平荘町・上荘町をゆく(46) 報恩寺(8) 大日如来坐像
報恩寺の本堂に大日如来坐像があります。
写真は、『仏と神の美術』(加古川総合文化センター)からお借りしました。
寄木造で、忍者のような智拳印(ちけんいん)を結んで、金箔が残っており、元は金箔の大日如来と考えられます。
光背は、後の修理がなされていますが、当初(南北朝時代)のものと思われます。
この仏像は、観応二年(1351)の姫路市の如意輪観音、延文四年(1359)の書写山円教寺の金剛薩埵とほぼ同じ作風です。
これらの像は、銘文から播磨の守護赤松氏の造仏にも関わった仏師・康俊が製作したものであることが分かっています。
赤松氏の庇護を受けた報恩寺に伝わる大日如来坐像も康俊のものである可能性が高いと思われます。
報恩寺には「報恩寺文書」として知られる多数の赤松氏との関係の文書が保存されており、報恩寺は、赤松氏と深い寺院です。