ひとりが好き♪

一人気ままに綴る日記

幸福な食卓

2006年10月31日 | 小説

「幸福な食卓」  瀬尾まいこ (著)

内容(「BOOK」データベースより)
父さんが自殺を失敗したときも、母さんが家を出たときも
朝は普通にやってきた。
そして、その悲しい出来事のあとも…。
泣きたくなるのはなぜだろう?優しすぎるストーリー。

いつも訪問させていただくブログで、この作家のことを初めて
知った。
この小説が最初の「出会い」になる。

ちょっと変わった家族の日常が、佐和子という少女の目を
通して描かれている。
自殺未遂の後、仕事も父親業も辞め、突然大学受験を
目指す父親。
母親は家出して一人暮らしを満喫している。
子供の頃から天才児と言われていた兄は、何故か大学受験を
放棄し、無農薬野菜を作ったり家で鶏を飼ったり・・・。
そんな変わった家族のことを気にかける佐和子も、毎年梅雨に
なると精神が不安定になり体調を崩す。

この家族は、それぞれ心の中に痛みや歪みを抱えているのだが
表面上はとてものんびりと穏やかに過ごしている様子が、淡々と
読みやすい文章で綴られていく。

とても居心地の良い雰囲気なのだが、何となく洋服の上から
背中を掻いてるような、ぬるま湯に浸かっているような・・・
微妙なもどかしさも同時に感じてしまった。

そんな中に登場する小林ヨシコと大浦君の存在が、私には
とてもたのもしく思えた。
なかなか立ち直れないでいる佐和子のことを、半分やけくその
ように無器用に励ますヨシコの優しさが胸にこたえた。
この物語の登場人物では、一番好きかも・・・。
大浦君のキャラもなかなか良かったが・・・。

後半の急展開も、私には何だか違和感が残った。
それはないでしょう?!という心境かな。
涙なしでは読めなかったのだが、一方では何でこうなるの?
という思いが強くて・・・。
さりげない日常のままで終わらせられなかったのか・・・。

何しろ初めて読む作家だから、もう何冊か読んでみないと
よくわからない。
ひょっとしたら苦手なのかな・・・。

この作品が、映画化されて来年早々、上映されるようだ。
大浦君を演じる男の子は、以前「永遠の仔」というドラマで
モウルを演じた時から好きだった。
将来絶対に伸びるだろうと思っていたのだが、やはり最近
いろんな所で顔を見せてくれるようになって嬉しい限り。
ただ、大浦君を演じるには顔が理知的過ぎない?(^^;

原作を読んでから映画を観ると、だいたいはがっかりする
ことが多いものだが、今回はさて・・・。
原作は原作、映画は映画と割り切ってしまえば、また
楽しみ方も違ってくるのだろう。

今回、この感想を書くのに何日も費やしてしまった。
途中まで書いて、文章が浮かんでこなくて止めてしまって・・・。
この繰り返しだった。
何でこんなに時間がかかってしまったのか・・・。
決して面白くなかったわけではない、むしろ面白かったのに・・。
相性が良くないのかな。。。

 


デイジー

2006年10月29日 | 写真

「デイジー」

オランダを舞台に、一人の画家の女性と彼女を愛してしまった
二人の男、刑事と殺し屋をめぐる究極のラブストーリー。

映画が上映された時に、朝のテレビ番組で出演者がこぞって
ベタ誉めしていたので、気になっていた映画だった。
DVDがレンタルになり、さっそく観てみたのだが・・・。

オランダの田園風景とアムステルダムの街並みの美しさ
それに、バックに流れる哀愁を帯びた音楽・・・。
素朴で清楚なヒロインと、横顔がやたら素敵な殺し屋・・・。

細かいことは気にしないで、たまにはこんなラブストーリーに
浸ってみるのも良いかも・・・。

デイジーが群生する田舎の風景。
写真に撮りたくなってしまった・・・。



リトル・ランナー

2006年10月29日 | 映画

「リトル・ランナー」

1950年代のカナダ。
主人公は、厳格なカトリックの私立学校に通う14歳のラルフ。
父親を戦争で亡くし、母親も病気で入院している。

ある日、母親が昏睡状態に陥り、奇跡でも起きない限り
目覚める見込みはないと宣告されてしまう。
何とか母親を助けたい一心のラルフは、ボストンマラソンの覇者
ヒバート神父の「君達がボストンマラソンで優勝したら奇跡だ」と
いう言葉を聞き、優勝という奇跡を信じひたすら走り始める・・・。

映画の前半は、思春期真っ只中のラルフがコミカルに描かれて
いる。
好奇心でタバコを吸ってみたり、女性の裸を盗み見たり・・・。
校則破りの常習犯で、いつも校長のお小言を頂戴している。

母親を失う不安に怯えるナイーブな一面を垣間見せながらも
友人の前では明るく振舞うラルフ。
そんな彼が、走ることを決意してからしだいにたくましく変わって
いく様子が温かく丁寧に描かれている。
ひたすら走り続けるラルフの姿に、思わず「頑張れ!」と声を
かけたくなってしまう。

結末も予想がつくお決まりのストーリーなのだが、観ているだけで
元気になれて、ハッピーな気持ちになれる映画。

こんな映画、大好き!


