クワガタ~スズメバチ等の覚書

   Photo & Text by こよみ

PC版テンプレート画像は
朽木屑を運ぶオレゴンルリクワガタ♂

ヒメオオクワガタ・13-アカアシとの競合

2023-09-26 22:45:33 | ヒメオオクワガタ

9月も終盤です、カマキリ名人Kさんとブナ帯に行ってきました。

日時:2023年9月24日 14:30~16:00

天候:晴れ時々曇り 気温:19度くらい 半袖で肌寒い

標高:960〜1010m

↓ 時々曇るが景色はきれい

この山は、先月上陸した台風7号が強く爪痕を残した場所で

今でも林道が陥没したままであったり、沢の変形、倒木等が至る所にあり

7号の凄さがダイレクトに伝わる山です。

↓ 倒木のすべてが巨大

 

アカアシとの競合

ブナ帯では、ヒメオオクワガタとアカアシクワガタが混生していますが

これまで私が見てきた関西の3つの山塊では

ヒメオオクワガタとアカアシクワガタが同一木に付いていることは稀で

両種は何らかの情報をもとに、必要な距離を保ち

棲み分けめいたことを行っているように感じています。

(関東や東北など他エリアでの実際は知りません)

 

また、樹上で両種が戦っていたり、にらみ合っている姿を一度も見たことがないため

この棲み分けが力による排除の結果とは思えず

おそらく両種は匂いを感じとり、互いに必要な距離を保っているのではないかと考えています。

例えば、種の持つ匂い、枝や幹や林床に付着した排泄物由来の匂いです。

↓ わずかな隙間でフリーズするスジクワ 揺すっても落ちてこない!

 

また、ヒメオオクワガタが付く木や群生で、アカアシクワガタの姿を見始めると

その翌年あたりからアカアシクワガタの個体数は増し

ヒメオオクワガタはしだいに姿を消していくことがあります。

逆にアカアシクワガタが付く木や群生で、ヒメオオクワガタの姿を見始めると

アカアシクワガタはしだいに姿を消してくこともあります。

棲息地ではこういったことを繰り返してきた場所があります。

これらの事象は、発生木も深く関係しているのかもしれません。

↓ ヒメオオとアカアシがせめぎ合うヤナギ群生

↓ ヒメオオの食み痕

↓ 山では大きく見えるが実際は50㎜ほど 

上画像のオスと同じ木でもう一つ何かが落下したのですが

残念ながら林床に紛れ込み見つけることはできませんでした。

↓ リリース前の集合写真

採集したヒメオオクワガタ2ペアのうち、1ペアはKさんが飼育用に持ち帰りました。

残りの1ペアはリリースです。

↓ お別れの撮影

9月終盤のブナ帯、肌寒いけどきれいな空の下、おもしろい探索ができました。

Kさんお疲れ様でした。


ヒメオオクワガタ・13-10月の様子

2022-10-02 14:15:14 | ヒメオオクワガタ

日時:2022年10月1日 14:00〜:17:30

天候:晴れ 気温:半袖で汗をかく

標高:約940〜1200m

 

昨日はTさんの案内で初秋の高山帯に行ってきました。

標高の高いところでは紅葉も始まっていましたが

少し動くだけでも汗をかく10月最初の午後でした。

 

↓ 天気の良い日は活動個体が見られる(アカアシ・キイロスズメバチ)

↓ 大アゴで樹皮を傷つけるアカアシのオスと、過去の食み痕

↓ 大アゴ先端のギザギザで樹皮に傷を付け、吸汁する(アカアシ)

↓ 食み痕 この派手さは居付いたヒメオオの仕業

↓ ヒメオオの小型ペア落下

↓ 珍しくバッコウヤナギに付くアカアシ

↓ 危うく見失うところ! ヒメオオのオス

↓ バッコウヤナギの高所に大きいオス発見(ペア)

⇩ ⇩ 久しぶりの50㎜越え、メスは普通サイズ

 

