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いま、そのとき、かんがえつつあること。

「統一」と「脱分断」

2004-12-30 | 国家と権力
韓国にいたとき、『シルミド』と『ブラザーフッド』(太極旗をひるがえして)が まさに大ヒットしていた。『シルミド』は宣伝ポスターが あまりにマッチョなので みる気がしなかった。まだ みてない。『太極旗』のほうは、すごい よかったと すすめられたりもした。みたら みたで ないちゃうのかもな。

『JSA』は わりと すきだ。仲よくなれば、わかりあえるってところがね。軍事境界線をのりこえていく勇気。その勇気さえ あれば、どうにか なるかも しれないということ。カン・サンジュンさんと森達也(もり・たつや)さんも そんな話をしている(『戦争の世紀を超えて』講談社、191-194ページ)。

韓国にピョン・ジョンスという評論家がいる。韓国の言論人で、わたしが もっとも敬愛する人だ。一回メールをおくったくらい(笑)。ピョンさんの『満場一致は無効だ』って本で、『JSA』の小説の書評がある。それが印象的だったので、『JSA』の日本語版をかった。「作者の言葉」は、「わたしは統一などには興味はない」という文章で はじまる。それなら、この作品の焦点は どこにあるのか。
わたしの関心は、統一にではなく分断にある。統一ではなく、分断状況の解消にある。統一しなければならない民族的見地の当為性というような議論がわたしを説得することはできないが、分断されていることによって生じる弊害は、この小説の主人公にとってそうであったように、わたしを悩ませ、疲れさせる。(343ページ)
この文章、ぜひ よんでほしい。全部は引用できないから。

ちなみに、『脱分断時代をひらいて-南北、文化共存のための模索』という本が2000年にでている。クォン・ヒョクボムさんの『民族主義と発展の幻想』(2000年)も、最高に すばらしい。なにかを分断する二元論は朝鮮半島だけに限定されない。世界的な現象だ。だからこそ、二元論に たちむかう論理をつくっていきたい。

グーグル:「脱分断」 / 「二元論」