」の考えはだめ。厚生労働省は啓発を進めると言っているではないか。「さまざまな意見がある」では意味がない。いかに社会の理解を進めるのかだ。仮に作るとしても、1人医師の法人もある。外に作れというのが第1要求。仮に敷地内に作るなら、たくさんの市民が参加できるように。

大臣:多くの意見に従って施策を進めるのが大事。いろんな意見があることは理解いただきたい。周辺住民の理解が得られない現実もある。

石毛:何を躊躇するのか。精神障害者の意見が最優先。そうなったとしても、きちっと支援する人が運営参加できることを考えてほしい。病院への入口とホームへの入口が違うことだけでもかなり違う。もう一度答弁を。

大臣:入院中心から社会生活を方向にしたいので、その方向で検討したい。入口が違うとの意見も尊重して進めたい。

石毛:病院の入口は社会ではない。精神障害者を誰にするか、選択はあると思う。医療関係以外も関われる仕組みを作ってほしい。

大臣:病院の敷地が社会かどうかの議論もあるだろうが、かねて申し上げている、進むべき道で進めるよう答えは出したい。

石毛:再度の答弁を。

大臣:入院でなく社会への方向で検討する。

石毛:大臣は地域をどう考えているのか? 医療法人が運営方針を決めるのは、その体系下でのことで、近隣と出会える地域とは言えない。

大臣:今、現行の仕組みを確認した。知的障害者は、仕組みそのものを認めていない。精神障害者にはその面があると事務方が答えた。いずれにせよ、数が足りないので、こういう議論がおきている。それ自体好ましくない。社会で生活してもらいのが好ましい。その方向で進めていきたい。

石毛:大臣が答弁に躊躇すること自体理解できない。好ましくないと言ったことは強く確認したい。最後に、所得保障に就労移行も含むといっている。障害者の何割が就労移行と想定しているか?

大臣:一般就労は平成14年で約1.5%で、進んでいない。就労移行可能者が授産施設に多数いる。3悪以上が希望している。どの程度移行するかは支援状況、就労環境に左右する。就労が一層進むよう検討していきたい。

石毛:私の質問はこれで終わるが、予算が足りなくて義務的経費に行ったことはいいことだが、予算に合わせてのことと私は理解している。最後に、国民所得に比べて日本の福祉費が少ない。もっと大胆に、筋を通して求めるべきは求めてもらいたい。

尾辻 平成14年に約1.1%など、就労支援は進んでいない。しかし授産施設の中には適切な支援があれば就労可能な人がたくさんいると思う。団体が行った調査によると授産施設利用者、小規模施設利用者の3割が就労支援への移行を希望している。実際にどの程度移行希望があるかは本人次第なので、現段階でお示しすることはできないが、基準等について今後検討します。

石毛 私の質問はこれで終わりますが、支援費制度ができてニーズが表れて、予算が足りなくなって義務的経費になったのはいいことだが、非常に給付に抑制的な法案になったという理解せざるをえない。
最後に、国民所得に比べて日本の福祉費の割合は非常に低い。何を躊躇してこんな法律をつくるのか、もう一度考えてほしい。もっと大胆に、求めるべきものは求めるべき。

議長 次に、五島正規君。

五島正規(民主) 石毛さんの質問に対する大臣、厚生労働省の回答を聞いて、この法案の根本のところで非常に問題があると思う。私は主として与党の修正案について質問をする。与党で合意された修正案は法案としては
・障害者基本法の基本理念を明記する
・付則第3条第1、第3項について検討規定を入れる
というのが修正案の内容。
ただ、これまでの長時間の審議の中で特徴的だったのは、与党、野党の質問、すべてが政府の法案に「これはすばらしい」という意見は1人もいなかった。政府の答弁も、ほとんどが反論ではなく課題としては認めながらも現状の説明に終始されていた。これが経過。
たしか1972年、トロク(?)に鉱山があった。その後災によって、あの辺の川には魚がいない。木の成長も遅い。ひどい残滓があった。自然の問題は最近は公害として片づけられるが、私が戸別訪問をしてみたら、そこには戸籍に載っていない人がたくさんいた。ヒ素中毒で障害を持って生まれた子どもが、もう30~40代になるのに戸籍にも乗せられないまま、座敷牢同然の状態で何人もいた。1960年にジュウシン制度ができているのに、日本では言葉では「障害者福祉」がありながらこの問題にどう取り組んできたのか。ほとんどが措置の世界で、目についた代表例だけに対応して、抜本的には対応してこなかった。
ようやく障害者基本法ができ、2年前に支援費制度ができた。このことによって障害者が、わが国を構成する重要な1人として生きていく権利を与えられた。このことによって、財政的に余裕のある大都市を中心に、新たな障害者サービスを受ける人が増えてきた。とはいえ、たかが15%しかサービスを受けていない。介護保険の適用年齢になっても受け取れない人が83%以上いる。なぜ、最も必要な人がサービスを受けていないのか。そこに過去の「措置」の時代の経緯がある。不幸な子どもを産まない運動があった時代さえあった。私は当時、若手の医師として真っ向から立ち向かってきた。1970年代になってもまだそんな状況だった。障害者をわが国を構成する大事な1人として認識していなかったことが、現在にまで続いてる。
障害者自立支援法ができて支援費制度のサービス利用を普遍的に増やしたら、現在の4~6倍にならなければならない。それは裁量的経費では福祉はやっていけない、だから義務経費化していくという発想は正しいと思う。しかし、そう言ったとたんに、まだ15%しか実施できていないのに、財務省から言われて…という厚生労働省の弱さ。その結果がこの法案。
すなわち、省に依存した与党の人たちが努力してもこれ以上動かない。立法府としての責任と権限において、抜本的に変えるしかない。それがこの委員会の任務だったと思う。我が党は修正協議を最後まで進められず、現政権におられる人がこの修正案を出した。今の日本の障害者福祉政策をどこまで普遍化し安定化させる内容に修正されているのかということが最大の課題。
こうした思いについて、まず、修正の当事者になった3人の先生、どういうお考えなのか。