⇩ ⇩ ピンぼけてしまったが、ガチ詰めで52㎜はある 当日最大

↓ 隣の枝にオスが、落ちないので降りてくるのを待った

⇩ ⇩ 体格の良い中型

↓ 根元で発見 

⇩ ⇩ まあまあ大きく重いメス

↓ リリース前の記念写真 アカアシは発見放置

↓ 高山では必ず探す産卵痕(場所からしてコルリクワガタと思われる)

 

夜のアカアシクワガタ

当夜は1時間半ほど灯火もしました。

日時:2022年10月1日 18:40〜:20:30

天候:晴れ 気温:10度前後

標高:約940m

↓ 昼間の気温とは打って変わり、急激に冷え込み最終9度

↓ 今峰ライト点灯 18:40〜20:30

 

気温の冷え込みと風もあり昆虫の飛来はほとんどありませんでしたが

大型の蛾と、アカアシクワガタのメスが1頭飛んできました。

周辺のヤナギにはアカアシクワガタが複数付いているのを確認していましたが

この気温で飛来があるとは思っていませんでした。 

これは、私が経験したクワガタ飛来の最低気温です。

 

↓ 10度でも飛来したアカアシのメスは、かなりえらい!

↓ ヤママユと、クロウスタビ

↓ ムクゲコノハと、クヌギカレハ

 

灯火をしながら日中に見たヤナギ群生を探索すると

日中と同数に近い個体が樹液を吸汁していたり、枝に静止していました。

気温は10度ほどで、ヒメオオクワガタ含め

活動可能な限界温度はこの辺りにあると思います。

昼間に活動していた多くの個体は夜間の冷え込みで次第に動きが緩慢になり

そのまま朝を迎え、気温の上昇とともに再び活動が活発になる。

特にこの時期は、そんなことが繰り返されているように思います。

 

↓ 吸汁するアカアシクワガタのメス 気温は10度ほど(19:48)

↓ こちらも吸汁中(19:52)

↓ 静止するオス(19:50〜20:32)

 

10月初めの好天に藪漕ぎで大きなヒメオオクワガタが発見できました。

この他に大きいであったろう個体と、数頭の取り逃がしもありました。

そして、低温下に於いてアカアシクワガタ飛来もあり、とても良い経験ができました。

Tさん案内ありがとうございました。そして、遅くまでお疲れ様でした。

Yさん、蛾の同定いつもありがとうございます。

 

 


ヒメオオクワガタ・12-平年並み

2021-08-30 19:38:30 | ヒメオオクワガタ

日曜日、午後の用事が早く済んだため

ヒメオオクワガタの発生状況を見てきました。

とはいっても片道2時間半は長距離でした。

 日時:2021年8月28日 15:40~夕方

 天候:晴れ時々曇り〜時々濃霧

 気温:25度前後

 標高:約950〜1010m

↓ キックで落下。クワガタではなかった!(ゴマダラカミキリ)

↓ ミズナラ若木に食み痕 この木にはミヤマクワガタがよく付く

↓ 画像中央ヒメオオクワガタの食み痕 

↓ 大型のヒメオオクワガタ

⇩ おそらく新成虫

 

山の天気は本当に気まぐれで

現地に到着した時は晴れていましたが、あっという間に霧が押し寄せました。

こういう天候はこれまでに何度も経験していますが

目の当たりにすると未だに不安になります。

 

↓ きれいといえば、きれい。不気味といえば、不気味。

↓ 霧で前方が見えない! こうなると少し怖気ずく

↓ あっという間に霧の中

↓ と思いきや、どないやねん!

↓ ヤナギに付くアカアシクワガタのペア

↓ アカアシと同一木から落下した個体、もしや?

