令和元年 上期 芥川賞受賞作
むらさきのスカートの女を「黄色いカーディガンの女」のわたしが見つめる話。
むらさきの女はいつも公園のベンチでクリームパンを食べていた。
女とわたしはホテルの清掃の仕事をはじめるが、
語り手と語られる側が入れ替わりながら、どちらがどちらか、
不確実を承知で読めばそれなりに面白かった。
個人的には「星の子」の方がよかったと思うけど。
ちなみに、今年前半「こちらあみ子」「ピクニック」を読んでいる。
ついでながら、今期芥川賞候補作 「百の夜は跳ねて」古市憲寿を
新潮で読んでいたが、ビルの窓ふきの話をそれなりに面白く読んだ記憶があるが、
選評で、参考文献が問題になっていた。川上弘美の「ものを創り出そうとする者として
の矜持に欠ける行為である」ほか、諸氏の批判的意見には共感するところ大であった。