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菊花賞(GI)展望

2007-10-19 20:31:03 | 見解
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 先週の3強対決から一転して主役不在の菊花賞(GI)。長丁場だけに折り合いと有力どころの駆け引きが勝敗を分けることになるだろう。人気どころでは、ヴィクトリーとドリームジャーニーが折り合いに不安を抱える。とすると、道中で下手なアクションは取りづらく他力本願になりやすい。逆に、ロックドゥカンプ、アサクサキングスの先行勢はその不安がない。縦長のスローになれば先行馬が絶対的に有利になるが、外枠のホクトスルタン、内のサンツェッペリン、ブルーマーテルなどが競り合うと、差し勢にもチャンスが生まれる。


エーシンダードマン
前走の明石特別3着は発馬直後に無理せず後方に。大きなフットワークで悠々と追走。流れの落ち着いた3角で馬群に取り付く。だが、スローペースのために馬群がギュッと凝縮し、4角で馬5頭分外を通らされる。直線を向いてステッキが入るも、ズブさを見せて反応しない。ようやくゴール前の坂上でエンジンが掛かったものの、あまりにも遅すぎた。馬インフルエンザ渦で帰厩が遅れたことも多分に影響したろう。休養前のラジオNIKKEI賞8着は、発馬から行き脚がつかず、自然と最後方を進む形。道中から手綱のアクションに余裕がなく、三分三厘では馬群に取り付くのがやっと。直線でジリジリと脚を使うも、それが精一杯だった。トビが大きく、不器用なタイプ。小回り1800㍍はいかにも忙しかった。3走前の500万戦(東京芝・2400㍍)1着は、余裕十分に後方を追走。向こう正面で馬群の外めに取り付き、ずっと外々を通らされるも、直線で楽な手応えのまま坂を駆け上がる。坂を上った残り300㍍地点で追い出し、抜け出す。残り100㍍のところで右手前に替え、グイッともうひと伸び。力強いフットワークだった。大トビで器用さに欠け、ズブさがある。距離が伸びて追走が楽になるし、折り合いに不安がないので自由な競馬ができる。長くいい脚を使うには絶好の舞台といえる。間違いなくステイヤー。今週の坂路での最終追いも、力強い動きでデキの良さを印象付けた。大久保龍厩舎で再現を。

ドリームジャーニー
前走の神戸新聞杯1着は、ダービー以来の実践だったが、気性の勝ったタイプで仕上がっていた。道中は発馬直後から折り合いに専念する形で最後方の追走。だが、元々は行きたがる気性で、武豊も手綱を短く持ち、神経を尖らせる道中。向こう正面でフェザーを交わし除々にポディションを上げ、三分三厘で前との差を詰める。他馬の手綱が激しく動く4角でも引っ張り切りの手応えのまま、慌てずジックリ。先頭から5馬身のところまで迫る。大外を通る形になったが、スムーズに持ち出しているため決してロスではない。これが豊マジック。残り320㍍でハミをかけなおし、右ステッキが一発。しかし、右手前のままで内へモタれて満足に追えない。懸命に左手綱を引き立て直す。坂上でようやく左手前に替えるとグンとひと伸び。混戦に終止符を打った。テンに息を入れることを覚え、2400㍍でも切れる脚が使えた。鞍上の手綱捌きも抜群だった。ただ、展開に恵まれたことは確かだ。休養前の東京優駿5着は、手綱を短く持ち、折り合いに専念する道中。自然と位置取りは最後方に。スローペースにもかかわらず縦長の隊列で、追い込みのこの馬にとっては辛い展開。直線入り口で大外へ持ち出す時も依然としてシンガリ。右手綱を引いて内にモタれるのを必死に立て直す。その後も、まともにステッキも使えず。結局ゴールまでその状態が続いた。それでも、5着まで追い上げたのは立派だった。今回は一にも二にも3000㍍が課題となる。前走でも手綱を短く持ち、ギリギリの折り合いだった。そこから更に600㍍の延長。ピッチ走法で余計に苦しいだろう。どちらにしろ、道中で下手には動けない。追い込み一辺倒の競馬になる。先週のベッラレイアの二の舞も十分考えられる。縦長のスローペースだけは勘弁。前走のように手前を替えるか。