⇩ ヒメオオクワガタの大型メス

 

昨日は短い時間での探索でしたが発見できたクワガタは

ヒメオオクワガタ=2オス1メス

アカアシクワガタ=10オス7メス 1メス死骸

コクワガタ=1オス2メス 

以上、アカアシクワガタの繁栄が目立ちます。

 

↓ 高山では見つけるのが難しいコクワガタの活動個体

 

昨日は、短時間で結構な数のクワガタを見ることができましたが

あるポイント周辺では

数年前から気になっていたことがいよいよ現実になってきました。

それは、シカの存在です。

ヒメオオクワガタやアカアシクワガタのホスト木となる樹木の樹皮が剥がされ

枯れてしまうのです。

下画像のように樹皮が広範囲に剥がされると

その木はほぼ枯れてしまいます。

このままいけばこのポイントは一時期消失して

新たな息吹が芽生え、再生するのに数年かかります。

この辺りではそれを繰り返してきました。

 

↓ シカに樹皮を食べられた柳は次第に弱っていく

↓ このヤナギ群生もあと10年持たないかもしれない

↓ リリース前の記念写真

↓ 久しぶりの持ち帰りはブリードと標本用

↓ 体長測定のため、ひとまずおとなしくしてもらいます

↓ アカアシクワガタ さほど大きくなかった・・・

↓ ヒメオオクワガタのメス 

↕ 上は45㎜台、下は51㎜台

 

昨日は今年最初のヒメオオクワガタ発見となりました。

発生そのものは北の方より相対的に遅いようですが

時期と数は平年並みといったところでしょうか。

次はオニクワガタを探します。

 

↓ 既に秋の気配

 


ヒメオオクワガター初物

2020-08-25 00:00:43 | ヒメオオクワガタ

土曜日に今年初めてのヒメオオクワガタを見つけました。

当日の主目的はライトトラップでしたが

灯火までの余時間を

いつものようにルッキングでつなぎました。

 

 

日時:2020年8月22日 16:50~18:40

天候:曇り・部分的に濃い霧 気温25度前後 無風

標高:約650~1010m

 

↓ 霧で向こうは見えない

↓ 標高約650m クワガタに人気のヤナギ

↕ ここには5種のクワガタがやってくる

↑ 今回はアカアシのメスとスジクワペア

↓ 標高1000m以上にあるヤナギにもクワガタは集まる 

↓ 幹に衝撃を与えて落下 アカアシ オス

↓ カミキリムシも落下

 

通常、アカアシクワガタの採集は木に衝撃を与えて落下させ

それを拾うのですが

この日は珍しくいつまでも幹に付いたまま落ちない個体がいました。

 

↓ 画像中央のクワガタが落ちない!

↓ ・・・? 

 

「あれ? ヒメオオや!」

まさかのヒメオオにテンションは上がります。

アカアシクワガタだらけのヤナギに

ヒメオオクワガタが付いていました。

今季初のヒメオオです。

 

一旦しがみつきモードに入った個体は

なかなか落下はしません。

仕方なく地面にあった枝で

しぶといやつを落としました。

 

↓ 42mmほどのヒメオオクワガタのオス

 

よく見るとオオアゴは擦れており、越冬個体みたいです。

林床を見ていると近くに何やら黒いものがもう一つ。

「おっ! ヒメオオのメス」

こちらは残念ながら硬直した死骸でした。

 

↓ 続いてヒメオオクワガタのメス死骸発見

 ⇩  ⇩  ⇩

  ⇩  ⇩  ⇩

 

このメスは初夏に産卵を終え

その後樹液吸汁するも力尽きたのでしょう。

そろそろ新成虫も出てくる頃です。

 

棲み分け

私のこれまでの経験では

1本の木に

アカアシクワガタとヒメオオクワガタが付いていることはあまりなく

過去含め数回しか記憶がありません。

恐らく地面や木に付いた排泄物や

生体から漂う匂いを感じ取り

両種あるいは一方が

必要な距離を保とうとしているのではないかと考えています。

 

↓ リリース前の集合写真 

↓ 持ち帰りはヒメオオクワガタの死骸

 

明るい時間の探索は

アカアシ畑でまさかのヒメオオとなり

気分は上々でしたが

じわりじわりと押し寄せる霧と夕闇に急かされ

灯火場所へと車を走らせました。

 

灯火の様子は後日覚書します。


ヒメオオクワガタ-割り出し

2019-10-20 20:37:38 | ヒメオオクワガタ

先のキュウシュウヒメオオクワガタに引き続き

本州ヒメオオクワガタの割り出しです。

 

 

 

↓ 材は置くだけの簡単セット

 

キュウシュウヒメオオクワガタでは

齧り痕がたくさんあったにもかかわらず

幼虫は2頭しか採れませんでした。

では、本州ヒメオオクワガタは産んでいるのでしょうか?

