hoppenの韓的な日々♪

2004年・夏、イ・ビョンホンssiに出会ってから韓流へ~韓国映画&ドラマで刺激的になった日々を綴ります。

劇場鑑賞&舞台挨拶:『秒速5センチメートル』、新海誠監督

2007-03-05 02:51:56 | 日本映画のレビュー

『秒速5センチメートル』

(2007.03.03日本公開)

公式HP:http://5cm.yahoo.co.jp/index.html

うちの娘が一押しのアニメ監督、新海誠監督の待望の新作が公開されました。
完全少人数体制で製作したという本作。
すべてのカットに監督自身が手を入れ、1カット1カットをとても丁寧に作ってあります。
現代が舞台のアニメーションなので、徹底的なロケハンを行い、日常の世界が描かれています。
その美術は、素晴らしいものでした。
山崎まさよしの名曲『One more time,One more chance』のせつない想いが、スクリーンからあふれていました。

3つのお話からなる短編アニメーション作品です。

第1章は「桜花抄」
小学生のタカキアカリから、物語が始まります。
中学生になって1日だけ再会し、そして、また離れ離れになってしまう二人を描きます。

第2章は「コスモナウト」
種子島で高校生活を送るタカキ
タカキに思いを寄せる同級生・カナエの視点から描かれます。

第3章は「秒速5センチメートル」
大人になったタカキアカリ
二人の「魂の彷徨」が、『One more time,One more chance』とともに奏でられています。

とにかく、美術背景がすばらしいアニメ映画でした。
日常の見慣れた風景が、アニメーションになっているんです。
写真のように再現されているんですが、1枚フィルターがかかっている雰囲気。
実写とは違って、タカキの気持ちが、その風景に重なっているような・・・。

第1章で、中学生のタカキは、どうしてもアカリに会いたくて、東京から栃木まで電車を乗り継いでいきます。
新宿から埼京線に乗り、大宮で宇都宮線に乗り換え、小山で両毛線に乗る。
途中、大雪のため電車が遅れ、やっとアカリの待つ駅に到着します。
我が家は、宇都宮線の沿線にあるので、いつも見ている風景がアニメーションで描かれているわけです。
とても不思議な感覚になりました。
画像 画像

また、第3章の山崎まさよしの『One more time,One more chance』にとともに流れる映像が切ないんです。
雑踏の中で、アカリの面影を感じるタカキ。
思い出とともにあふれてくる想い。
涙がこぼれてしまいました。

そう言えば、2年前の紅白で、山崎まさよしがこの曲を歌ったの、皆さんご覧になりましたか?
歌詞に出てくる横浜・桜木町からの屋外ロケ中継だったんですよね。
かなり寒かった上に、きっと、待たされたんでしょう。
山崎さんは、唇が青ざめているし、声は震えているし、すごく可哀想でした。
しかも、司会者は、わざわざ桜木町から中継した理由は言わずに流しちゃうし。
名曲なのに、ひどい扱いでした。
そんなことも、曲を聴きながら思い出したりしておりました。


私たちが見に行ったのは初日だったので、舞台挨拶がありました。

私は、新海監督と、声優さんたちの舞台挨拶を見ました。
優しくて、実直そうな監督は、30代くらいかな。
「公開できて、安心したり、緊張したりしています。
 1カット1カット、心を込めて作りました。
 こういう作り方をしている商業アニメは、僕たちのものだけだ言う自信を持っています。」
声優さんたちについては、
「アニメの中で、唯一、人間の生の感情を出せるのは声だけ。
 抱えているものの豊かさが、声に出ている人、
 声に情報量のある方々だと思い、キャスティングしました」
そっかぁ。
俳優は、全身を使って感情を表現するけど、声優が表現できるのは声だけ。
声だけで、その人を作り上げるなんて、すごい才能ですね。
 
娘は、その後の、監督や作画監督、美術、音楽の舞台挨拶も見るため、2回目を鑑賞していました。
このアニメの製作は、当初、監督と作画監督、そして、飼い猫の2人と1匹で進められていたそうです。
作業は、自宅のことが多かったとのことでした。

そんな地味な作品でも、会場は超満員でした。
見に来ているのは、萌え系の人ではなく、アート系という感じ。
男性がほとんどですが、女性の姿も見えます。
(子供は、うちの子だけだったかも)
監督の才能に魅入られ、新作を待ち望んでいた人たちがたくさんいるんですね。
アニメの世界も、どんどん、新しく素晴らしい才能が生まれているんだな、と実感しました。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
風景画のよう (タリ)
2007-03-05 18:32:08
hoppenさん、紹介ありがとう。

わたしも子どもの頃からアニメが好きでよく観ていたけど、ゲームに心が移ってしまい最近は全く情報もなく観る機会もなくなっていました。

「パプリカ」の時も紹介してくれたおかげでいい映画を観れて、感謝しています。

今回のアニメも、丁寧なつくりですごく期待できますね。
hoppenさんの娘さんはお目が高いです!!
この情緒的な感覚のアニメはわたしも大好きです。
派手でなく、時間が静かに流れてる感じ・・。
関西でもやってくれるかな。

声優さんもね、吹き替えだけを聞いていると大げさに聞こえるかもしれないけど、それがどれだけ計算されて演技をしているかというのはあまり知られてないんじゃないかな。

是非観にいきたいです。
ありがとう。
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私も! (hoppen)
2007-03-06 19:16:12
>タリさん
私も、かつてはアニメや漫画が大好きだったんですが、今は韓国映画とドラマのせいで、見る余裕がなくて・・・。
アニメ=SFまたはジブリ、というイメージがありますが、
最近は、日常のストーリーをアニメならではの表現で映画にしている作品が面白い気がします。
この映画の切なさは、韓流モノに負けません。
娘のお薦めでは、『時をかける少女』もすごく良かったらしい。
『時をかける少女』の監督は、ジブリの『耳をすませば』の監督。
『ハウルの動く城』は、当初この方が監督をしていたそうですが、途中、宮崎駿と衝突をして降板。
ジブリから離れて作った『時をかける少女』は、映画として高い評価を受けています。
もうご覧になったかもしれませんが、こちらもチェックしてみてくださいませ~♪
(って、私も見てないんだけどネ)
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いいですよね♪ (popo)
2007-03-16 11:27:52
私もに新海誠さんのアニメ好きなんです!
「雲の向こう、約束の場所」とか
「星のこえ」とか・・・
使っている音楽や、
現実でもなくアニメチックでもない感じに描かれている所や、
音楽とシーンの組み合わせ方。
全てが気に入ってしまい今は、完全なる
新海誠ファンです。
これからもたくさん人の心を揺さぶるアニメを
作って欲しいですね
返信する
>popoさん (hoppen)
2007-03-17 16:55:23
>現実でもなくアニメチックでもない感じに描かれて いる所や、
>音楽とシーンの組み合わせ方。
本当に、おっしゃうとり!
その魅力が素晴らしかったです。
往年のアニメファンとしては、日本アニメの進化を感じて、とてもうれしいひと時でした。
新海監督は、とてもまじめそうな方で、声優さんたちもみなさん、
「監督は、誠実で優しい方」と語っていました。
その優しさは、作品からも感じられる気がします。
「雲の向こう、約束の場所」と「星のこえ」は、娘が録画して保存版にしています。
popoさんのコメントを読んで、やっぱり、見たくなりました。
改めて、新海監督人気を実感しました。
コメント、ありがとうございました~♪
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