所属している印刷組合の10月分区活動は本来温泉一泊の観楓会なのだが
年々一泊二日の行事は形骸化し、参加者も少なくなっているのが現状だ。
停滞感否めない中で、アグレッシブな気持ちを取り戻すためにも趣向を変えた行事を企画した。
勿論、音楽とは縁遠いボンクラが考えたわけじゃない。
たまたま今月が当番であっただけのことだ。
10月15日の昼下がり、コンサートホール
キタラに集合したのは少なめだが7名でオブザーバー参加2名の計9名だった。
NHKが放映しているウィーンニューイヤーコンサートは何回か見て感動するものの
全くの門外漢だけに、いびきをかいて熟睡したら・・・と危惧していた。
集まった仲間もほとんどが管弦楽を聞くのが初体験だったようだ。
ロビーで聴衆の平均年齢が高そうなことやホールの見事さを肴に談笑していたが
開演となり2階A席へ向かった。
札幌交響楽団の管楽器パートの数名が音合わせをしている舞台を見下ろす席に腰を下ろし、
巨大なパイプオリガンを見上げ感嘆したり楽団の方が座るであろう椅子の数を数えたりしていた。
今日のコンサートは「森の響きコンサート」ラブソデー・イン・ヨーロッパで
ドボルザーク他著名な作曲家(といっても名前だけかろうじて判る程度だが)の5曲を聴いた。
こいつが実に良かった。弦の振るえが奏でる音に感動し、
管の迫力ある音や繊細な響きに酔ったのだ。打楽器の音色も心にしみた。
芸術とは無縁な俗物ボンクラが感動し、危うく涙目になりそう、いやなってしまった。
高名やスロバキア出身の指揮者が音の強弱やミックスを指揮棒一つで表現し
プロの奏者が気持ちよく奏でる音に感動した。
「何が」とは文字で表せないのは情けないが、ともかく酔いしれてしまった。
哀愁有る曲も、明るく乗りの良い曲にも心動かされてしまった。
素晴らしい2時間を過ごした後の心根は清浄され、満足感に満たされていた。
この後のスケジュール表を手に入れたので、ゴルフがオフになったこの秋は
「キタラ」で芸術の素養を身に付け俗物から脱する予定だ。