不安と期待で割り出しはスタートしました。

 

↓ 左:九州亜種   右:本州亜種

 

 

↓ はっきりした馬蹄型

 

上画像のように母虫の齧った痕は認められました。

材を削っていくと食痕は現れましたが

九州同様に硬い部分へと走っており簡単には削れません。

仕方ないので鉈を入れ割ってみると空洞が・・・・・

 

 

あれ?

 

幼虫は材を割ったショックでトレイに落ちていました。

お~これで何とかゼロは免れた。

 

↓ 転げ落ちた初齢幼虫

 

その後も材を削っていきましたが何も出てこず

最初の1頭だけで割り出しは終わりました。

このメスからは

前回の割り出しで3頭回収していますので

計4頭回収できたことになります。

 

 

期待したヒメオオクワガタの割り出しでしたが

 

九州・本州ともに振るわず

似たような結果に終わりました。

 

やっぱりヒメオオは難しいな~

 

↓ 容器と場所を変え、飼育下2回目の越冬準備

 

↓ 本州亜種 今年採集した特大個体

 

 


大きなヒメオオクワガタ

2019-08-25 23:46:48 | ヒメオオクワガタ

昨日はTさんと鳥取県の山地帯に行ってきました。

3年前に見つけたヒメオオクワガタのいる山です。

実はこのポイントには7月下旬に一度行ったのですが

その時は全く気配なしでした。

8月も終盤になり、少し気温も下がりはじめ

そろそろ西のヒメオオクワガタが出てきてもよい時期です。

 

 

日時:2019年8月24日

天候:曇り  気温:麓で28度 

標高:850~950m

 

荒れた林道をゆっくりと登りながら

両サイドのホスト木に目を凝らしますが

真新しい食み痕はなかなか見つかりません。

 

 

少し開けた場所に車を止め茂みの中に入ってゆきます。

振動を与えないよう注意しながら柳の枝を見て回りましたが

生い茂る葉や枝でよく見えません。

仕方ないので木に衝撃を与えてみます。

 

ポトンと何かが落ちました。

急いで急斜面を下り探します。

落ち葉をどけ、土を掻ていくと黒いものが。

 

ヒメオオクワガタです。

やはり発生しているようです。

 

 土に潜って逃げるオス

↓ 今年初めての個体は40mm程度のオスでした

 

更に木をたたき振動を与えましたが反応なし。

2年前には木の根元土中から特別大きなメスが出てきたので

今年も落ち葉や枝をかきわけてみます。

 

出ました、立派な大あごが・・・

 

↓ 画像中央付近

  

「Tさん、ごっついのがおるわ!」

急いでTさんが斜面を登ってきます。

二人順番に画像を残した後、大あごをつかんで引っ張り出します。

 

これは大きい!」

よく土中に潜るせいか体に土が定着しています。

 

目測で50mmは超えています。

私の過去の採集では54mm台が最大で

今までに3頭捕まえており、55mmが壁でした。

これは持ち帰ります。 

 

↓ 自宅にて

 

 計測すると55mmを超えていました。

3年前に見つけたそのポイントでは毎年50mm越えを発見しています。

また、一昨年には土に潜るとても大きなメスを採りました。

今のところこの場所は

狭い範囲で高い確率で大型が出てくる面白い場所です。

  

↓ 小さいほうはリリース

 

今回発見できたヒメオオはオス2頭でメスの発見はありませんでしたが

これから徐々に出てくるものと思われます。

 

↓ 西のヒメオオは東に比べ発生が遅いようだ

 