アサクサキングス
前走の神戸新聞杯2着は、明らかな攻め不足だったが、この日は10㌔減。連日の猛暑の影響があったか。13番枠から例によってジワッと先行策。無理することなく、縦長の淀みない流れを4番手から。長手綱で長距離戦では理想的な姿。道中の雄大なフットワークは迫力満点だ。離し逃げのGキリシマがペースを落とした3角で一気に差を詰める。残り3Fの4角で先頭へ並びかけると、持ったままの手応えで直線へ。そこから追い出されると、11秒4とビュッと加速。後続を突き放す。G前の坂上、外からDジャーニーに一瞬にして並ばれる。だが、そこから左手前に替えてもうひと踏ん張り。最後の最後まで粘り切った。3着のヴィクトリーを苦しいなかでも突き放した最後の粘りは高く評価したい。テンにある程度の脚を使い、自ら前を追いかける苦しい立場。それでいて、ラスト3Fから11秒3-11秒4という脚を使って最後の粘り。一番強い競馬をしたのはこの馬だろう。休養前の宝塚記念15着は雨馬場にもかかわず、1000㍍通過57秒5の乱ペースに巻き込まれて全く力を発揮できす。度外視。3走前の東京優駿2着は、発馬直後に手綱を押してハナへ。スタンド前は位置取り合戦でゴチャついたが、1角から実にスムーズな流れ。3ハロン目から12秒3-12秒6と息を入れる。その後、向こう正面で12秒1-12秒1と少しペースアップして後続を引き離す。再び3角で息を入れる絶妙な騎乗で後続を誘惑。それでも、馬群が固まらなかったのはフサイチにマークが集中していたのと、向こう正面でペースを上げたことが大きい。直線で二の脚を使い、突き抜ける。直線半ばまでは逃げ切り濃厚かと思われたが、勝ち馬の決め手にやられてしまった。テンのダッシュ力は今ひとつだが、スピードに乗れば雄大なフットワークから渋太い脚を使える。折り合いには全く不安がなく、3000㍍を克服するスタミナも備えている。レースでいかに流れに乗るか。右手前で力強いフットワークを発揮する。右回りよりは左回り向きか。道悪は大幅なマイナス。

ヴィクトリー
前走の神戸新聞杯3着は、春先は攻めで嫌々する場面が見られたが、この中間は併せ馬で前に馬を置いてチップを被る稽古ができるまでに成長した。だが、発馬直後から抑え切れない感じで馬群を縫って前へ。結局は5番手のインまでポディションを上げた。ハミをグッと噛み、力みながらの道中。決してスムーズとはいえない。向こう正面では岩田が立ち上がるほど。更に逃げ馬がペースを落とした3角では口を割って行きたがるところを鞍上が懸命になだめる。直線でスムーズに馬場の3分どころに持ち出し、坂上ではAキングスの直後まで迫る。だが、相手が手前を替えて踏ん張りを見せられると、突き放されてしまった。休養前の東京優駿9着は、発馬で痛恨の出負け。皐月賞はそこからスッとハナへ立てたが、今回は鞍上が控える競馬を選択したことで、無理に行くことなく後方に抑えた。その分、1角までに他馬との差ができた。この決断が裏目に出た。行く気になったヴィクトリーは制御に逆らって前へ。だが、縦長の馬群となっていたためにハナへは立てず。仕方なく、アサクサの作るスローの流れに合わせざるを得なかった。33秒台の脚が求められる流れでは成す術なく馬群に沈んだ。3走前の皐月賞1着は、発馬直後に大外枠からスッと好位へ。だが、気分良く走らせることを考えた鞍上は、手綱を緩めて1角で迷わず前へ。2角では11秒6と加速し、果敢にハナを奪う。ここで後続を大きく引き離す形になる。その後も12秒3を3F続け、決して緩めず。4角を回りきった時点で後続とはかなりの差。直線で2着馬との激しい叩き合いで一旦は鼻っ面を並べられる。だが、ゴール直線で左手前に替えてもう一伸び。根性で振り切った。向こう正面ではスッと左手前に替えたが、3角からゴール手前までずっと右手前のまま。2角で突き放した時に他馬の競りかけがなかったことは恵まれたが、着差以上に強さを感じさせる内容だった。今回の課題はドリームジャーニー同様、3000㍍への適応となる。依然として折り合いに課題があるし、折り合えたところで、追い比べでは決め手のある馬に劣る現状。長丁場はいかにも乗り難しい。理想は逃げて粘り切ることだが、調教内容を見る限りは前に馬を置きたいだろう。ペースは速くなってほしい。この中間は普段はDWで前に馬2頭を置いて長めを入念に乗り込まれ、追い切りもDWコースでやっている。終いの切れがUPしているかも。