八代 日本の障害者問題の歴史の話、感銘を覚えた。私が障害を持ったのは1973年。ある日突然だった。それまでは健康だったので障害を持つことは無縁だと思っていた。これは恥ずべきことだと思っている。障害を持ったから車いすに乗ればいいやと思っていたが、こんな不便なものだとは思っていなかった。「司会者は車いすでないほうがいい」と言われたこともあった。他の障害者も、働く場が十分あったかというとそうではない。仕事の制約があることを自分は体験を通じてよく知っている。高度成長時代には「働かざる者食うべからず」という標語もあった。重い障害を持った人は、どんなに苦労があっただろうか。
今や世界の潮流は、完全参加と平等。その中で私は自民党の中で障害者問題に取り組んできたが、遅々としているのも確か。だから果敢にいろんな法案を出してきた。精神障害者や難病、自閉症など、日常生活に不自由のある人も網羅して、自立、自分の人生を自分で定していく、これが世界の流れ。我々も差別禁止法など審議してきた。障害者自立支援法は、障害者の新たな自立の始まりのプロローグ的法案だと思う。しっかり育てる。しかし所得、負担という問題がある。自分が払える人は堂々と胸を張って払う。これは当然のこと。払えない人には国の責任でやる。しかし18歳以上は自分のことを自分で決めていかなければならないということで、グランドデザインができた。これは骨格。障害者の問題は十人十色、最大公約数では割りきれない。それは市区町村が窓口になり、教育しながら、障害者団体も地域で運動を展開しながら、自らの自立のために、まずは自分で頑張る、あるいはボランティアの育成も必要、それで足りないことは国の責任ということで義務的経費になったというプロセスは、私は画期的なものだと思う。
いろんなお叱りも受けてきました。それらを一つひとつクリアしながら、できるだけこれが新しい障害者福祉の始まりになるようにという思いでつくった。
理念をしっかり政府が意識し、市町村に伝え、障害者の権利と自立支援を育てるという思いでつくった。以上が経緯です。

五島 八代先生の思いについてはその通りだろうと思う。ただ問題は、その思いの出発点としてこの法案がたえ得るものなのか。重要な問題は青少年。その中身について、まだいまだにはっきりしていない。「これから検討する」という。障害者にとっては明日の自分にかかわることが、まったく決まらないままで審議されている。午前中の答弁の様子は野党だったら怒鳴りあげるところだ。肝心なところは非常にファジーになってしまった。その理由は、厚生労働省がダメだからなのか、それとも財政との間の距離が整っていないのか。あるいは大胆に説得しきる自信がないのか。
福島先生に3つの質問。
1つは、付則第3条第1項、第3項の関連。「範囲の拡大」については、3年で検討すると書かれている。範囲の拡大と言っても問題ははっきりしているわけです。発達障害や難病など隙間の人たちをどのように対象に含めていくのかということを指しているんですね? 確認したい。また、その人たちの多くは医療と福祉の併用使用です。同じ厚生労働省の中でも縦割り行政なので障害者福祉の部署はそこしかやれない。たとえば透析、血友病、エイズは、医療制度でも高額医療費の措置をしている。その上で障害者サービスを上乗せしている。ところが、育成医療の問題。たかが年間12億円です。かつてのCPはあまり生まれてきていないが、その代わり先天性心臓病などの比率が増えてきている。そうした子ども達が、一生のうちに3度も4度も数百万かかる手術を受けなければならない。その人たちを現在の高額医療と同じようにするのが政府案でした。こんなバカなことはない。この制度の中でやるのか、そのほかの希少疾患や難病の人々を救済することを、広く検討して、2つの制度で支援していくことが必要だと思うが、福島先生の意見は?

福島 五島先生の指摘はもっとも。対象者の見直しは明記してある。


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