当日は標高の高いところでライトトラップもしました。

ライトは55wから75wに替えました。

時期的に遅めの灯火でクワガタ飛来は少しでしたが

私にとっては

昼間のヒメオオをしのぐ興奮をもたらしてくれる結果となりました。

その時の様子は次に記します。


ヒメオオクワガタ・割り出し

2019-06-09 20:44:26 | ヒメオオクワガタ

昨年9月にルッキングで採集した

ヒメオオクワガタの割り出しを行いました。


産卵セットは昨年秋から組み

軒下で自然管理していたものです。

今年2月に様子を見るため朽ち木を取り出しましたが

その時は居場所作りのための

大きな削り片が散乱しているだけでした。

よくあることです。


2019年6月9日少し細かな削り片が見られたので

朽ち木を崩してみました。

採卵に使用した朽ち木は

良く朽ちて柔らかい天然のクヌギです。

↓ 柔らかいクヌギ天然木







割り出し結果は

初齢2・2齢1、計3頭しか取れていませんでしたが

成長度合いからして少なくとも初齢2頭は

今年の春に生まれたものと思われました。


↓ 出てきたのは初齢2・2齢1頭


↓ 別容器に移した途端メイドガード



割り出し後は再びセットを組みます。

今度はブナのカワラ材です。

ヒメオオクワガタにとっては

先のクヌギよりよさそうな感じはしますが

私の経験では

ヒメオオクワガタの産卵は

休眠覚醒~7月くらいまでがピークです。

その後はあまり期待できません。


あと少し産んでくれることを願いながら

セットを組みました。


↓ ブナのカワラ材


↓ 今回は立て埋め


↓ 流行のミズゴケもなし



セットした容器は今回から小屋に移動し

観察しやすいように配置しました。





ヒメオオクワガタ2018

2018-09-18 23:50:07 | ヒメオオクワガタ

9月も半ばに入り

西側でもヒメオオクワガタが少しずつ出始めました。





日時:2018年9月15日 14:00~

天候:雨時々曇り

気温:山の麓で26度前後 




この日はTさんと鳥取の新ポイントに向かいました。

兵庫では曇り空でしたが

鳥取は雨で、標高を上げるほどにその確率は高まりました。





ヒメオオクワガタは多少の雨でも発見できるため

探索は決行です。





舗装された林道を暫く走ると

やがて荒れた未舗装へと変ります。





四駆はゆっくりとススキをかき分けます。

この道は殆ど誰も通らないせいか

来るたびにひどくなっています。


↓ 思いのほか深い水たまり



「二駆では厳しいなぁ」などと話ながら

昨年見つけたポイントに到着しました。

ここでも茂みをかき分け

網を持って1本づつ慎重に探します。







いないと思っていたヤナギを叩くと

大量の滴と共にヒメオオのオスが落ちてきました。

雨とツルが邪魔をして見つけられなかったのでしょうか?







林の中にあるヤナギ類を順番に探すと

最後のバッコウヤナギには2ペアがおり

この群生の樹上で確認できたのは4オス2メスでした。

やはり個体数は増加していました。








↓ 画像中央 ヒメオオクワガタ







その後、以前にも探索した林道に向かいましたが

ホストとなり得るヤナギ類は非常に沢山あるにもかかわらづ

今回もアカアシすら見つかりませんでした。

「いるところにはいる、いなところにはいない」

これを実感した林道でした。


↓ 山地帯では紅葉が始っている(1005m)




↓ 夜はライトトラップ 標高約220m

↑ ダム湖で実施 気温23度くらい 曇り時々ミスト状の雨

↓ ここでもアゲハモドキ


↓ この時期になるとバッタ類が増える






↓ ヒメカマキリ 飛来はオスばかり


↓ チョウセンカマキリ オス




↓ 9月半ばでもクワガタは飛来する











おまけ




本記事日以外にも山地帯の探索を行っており

当日の覚え書きとして、画像を置きます。




↓ 2018年8月18日 手に取ることは稀(兵庫県)


