クワガタ~スズメバチ等の覚書

   Photo & Text by こよみ

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朽木屑を運ぶオレゴンルリクワガタ♂

マグソクワガタ散見

2016-06-05 17:05:56 | マグソクワガタ

今年は、4月24日~5月15日までの間に

マグソクワガタの観察を5回行いました。

この季節はコルリクワガタとマグソクワガタが微妙にかぶります。





どちらかに絞ればいいのですが

それがなかなか難しく ”おあずけ” が出来ません。

観察・採集場所:分布最西方面 


4月24日の様子

時間帯: 14:00~15:35

天候:曇り 時々晴れ たまに微風

気温:麓21度±・現地17度±





今年最初の河原はまだ肌寒く

長袖一枚では少し厳しい日でした。

この分布地は川幅が狭く

大雨や台風などにより毎年毎年地形が変わります。

今年の河原には新たな流木があったり

狭いながらも幾つかの新しい砂地もできており

マグソクワガタを観察するには

ここ数年で一番良い状態となっていました。





しかしながら まだ気温が低いのと曇りということもあってか

河原を飛翔する昆虫は殆ど見当たらず

また、発生の目安となるハンミョウの姿もなく

マグソクワガタはまだ発生していないと思える状況でした。


5月1日 発生している!

時間帯:14:30~16:40

天候:晴れ 時々風
  
気温:麓24度・現地23




時々風は吹きましたが、基本良い天気で

直射日光のあたる石の上や砂地部はやや熱く感じました。

河原では大小様々な昆虫や、爬虫類等を見ることが出来ます。




 

↓獲物を探すキイロスズメバチの女王


↓ マグソクワガタ発生の指標としているハンミョウ



ようやく発見!

15時を過ぎたころに地面付近を飛翔するオスを発見。



その後も 地面付近を飛翔するオスを見ました。

更に15:58分、石の上に止まるオス1頭を発見。

確認できたのはこれで3頭目になりますが

いずれも河原に到着して探したはずの場所で発見しています。


3頭目の石に止まる個体を本日の観察の対象とし

少し離れてその行動を見守ります。





石の上では上流を向いて触覚を広げているときが多く

たまに方向を変え、地面を向いたりもしていました。







この個体は同じ石の上で約90分以上留まり

16:27分に石の上に積もった枯葉の中に隠れました。




↓このあと落ち葉の中に隠れます



そして、

16時を過ぎるころには飛翔する他の昆虫も極端に減ってきました。

当日発見できたマグソクワガタはオス3頭で

メスを見ることは出来ませんでした。

それにしても動きの殆どない観察は疲れます・・・
  

5月2日 増加 

時間帯:15:50~17:20 

天候:晴れ時々微風 

気温:麓25度・現地23度以上

この日はコルリクワガタを観察した後、この河原にきました。

少し遅めの到着でしたが 前回より個体数は増しており

飛翔する個体や、小石・草本に止まる個体を

複数見ることが出来ました。











河原には大小さまざまな石が転がっていますが

マグソクワガタ(オス)は

それらのより高いところに止まっているわけではなく

大して大きくもなく、何の変哲もない石の上や

砂地にいることが多いのです。

また、オスは地面付近を低空飛行しながらメスを探しますが

ある程度探して感触?がなければ

急に速度アップして場所を変え

やがて地面などに着地します。





この日は、17:15分でも

石の上に止まるオスを見ることが出来ました。

当日発見した数は20頭くらいだと思いますが

残念ながらこの日もオスばかりでした。


5月4日 

時間帯:11:25~13:20

天候:晴れ時々曇り 時折り風強い

この日の気温は未確認ですが、さほど上がってはいません。





河原の昆虫たちの多くは

風がなく、日差しのあるときによく飛翔し

影ると減少します。

その傾向は顕著で、紫外線の影響を受けていることが推察されます。


↓獣の糞に来ていた糞虫



この日はお昼をまたいで約2時間滞在しましたが

マグソクワガタを見ることはできませんでした。


5月15日今年最後の観察

時間帯:11:40~13:15

天候:晴天・時々強めの風

気温麓:29度 現地25以上





かなり良い天気で河原の石や砂地は高温になっていました。

飛翔する昆虫はそこそこいますが

地面で見つかる昆虫は少なめでした。


↓マグソクワガタのメスとよく見間違う


↓ 一瞬、新種のクワガタかと思いました!

↑オオヒラタエンマムシ

当日は、河原の上~下流をTさんと広範囲に調査しましたが

マグソクワガタは全く発見できませんでした。


最後に

今年は観察回数を増やせたにもかかわらず

残念ながらメスの姿を見ることはできませんでした。

マグソクワガタは、

飼育下ではオスより5日ほど遅れでメスが羽化します。
 
そして、13日くらいの間に全ての個体が羽化を終えます。

雌雄比率は当然五分五分です。


↓ 10年以上ここにある大きな埋木 恐らく発生木の一つ


↓参考画像 オスの羽化(アナログ写真)


↓メス 参考画像(アナログ写真)



今年観察した期間内に

メスも発生していたと思うのですが

出現のタイミングをつかむのは

本当に難しいと改めて実感しました。

また、日差しが強くあたる石や砂地に手を当ててみると

思いのほか高温になっており

マグソクワガタがそこで静止したり

活動できるような温度ではないようにも感じました。


↓石の質や大きさによって表面温度は異なる



日差しが少し和らぎはじめたころに

何度も見たはずの石上で

オスが発見できるのは、そういうことかもしれません。



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