私の七不思議 ②

人生の中で、どーーしても説明できない不思議な体験がいくつかあります。
その第二弾です。

 

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それは、私が結婚していた頃のことです。

当時住んでいた部屋のダイニングキッチンにワゴンが置いてあって、その上に財布、定期入れ、腕時計や鍵など、普段身につけるものを置いていました。

ある金曜日、仕事から帰った私は、いつものように腕時計をはずし、キーケースと一緒にワゴンの上に置きました。

 

金曜日は何事もなく、普通に終わりました。

土曜日、出不精の私達は、食事なども家にあるもので済ませ、一歩も家から出ませんでした。

そして日曜日。

特に何をするでもなくまた一日家にいて、夜になりました。

元夫が 「焼肉食べたい」 と言い出し、焼肉屋さんに行くことになりました。

簡単に身支度をし、さあ、出かけましょう。

 

あれ？　私の時計がない。　

 

私 「ねえ、私の時計、知らない？」

夫 「そこに置いたんじゃないの？」

私 「うん、置いたはず。でも、ないの。」

夫 「まだどっか、訳のわからんトコに置いたんじゃない？」

 

私は、キーケースを冷蔵庫に入れた前科がありました。

しばらく、ワゴンの周囲や冷蔵庫、テーブルの上など、家中を探しました。

でもみつかりません。

金曜日に帰ってきた時、もしも腕に時計がなかったとしたら、ワゴンに置こうとした時点で気が付いたはずです。

元夫も、「自分が帰ってきたとき確かにあったと断言は出来ないけど、いつもあるはずのものがなかったら、気が付いたんじゃないかな～。だからあったんだと思うけど・・・。」 と言っていました。

いつも腕時計はその他の物とは少し離して、二人の時計を並べて置いていたのです。だから無ければ気が付いただろうと思ったのでした。

 

「どっかにあることは間違いないんだから、とりあえず焼肉行こう。」

と言うことになり、私達はとりあえず出かけることにしました。

 

部屋を出て、車が停めてある駐車場に向かいました。

マンションの建物を出て、人も車も割と多い道の歩道を通って、建物の脇を曲がってすぐの所に住人用の駐車場がありました。

 

その歩道に出た時。

 

少し行ったあたりの歩道のド真ん中に、何かが落ちていました。

当時から近眼だった私は、「あれ、なんだろう・・。」 と思いながら近づきました。

 

近づいてみると、それは私の腕時計でした。

 

歩道のド真ん中に、文字盤を上にして、ベルトもキレイに伸ばした状態で落ちていました。

時計屋さんのショーケースに並べてある時計のように、キレイに。

 

「なんで、こんな所に私の時計が？ 」　

「さあ・・・・。」　

 

元夫と私は、しばらく二人並んで時計を見下ろしていました。

 

「金曜日ここ通った時、あった？」

「こんなド真ん中に落ちてたら、普通気付くだろ。」

「そうだよねぇ・・・。」

 

土曜日も日曜日も二人とも一歩も家から出ていませんから、落としたとすれば金曜日に帰ってきた時しか考えられません。

もし金曜日の夜に落としたとすると、丸二日、時計はここにあったことになります。

でも時計は、全く汚れていませんでした。　

丸二日も屋外にあったにもかかわらず、ちょっとの埃すらついていません。

人や自転車が行き交う道のド真ん中に、踏まれることも蹴られることも、端に寄せられることもなく、ド真ん中に、まっすぐ道に平行に落ちていました。

 

「見つかって良かったじゃん。さ、焼肉だ。」 と、車に向かう元夫。

えっ 　そんなにあっさり納得するか。

 

金曜日、確かに自分ではずしてワゴンに置いたと思うのです。

そして元夫も、多分あったと思うと言っている・・・。

元夫が金曜日に道を通った時には時計は落ちてなかった。

その後家からは誰も出ていない。

でもここに、時計は落ちている。

汚れもなく、キレイに道のド真ん中に落ちている。

 

この状況で、なんの疑問も持たずに 「さ、焼肉」 って。　

時計にも驚くけど、その反応にもビックリだわ。

それとも、こんなことを不思議がる私がおかしいのか・・・。

 

これも、いまだに納得できる答えは見つかっていません。

ほんの数年前の話ですから、これは記憶違いではないはずです。

（その１は、記憶自体がかなり怪しいですが。）

 

普通は別に不思議に思わないことなのか？

やっぱり自分は変わってるのか・・・。そう思わなくもない母でした。