↓ 2018年8月25日 鳥取県


↓ 2018年8月25日 兵庫県山地帯
















↓ リリース前の記念写真


↓ ネットの中で



ヒメオオクワガタ休眠覚醒

2018-02-25 21:59:20 | ヒメオオクワガタ

2018年2月25日

季節はまだ冬ですが

少しずつ春の気配を

感じられるようになりました。


今日は、ヒメオオクワガタ2亜種の

休眠覚醒を計りました。

1種は昨年鳥取県で採取したヒメオオクワガタで

もう1種はキュウシュウヒメオオクワガタです。


↓ 基亜種ヒメオオクワガタ


↓ キュウシュウヒメオオクワガタ



どちらの種も

昨シーズンに摂食~交尾を済ませた個体なので

通常ならこの春~初夏にかけて

産卵の期待が持てます。




↓ 底部で休眠していたヒメオオクワガタ


↓ 硬直状態


↓ 休眠中のキュウシュウヒメオオクワガタ

↑ 穴を掘って休眠



↓ 材は齧っていなかった




休眠ケースから取り出した個体は

全て硬直状態にあり活動はしていませんが

ヒメオオクワタの方がキュウシュウより

幾分ほぐれた感じがしました。


↓ 大きいほうがキュウシュウヒメオオクワガタ




セットの方法はごくシンプルで

容器底部にマットを硬く詰め

朽ち木をのせてマットで埋めただけです。


↓ そのままでも使えるマットに加水




産卵木・質等については諸説あるようですが

私の経験では市販のクヌギ・コナラ

またエノキでも産卵しましたので

今回も手元にある朽ち木を利用します。

使用した朽ち木は先日山で拾った

クヌギとシイの白枯れ材で

どちらも生息地にはない樹種ですが

適度な柔らかさと水分があり

試してみるのも面白いです。


↓ 念のため15分ほど加水


↓ クヌギ天然朽ち木をヒメオオに


↓ シイ天然朽ち木をキュウシュウヒメオオに








セットができたら昆虫ゼリーと生体を入れ

18~22度くらいの温室で管理します。

今回はそれぞれペアでケースに入れました。


↓ 左:ヒメオオ 右:キュウシュウヒメオオ



このまま休眠覚醒し

産卵を始めれば想定通り。

6月頃までに産まなければ想定外。

そうなると今年の産卵はあまり期待できません。



鳥取でヒメオオ特大メス

2017-10-09 14:19:12 | ヒメオオクワガタ

3連休の中日、都合も天候もよいため

先週に引き続き鳥取にヒメオオクワガタ探索に行ってきました。





日時:2017年10月8日・13:00~17:30

標高:750~950m

天候:晴れ、夕方一時曇り

気温:日中は半袖で寒くない 





先週の探索は比較的狭い範囲で終わったので

今回はTさん、Kさんの3人で

ポイント周辺の斜面や沢を降り

更には奥山にも入り込むなどして

前回より踏み込んだ探索をしました。





残念ながら探索の結果は

「新たなポイント見つからず」で

個体群サイズは小さいと判断しましたが

そう古くはないと思われる食み痕や

見落としていたホスト木は幾つか発見出来ました。





↓ 沢から登ってくるTさん

↓ 谷にあった巨大バッコウヤナギ

↓ 倒れたウリハダカエデにスジクワガタ5頭(15:11)




土中から巨大メス

先週発見したポイントでは

オス5頭、メス5頭、計10頭の確認ができました。

そのうちの土中より発見したメスは

今までに見たことのない大きさでした。


↓ 土中で発見、大きいのでオスだと思った(13:24)

↓ 掘り出し直後「わーメス!」

↓ ずっしり重い




先週リリースした各個体の画像や大きさと

昨日発見した個体とを比べてみると

異なる個体が何頭かいました。

特大メスも先週は見ていません。






また、リリースした大アゴ摩耗オスも

昨日は発見できませんでした。

場所柄、誰かに採集されたとは思えません。

周辺の何処かにいるものと思います。


↓ 木に向かって歩いていたメス(16:41)



