信濃屋さんが1980年代に英国のシュメーカー・チャーチ社に別注したコンビネーションシューズ。アイビーウッド&ホワイトのカーフ。ラスト#84“Hickstead”。フィッティングF。
いつもお馴染み銀座天神山のIさんがご自身のブログ上で、信濃屋さんご在籍当時の忘れられない大切な思い出の一つとして綴っていた信濃屋別注のチャーチの一つ。
白井さんが『全部で約50型くらいやったかなぁ。自分が履きたい靴を注文していたようなもの(笑)。いっぱいあったけど殆ど他の人にあげちゃったから今手元に残っているチャーチは3足しかないよ(苦笑)。』と仰っていた、その3足の内の1足がこのコンビネーションのプロトタイプ(信濃屋HP『Shirai Textbook』をご参照ください)
英国既製靴の良心の象徴・チャーチ社が最も輝いていた時代に信濃屋さん(白井さん)とのコラボレートで生まれた秀作の靴の数々は、先達の思い出話の中にしばしば登場していました。また、エイジングが重ねられた諸兄所有のチャーチは私にとって垂涎の的以外の何物でもありませんでした。その、私にとっては幻同然の靴を、今回ネットオークションで落札しました。
ここ数ヶ月、白井さんの薫陶を授かってきた私は、かつて一時期熱中していたものの、ネットオークションでのバーチャルな買い物には実はすっかり興味を失っていました。ですが今回、図らずも友人T君の導きで、本当に久しぶりに、たまたま開いたネットオークションのサイト上でこの靴を“発見”したときは、大袈裟でなく“我が目を疑い”、文字通り“胴のうちが震えるほど”の驚きと興奮を覚え、『天佑』という言葉が頭に浮かびました。
これはきっと“白井さん”更新20回目のご褒美、と思い素直に落札することにしました。でも『禍福は糾える縄の如し』『好事魔多し』とも云われますから、これを最後にオークションは完全に“卒業”したいと思います。これ以上の喜びはもう決して無いでしょうから(笑)。
流石は信濃屋さんで靴をお求めになられた方が手放された靴でした。状態はほぼ完璧に保たれていました。昨日天神山のIさんに見ていただきましたが、普段は辛口のIさんが『これなら僕も落札したかもしれない。価値ある靴だね。』と仰った時はさすがにちょっと目頭が熱くなってしまいました(照)。そして今日、白井流の靴磨きで丁寧に光らせました。元の所有者が何処の何方かは判りませんが、生涯大切に使わせていただきます。
明日は気温も上がり春らしい陽気になりそうなので、下ろし立てのダリオ・ザファーニのグレンチェックにこの靴を合わせて履き、颯爽と“白井さん”の撮影に向かおうと思います。 明日からは白井さんの着こなしも“春編”のスタートとなるでしょうね。
こういった靴を履いた場合のドレスアップは難しく感じてしまいます
私が持つ靴はほとんどが黒でして、チャーチの靴も1足だけモンクストラップを持っています
修行が足りないと言うことでしょうね(笑)