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第56回ベルリン国際映画祭 政治よりもジェンダーが、語られた?

2006年02月27日 | 洋画

ヤスミラ・ズバニッチ

ベルリン国際映画祭、ボスニア映画「グルバビツァ」が金熊賞 (ロイター) - goo ニュース

ボスニア映画「グルバビツァ」受賞でレイプ被害者救済に光 (ロイター) - goo ニュース

CATV ムービープラスで、第56回ベルリン国際映画祭の
授賞式の様子を放映していた。

「愛の嵐」('73 伊・米)の シャーロット・ランプリングが
審査委員長を務めている。
審査員の中に、「親切なクムジャさん」のイ・ヨンエがいたので、
おっ!と思い、
最後まで見ることにした。

招待作品「シリアナ」。(中東に派遣され、後に米中央情報局(CIA)から
見放される工作員役。)で、主演したジョージ・クルーニーが、
インタヴューで応えていた。

「『9・11』以降、映画が政治を語るようになった」と・・・。

最高賞の金熊(ゴールデンベア)賞に、ボスニア・ヘルツェゴビナの女性監督
ヤスミラ・ズバニッチ(31才)が、トロフィーを手にする。

前評判では、ロバート・アルトマン監督の群像劇「A Plairie Home Companion」や、
マイケル・ウィンターボトム監督の
ドキュメンタリードラマ「ロード・トゥ・グアンタナモ」が、
有力とされていた。
ウィンターボトム監督は、「イン・ディス・ワールド」で、
2003年に同映画祭の金熊賞(作品賞)に輝いている。

先日、朝日新聞を読んでいて、ベルリン映画祭の
気になる記事があった。

“ヤスミラ・ズバニッチ監督  金熊賞作品

「グルバビツァ」(サラエボのセルビア人地域名)

「ボスニア紛争時、母は、
捕虜キャンプで兵士にレイプされた。
生まれた娘に、父は戦死したと言う。
戦死証明がないため娘の遠足代が免除されず、
金の工面に奔走する母と、疑心を抱く娘。」
母子のこころを温かなまなざしで見つめた。“

「戦死者に対する補償は、進んでも、
レイプ被害者に対する措置は取られていない。
2万人とも言われる彼女たちを、
私の受賞が元気づけられればうれしい。」

表向きは平穏な母子の姿を通して、
今も癒えない戦争の傷を描く中に主張があった。”
 朝日新聞 2/21号朝日新聞 抜粋

朝日新聞の掲載する監督のコメントは、あっさりしたものだが、
ズバニッチ監督の授賞式の挨拶は、
もっと過激だった。

「ボスニアでの戦争が終わって13年経つが、
戦争犯罪人のラドバン・カラジッチらは
依然欧州で自由に生活している。
彼らは2万人の女性の強姦を組織的に行い、
10万人を殺害したが捕まっていない。
ここはヨーロッパで、誰も逃亡戦犯には興味がない。
この映画でボスニアに対する見方を変えて欲しい」

授賞式を見ていて、ドキツとしたくらいだ。

朝日新聞ほどの革新的な!?新聞が監督の血の出るような叫びを
報道しないとは・・・。

堀江メールで動揺する民主党を見ているような錯覚に襲われた。


○金熊賞
ボスニア・ヘルツェゴビナ  
「グルバビツァ」 ヤスミラ・ズバニチ監督 

○審査員グランプリ
「ア・ソープ」 ペルニレ・フィッシャー・クリステンセン監督

「オフサイド」 ジャファール・パナヒ監督

○監督賞
 マイケル・ウィンターボトム、マット・ホワイトクロス 「ロード・トゥ・グァンタナモ」

○男優賞
モーリッツ・ブライブトロイ「エレメンタリー・パーティクルズ」
○女優賞
サンドラ・ヒュラー 「レクイエム」)

○芸術貢献賞
ユルゲン・フォーゲル 「フリー・ウィル」
○音楽賞
ピーター・カム 「イザベラ」

PS
 審査委員長が、シャーロット・ランプリングということもあり
「女性」が、受賞のキーワードとなっているようだ。


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3 コメント

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追記 授賞式のズバニッチ挨拶 (hito2km)
2006-03-02 13:17:49


「ボスニアでの戦争が終わって13年経つが、

戦争犯罪人のラドバン・カラジッチらは

依然欧州で自由に生活している。・・」



授賞式のズバニッチ挨拶を再度聴いてみると、

ラドバン・カラジッチと、

ラドコ・ムラジッチら、・・・」

といっていた。

同時通訳のニュアンスの違いもあるが、活字より、生の言葉で聞くほうが、

かなり強烈にメセージが

伝わった。
返信する
ナンバー1通信へTB有難うございます (のびぃ太)
2006-03-03 22:12:43
朝日新聞はなぜか少しずつ変わっています。

例えば、この記事、慰安婦は朝鮮人が行ったと従来の主張を変更しています。

http://blog.livedoor.jp/mumur/archives/50398531.html

返信する
はなぜか少しずつ変わっています (hito2km)
2006-03-05 13:26:12
朝日新聞はなぜか少しずつ変わっています。



のコメント 有難うございます。

慰安婦問題は、勉強不足ですが、

地元の業者が斡旋していたとは、知りませんでした。

ただ、ジェンダー論から見ると、男社会全体の問題となるでしょう。





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