このポイントは狭いにもかかわらず大型の個体がよく混ざります。

そして、食み痕の多さに対して

発見できる個体数が少ないように感じられ

特大メスのように

どこかに潜む個体が常にいるようです。






今回採集した個体のうち

特大メスと50mm程のオスを

Kさんのブリード用として持ち帰り

後は元の場所で全部リリースしました。

それは、毎年見たいという思いからです。



↓ リリース前の記念撮影


鳥取でヒメオオクワガタ発見

2017-10-01 14:00:21 | ヒメオオクワガタ

2017年9月30日 12:20~18:00

天候:晴れ  気温:日中半袖でも寒くない

標高:750~1000m




Tさんと鳥取の山地帯を探索してヒメオオクワガタを見つけました。

この場所は、以前にも近くまで行ったことあるのですが

途中の分岐で違う方行に進んだり、通過していた場所のため

実際の探索は初めてになります。

↓ どこに行っても斜面を下って探す



山中には比較的多くのヤナギ類やヤシャブシ等が自生しており

標高750mあたりからしっかり見て回りますが

食み痕のある木はなかなか見つかりません。

標高はじわじわ上がっていきます。

探す木が多いときは、その分期待もします。

気持ちの良い晴天は、ルッキングの邪魔もします。



探し始めて1時間ほど経過したとき茂みの奥で真新しい食み痕を発見しました。




幹を舐めるように見ていくと、そこには移動中のヒメオオクワガタの姿がありました。

発見したとき必ず出る言葉は「おったー!」

↓ 移動中のオス



ヒメオオクワガタやアカカシクワガタは振動に敏感なため

発見してもすぐに捕獲するのは禁物です。

見えていない個体や近くの木にも付いていることがあるため

二人は映える気持ちを抑えてヤナギを遠目にすると

周辺の木々にも沢山の食み痕とヒメオオクワガタが見えました。


↓ 目の前の隙間にも



これほどまとまってヒメオオクワガタを見るのは久しぶりです。

二人で合図を交わしながら順番に捕獲していきますが

不意の落下に加え、斜面が急なため取り逃がしもありました。





今回の鳥取探索でヒメオオクワガタが発見できた場所は

1か所だけでしたがオスは53mm台を筆頭に

50mmほどの真新しそうな個体が3頭混ざりました。


↓ 唯一スレの目立つ個体 



昨日の鳥取探索は思わぬ成果なりましたが

初めての場所であるため周辺に分布する個体群サイズはまだ不明です。




ここで採った群は3オス2メスをケースに入れ、後はリリースしました。

↓ リリースの前に記念写真


↓ 持ち帰り分、小さいほうは29mm程度


↓ 持ち帰り分、大きい方





帰りの兵庫県

鳥取探索後の余時間は、兵庫県の山地帯に向かいました。

走行距離はなかなかのものです。





兵庫県ではかなりの悪路で苦戦しましたがなんとか標高を上げることが出来

アカアシクワガタ・ヒメオオクワガタを見つけることができました。


↓ 昨年から再び見つかり始めた沢でハンの木に付くオス



昨日は、1本の木にヒメオオクワガタとアカアシクワガタが付いているところも見ました。

私の経験ではヒメオオクワガタとアカアシクワガタが同じ木に付いていることは珍しく

これで3回目と記憶します。


↑↓ 上アカアシ・下ヒメオオ 同じヤナギで発見



この日のアカアシは盛夏前後より大き目の個体が目立ち、傷跡も少な目でした。


↓ 大き目のアカアシクワガタ



兵庫県での成果はヒメオオクワガタ2♂・アカカシクワガタ10頭強で

2種とも活動は続いていました。


↓ リリースの前に記念撮影 アカアシは大きい





最後に

昨日の探索ではヒメオオクワガタのいる場所を新たに発見でき

しかも想定外の量と、大きさで興奮しました。

発見した場所周辺の個体群サイズはまだわかりませんが

現時点では小数限局的ではないかと感じています。


一部紅葉のはじまりかけた山地帯でしたが

この日は半袖で、気持ちのよい探索ができました。


ヒメオオクワガタの思い出

2015-12-29 20:54:29 | ヒメオオクワガタ

今日は、久しぶりにアナログ写真からヒメオオクワガタの思い出を書いてみました。

(画像はすべてアナログ写真を転写したものです)