陽気なギャングが地球を回す

2006年10月28日 | 映画


「陽気なギャングが地球を回す」

ちょっと変わった能力を持つ4人の登場人物。
他人の嘘を瞬時に見破る男、体内時計の女 天才スリ師
いい加減な理屈で丸め込む演説の達人・・・。
この4人が出会った時、ロマン溢れる大胆不敵な犯罪計画が
動き始める・・・。

○藤浩市、大○たかお、○木京香などの豪華な配役と
とても楽しそうな雰囲気に惹かれ、借りてきたのだが
正直言って、面白いんだかつまらないんだか、何だかよく
わからない不思議な映画だった。

駄作!と言い切れない奇妙な面白さがある。
登場人物のキャラの魅力に因るところも大きいかもしれない。
金髪にポップな服装でしゃべりまくる佐藤浩市。
今までとはまったく雰囲気の違う大沢たかお。
演じることを楽しんでいるような、生き生きとした表情は
一見の価値があると思う。

この映画の原作者は伊坂幸太郎という作家らしいのだが
まだ一度も読んだことがない。
ひょっとしたら、原作の方が面白いのではないか・・・。
そんな気がしてしょうがない。
今度探してみようかな。

同じように銀行強盗を描いた「スペーストラベラーズ」という
映画があるが、ストーリーとしては「スペース・・」の方が格段に
面白い気がする。
大いに笑って、最後にはグッとくるシーンもあって・・・。
ストーリーが単純で分かりやすいというのも大きいのだが・・。
ヒロインの深津絵里がすごく可愛かった!

あの映画がもう一度観たくなってしまった。。。


 


マーリー

2006年10月27日 | 小説

「マーリー」  ジョン・グローガン (著)

書店で、ちょっと小首をかしげたラブラドルの写真を見た時に
思わず手に取ってしまった。
しかも、どうやらこの犬は世界一おバカな犬らしい。
これは読まずにはいられない。(^^ゞ

今日、都内の病院に出かけた行き帰りの電車の中で一気に
読み終えた。
ラストに近づくにつれ、何とか泣かないで読むのに苦労した。
人目があるものね・・・。(^^;

子育ての練習にと著者夫妻が飼い始めたラブラドルのマーリーは
実はとんでもないやんちゃなバカ犬。
何でも口に入れ食べてしまう、家中のものを壊す、散歩に出ると
嬉しさのあまり誰にでも突進し、よだれとキスの嵐・・・。
まさにやりたい放題・・。
訓練教室に行くと、あまりの乱行にもう来ないで下さいと断られ・・・。

有り余るエネルギーのままに傍若無人に行動するマーリーに
筆者夫妻は振り回される毎日。
でも、そんなマーリーを軸に、少しずつ家族の絆が強くなっていく。
出産、子育て、転職・・・人生の転機をマーリーと家族達は
生き生きと乗り越えていく。

マーリーは、ただのバカ犬ではない。
私達に、大切な人生哲学を教えてくれる。
愛すべき存在・・・。

何度も思わずプッと笑い、最後には泣き、読み終わったあとには
人生っていいねぇと温かい気持ちになれる。
犬好きな人にはたまらない一冊・・・。

この本は去年の秋に出版され、全米でベストセラーになり
200万部を売り上げたようだ。
筆者のサイトでは、読者からの「バカ犬自慢」で大いに
盛り上がっているらしい。

バカ犬自慢なら、私も負けない。
我が家にもすごいのが一匹・・・。(笑)



 


再出発

2006年10月25日 | 日常



先日、私はブログを閉鎖した。
今年の1月から10ヶ月近く、毎日かかさず更新し
大切に守ってきたブログを・・・。

閉鎖した理由については、もう詳しくは触れない。
思い出すと、悔しさ、無念さ、わりきれない思いで
いっぱいになるから。
ひとことで言うと、ネットの見えない闇(悪意)を
かいま見たという状況だろうか。

でも、失くしてしまったものにこだわっていては
前には進めない。

とりあえず、映画や小説の感想と写真だけは
完全とはいえないが、この新しいブログに移した。
個人的な日記は、あえて移さず、私のPCの中に
保存している。
この数日間は、本当に大変だった・・・。

でも、新しい私の居場所ができた。
明日からは、また以前のように穏やかにこじんまりと
マイペースで続けていこう。




不安な童話

2006年10月24日 | 小説

 


「不安な童話」  恩田 陸 (著)

私は知っている、このハサミで刺し殺されるのだ・・・。

主人公の万由子は、ある女流画家の遺作展で強烈な既視感に襲われ
意識を失ってしまう。
彼女は、画家の息子から25年前に殺された母親の生まれ変わりだと
告げられる。
謎めいた遺書が見つかり、万由子は否応なしに事件に巻き込まれて
いくのだが・・・。
そこで浮かび上がる意外な真実・・・。
彼女は何故殺されたのか?
万由子は本当に彼女の生まれ変わりなのか?

主人公の持つ「特殊能力」と「生まれ変わり」というキーワードに
興味をそそられ、物語に一気に引き込まれていくあたりは、さすがに
うまい!
たくみな人物描写と、映像的な文章。
そして、ラストのエピローグでゾクッとさせられ・・・。

久しぶりに「恩田ワールド」を楽しませてもらった。