ホクトスルタン
前走の神戸新聞杯4着は、無理することなく8番枠から前へ。だが、前に馬がいると追いかける習性のあるタイプ。本来なら息を入れたい2角で、鞍上の抑えが利かない感じで直後の2番手へ。自身も1000㍍通過、推定59秒0の淀みないラップを刻む。ようやく3角手前で息を入れることに成功する。4角までは3番手以下の追随を待つ感じ。直線で再び加速するも、Aキングスに楽々と並ばれる。ここまでかと思われたが、そこから粘り強い脚を使う。坂上では再び突き抜けるかの勢い。さすがに最後は力尽きたが、向こう正面序盤までスムーズさを欠いて、最後のあの粘り。前々走の阿寒湖特別1着は、発馬直後に2頭で競り合う形になるも、スタンド前から隊列が落ち着き、13秒台の緩い流れを刻む。3角からペースアップして2段ギアを使う。直線でもその脚色は衰えることなく後続を突き放した。まだ、前に馬がいるとムキになって追いかける習性がある。ハナへ立てば息を入れて折り合える。バリバリのステイヤー血統で、マークが甘くなれば。

フサイチホウオー
前走の神戸新聞杯12着は、ダービー時よりも落ち着きがあり、道中の折り合いもマシなほうだった。4角ての手応えも十分。それでも、追い出してからの反応がサッパリ。いくら何でも負けすぎ。ここまで負けるのは決め手の問題ではなく、内臓面でどこかに不安があることは間違いない。鞍上も「レース後の息遣いがいつもより荒かった」と。休養前の東京優駿7着は、下見どころからテンションが高く、かなりの発汗をしていた。レースでも向こう正面で折り合いを欠き、かなりの体力を消耗していた。これも大きく結果に影響しただろう。だが、まともに競馬ができていたとしてもウオッカに先着することはなかっただろう。現時点での「決め手」の差がハッキリ出ていた。高速決着になったのもこの日が初めて。左回りでは、どうしても逆手前になって伸びを欠いてしまう。今回はそれにイレ込みと折り合いを欠いたことで余計に伸びなかった。目標のレースでこの中間はビシビシ攻めを積まれて体調はピークに達していたが、仕上げ過ぎたことで気性面の悪化を招いてしまった。3走前の皐月賞3着は発馬で行き脚がつかず、スッと後方に控える。だが、ヴィクトリー、サンツェッペリンがスムーズに先行するなか、馬込みに包まれ動くに動けない。その状態が4角まで続く。ようやく、4角で進路が開くと強引に外へ。ここで大きく膨らみ、他馬に迷惑をかけてしまう。直線で獲物を捕らえるかのような迫力満点の走りで猛追するも、僅かに届かず。中山2000㍍で33秒9の脚。完全に脚を余してしまった。まだ、レースに行って遊ぶ面があったり、イレ込んだりする気性。攻めすぎても駄目だし、可愛がり過ぎても駄目。難しいタイプ。筋肉質の体型で、長距離も向くとは思えない。

ヒラボクロイヤル
前走の神戸新聞杯7着は道中、後方2番手から折り合いに専念。三分三厘で外めをジワッと加速。直線で一瞬は伸びたものの、最後は脚が上がってしまった。久々で攻め不足とはいえ、展開が恵まれたのでもう少し粘って欲しかった。休養前の東京優駿16着は、発馬直後の1角でゴチャつき、リズムを崩す。瞬発力勝負も重なって力を発揮できなかった。青葉賞1着は雨馬場で平均ペースの流れを後方から追走。大きなトビで前のオーシャンエイプスを見ながら余裕十分の追走。直線で大外へ回るのではなく、真ん中を突く。一旦は前が狭くなり一瞬ヒヤッとしたが、残り300㍍地点でVロードが開き、一完歩毎に鋭く迫り、逆手前のままだったが豪快に差し切った。トビの大きなタイプで、器用さに欠ける。

