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カーナビ通信サービス利用率は所有者の3割強

2008-12-04 01:20:38 | 位置情報・地図
カーナビ通信サービス利用率は所有者の3割強 (日経BPネット)

「日経マーケット・アクセス」が、カーナビ通信サービスに関する調査を実施した。
 通信機能を持つカーナビとは、トヨタG-BOOK、日産カーウィングス、ホンダインターナビ、パイオニアスマートループだ。
 カーナビ利用者母数は4795。この内、カーナビに通信機能がついている割合は29.1%。さらに母数の内、通信サービスを利用している割合は10.1%とのことで、通信機能がついていても使用している割合は3割程度ということになる。

 さて、通信機能に対応したカーナビユーザーの母数は1523。内訳はG-BOOKが39.5%。カーウィングスが17.6%、インターナビが18.3%、スマートループが8%となっている。
 この調査では「通信サービスが役立っているか」について調査している。全体では対応カーナビ所有者の内の35.4%が通信機能を利用している。「役立っている」との回答は、通信機能利用者の内64%だ。

 これを各社で見ると、
・G-BOOK対応機所有者は30.7%が利用していて、その内75%が満足と回答。
・カーウィングス対応機所有者は33.6%が利用していて、その内44%が満足と回答。
・インターナビ対応機所有者は45.0%が利用していて、その内60%が満足と回答。
・スマートループ対応機所有者は36.8%が利用していて、その内73%が満足と回答。

 どうしてこのような結果になったのかはよく分からないが、サービスごとに差異があっておもしろい。ちょっと気になるのは、カーウィングスの通信機能利用ユーザーは、満足しているとの回答が半数に満たないことだ。たまたま、今回の調査でそうなっただけなのかもしれないが・・・


 この結果から、記事の分析にあるように、
・通信機能利用者の満足度は高い。
・しかし、通信機能対応カーナビユーザーの内、3割強しか通信機能を利用していない。
ということが見て取れ、「既に通信サービスを利用している人の評価は悪くないだけに、利用比率の引き上げが急務である」と記事では結んでいる。
 しかし、カーナビの通信機能を利用するユーザーはその利点を知った上で使うことを選んだため、結果的に利用者の満足度が高くなる、という考え方もできる。であれば、通信機能を使用していないユーザーは通信サービスを評価していないから使っていないということになり、利用比率の引き上げはなかなかに難しい。


 利用されない理由ですぐに思いつくのは、継続的に必要となる費用だろう。各サービスの年契約での通信費込み利用料を、月当たりの費用に換算して見てみることにする。ただし初期費用は除いている。
 G-BOOK では DCM という専用通信機(G-BOOK ALPHA で用いられているものは 2.4Mbps)を用いた場合、1,000円/月。
 カーウィングスでは WILLCOM の通信モジュール(32kbps)を用いた場合、1,100円/月。
 インターナビでは WILLCOM の通信モジュール(32kbps)を用いた場合、962.5円/月。
 スマートループでは WILLCOM の通信モジュール(32kbps)を用いた場合、962.5円/月。(通信方式が異なるエアーナビは除く)

 それでなくとも、ケータイ代やらADSL/光といった通信費が毎月必要となる中で、さらに定額で費用がかかるのは気持ちのいいものではない。また、車の利用が土日に限られたり、平日使うにしても近所だから渋滞情報なんていらない、という考えてしまえばなおさらだろう。

 ウィルコムを用いた通信サービスでは2段階定額もあり、こちらも最低料金はかかるが、まぁ検討の余地はあるだろう。年契約で月当たりの費用を安くすることはできるが、1年使い続けるだろうか、と考えてもしまうだろう。
 各社 Bluetooth などを経由してのケータイでの接続も用意してはいる。しかしこの場合はケータイ側から見ればパソコンのモデムとして使われているのと同じ扱いになるので、パケット定額制に入っていても通信費が跳ね上がるのでちょっと怖い。


 次に思いつくのは、通信を利用して有用なサービスが提供されているのか、だ。主要なサービスは VICS とプローブ情報と利用した渋滞情報サービスであり、これに利用価値が見いだせれば、通信サービスを使いたくなってくる。
 わたしはエアーナビでスマートループを使っているが、(他の通信を利用するサービスが遅すぎて使い物にならないという事情はあるものの)通信サービスを使用する理由は渋滞情報の取得、だ。
 多くの方がここに価値を見いだすには当然渋滞情報の充実化が必要で、メーカー間でどんどん連携を進めると共に、タクシーからの取得情報も取り入れていって欲しいものだ。そしてこの情報を利用し、精度良く渋滞を回避できるようになって欲しい。本来、充実した渋滞情報の取得で渋滞を回避できることは、通信サービスのキラーアプリケーションだのだろうが、なかなか現実はそうはなっていない。

 この他に便利に使っている通信サービスは、PC/ケータイ間での位置登録の連携機能くらいだろう。
 何か他にキラーアプリケーションと呼べるようなもの、そうでなくとも便利になることがあればいいのだが、わたしの発想が貧困で、なかなかそういうものは思いつかない。


 利用比率を上げる目的なら、導入の敷居を下げ便利さを体感してもらうために、1ヶ月間無料で使ってもらう、という手はあるかもしれない。ただ通信にはハードウェアも別途必要なのでなかなかに難しいし、わたしがスマートループを使った限りでは、(VICSではない)スマートループの渋滞情報を得られたからと言って、劇的に走りやすくなる、ということも無いように思う。


 カーナビが通信機能を持つとどうなるのか。興味深くはあるのだが、このような調査を見るとまだまだユーザーは魅力を感じていないように見える。最近ではエアーナビのように PND なのに通信機能を持つものや、また ウィルコムD4向けの MapFan カーナビアプリ、ナビタイムの WND なども出てきている。今後どのような使われ方をしていくのか、注目していきたい。

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