ブルーマーテル
前走の習志野特別1着は、トビの大きなフットワークで1番枠からハナへ。1角でスッと息を入れる。向こう正面中盤からピッチを上げ、4角で2番手に競りかけられるも、直線で左ステッキ2発に応えて突き抜ける。最後は筒一杯になったが、ギリギリ粘った。前々走の500万下1着は、大外枠から速い流れを内の先行馬を見ながらジワッと先行策。2角で2頭が飛ばす縦長の乱ペース。自身も向こう正面で4番手まで押し上げる。逃げ馬がベテた三分三厘で一気に先団に取り付き、4角で早め先頭に踊り出る。直線でもその脚色が衰えることはなく、急坂がありながらラスト1ハロンを12秒1としっかり踏ん張った。気を抜く面があり、逆に長丁場でリラックスして走れる面がある。真面目に走れば前々走のように追ってしっかりし脚を使える。先行して馬体を併せられる形になれば。

アルナスライン
前走の京都大賞典3着は、久々で少し攻め不足だった。発馬直後に鞍上が抑えるのに苦労する行きっぷり。発馬から300㍍のスタンド前でマキハタに寄られて逆手前になり、少しリズムを崩す。その後はスムーズな折り合いを見せ、中団外めを追走。ペースの上がった4角でズブさを見せて手綱に余裕がない。直線で鞍上が強引に右手綱を引いて内へ。スパッとは切れなかったが、ジワジワと脚を使って3着。久々の実践で古馬相手に大健闘。休養前のすみれS1着は、道中、緩い流れを中団のイン追走。だが、首をグッと下げハミ噛んで力みが見られる走り。鞍上も抑えるのに必死。直線を向き、追ってからの反応は鈍かったが、外からベッラレイアに迫られると、グンとひと伸び。一気に差し切ってしまった。前々走の京成杯3着も道中、ハミをグッと噛み力みながらの追走だった。ハミに頼った走りをする面があったが、前走はあまり感じさせなかった。除々に長距離向きの走りになっている。

ロックドゥカンプ
前走のセントライト記念1着は、好発を決め、道中は馬なりのまま好位のインへ。入れ替わりの激しい流れに戸惑うことなく、道中の折り合いもスムーズ。ペースアップした3角で慌てることなくジッと我慢。インで一瞬はズブさを見せるが、4角では抜群の手応えに。直線でスムーズに馬場の3分どころへ持ち出すと、全身を目一杯伸ばしたダイナミックなフォームで、坂上でも脚色が衰えることはなく、ラスト1ハロンを推定11秒8で駆け抜けた。遅生まれで、現状は3歳春。キャリア3戦でこの強さ。テンに行く脚があり、長くいい脚が使える。野芝の高速馬場にも対応できた。休養前のラジオNIKEEI賞1着は、道中、2頭が飛ばす平均ペースの流れを離れた3番手追走。逃げ馬がバテた3角で早めに先頭へ立つ積極的な競馬。にもかかわらず4角では抑え切れないほどの手応え。直線で馬場の良い真ん中へ持ち出し、後続に詰め寄られながらも、どこまで行っても差は詰まらない感じだった。南半球産の遅生まれ。そのハンデは大きいが、他馬に競られても動じない精神力、四肢を柔らかく使った脚捌き。少し、エンジンの掛かりが遅いところがはあるが、トップギアに入れば長く良い脚を使える。長距離でも問題ないだろう。

サンツェッペリン
前走のオールカマー9着は道中、緩い流れのなか3番手追走。終始、気分良さそうに走っていたが、三分三厘でペースアップした時にズブさを見せ、手応えに余裕がない。直線も成す術なく沈んでしまった。馬インフルエンザの影響で帰厩が遅れ、攻めの動きも今ひとつだった。休養前の東京優駿4着は、レース前のテンションが少し高く、発汗が目立った。道中はアサクサキングスが作る緩い流れを離れずピッタリと2番手追走。皐月賞同様、2頭で後続を離す展開。だが、テンションが上がっていた分、ハミをグッと噛んで力みながらの追走。直線で満を持して追い出し、懸命に前のアサクサを追いかけるもなかなか抜かせない。やはり、力んだ分伸び切れなかった。3走前の皐月賞2着は発馬直後に手綱を押してハナへ。だが、外のヴィクトリーにスッとハナを奪い返される。その後は直後に付けて3番手以下を離す。三分三厘でステッキが入り、直線でジワジワと差を詰め、坂上では先頭へ躍り出る。だが、勝ち馬が左手前に替えてもう一伸び。上げ下げで負けた。切れる脚はないが、先行して渋太いタイプ。叩かれて春当時の素軽い動きが戻ってくれば。

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