はじめに

私が県北部域でヒメオオクワガタを探し始めたのは1990年の夏でした。



そして、最初の1頭を見つけたのは2年後の1992年です。



採集センスというか、何というか・・・

オオクワガタやコルリクワガタのときもそうでしたが

最初の1頭を見つけるのにずいぶんと時間がかかってしまいます。



片道2時間半の単独行きで一番の不安は天気です。

山の天候は行ってみないとわからない。困ったものです・・・



現地で天候が急変し、引き返したこともありました。

↓押し迫るガスに”おじけづく”


当時、山中では幸か不幸かクワガタ採集者と出会うことは殆どありませんでした。

出会うのは、キノコ・山菜採りの方や写真、蝶屋・虫屋さんなどといった

遠からず近過ぎずの人たちで、路上で立ち話をよくしたものです。

また、故人が逢わせたと思うような縁を感じる出会いもあり

その方には今もお世話になっています。

↓とある学校の生物班から教えてもらったコブヤハズ

↓アサギマダラ、多い年とそうでない年があります

↓モズの仕業


そのころの林道沿いには多くのヒメオオクワガタがヤナギやヤシャブシなどに付いていました。



また、アカアシクワガタもヤナギで沢山見ることが出来ました。





しかしながら、林道沿いで発見できる個体はしだいに減ってきました。

これらの現象は、林道開発のために切り倒された多くのブナが

ある期間発生源になっていたことと

周辺が今より乾燥していなかったことによるものと思いますが

当初から材採集をほとんどしていないため本当のことは判りません。

採集圧の真実についても同じです。



採集と操作

最初の2~3年間は採集した個体の多くを持ち帰り

飼育や標本にしていたのですが私の考えに少し変化が出てきました。



採ってもよい数というか・・・本当に必要なのか?

次第に持ち帰る個体は少なくなり、手ぶらで帰る日が多くなりました。



そして、特別大きいとか、特別小さい個体だけに狙いを定め

そうでないものは落下させて、人目に付かないよう操作して帰るようにもなりました。

あしからず。


↓きれいな夕焼けをみながら下山


大きさの壁

ヒメオオクワガタの大きさは最大級になると58mmを超えるようですが

〇○山では最初の壁が52mm、次の壁が54mm。



最初の壁52mm台は、10頭に1頭くらいの割合で採れていましたが

その次の壁、54mm台はなかなか見つからず、これまでに3頭しか採れていません。



この山で55mmを超える個体は未だにお目にかかったことがありません。
(近隣未記録山では知人が56mm台採集)

また、近年では発見できる数そのものが僅かなせいか

大きさの壁は50mmになっています。


ヒメオオクワガタが辿り着く木

ヒメオオクワガタは樹木の枝などを自分で齧り、樹液を自給できる種です。



他の昆虫の穿孔によって出る樹液に頼るクワガタムシが多い中

ヒメオオクワガタはヤナギやハンノキなどのホスト木があれば

食べ物にありつけるためその出現・行動には謎めいたものがあります。

↓ヤシャブシの葉の裏に付くオス

↓ヤナギに派手な食み痕(2008年10月)

↑この木には複数の個体が付いており

ここまでわかりやすい木は最近では見かけなくなりました。

↓極小個体、大アゴはよく摩耗しています


ホストとなる樹種については木の匂いで選択しているものと思われますが

例えば ヤナギが群生していても全くいなかったり

数年間全く付いていなかったヤナギ等にある年から突然付き始めたり

また、その逆もあります。


これらの現象は、発生木の有無によることが多いと考えています。


また、同所のヤナギで競合するアカアシクワガタとの関係ですが

この山でヒメオオクワガタと同じ木に付いていることはめったになく(過去に2度確認)

狭い範囲で両種は棲み分けみたいなことをしているようです。



樹種も含め、互いの活動個体が出す匂いや地面や木に付いた排泄物等の匂いに反応して

必要な距離を保っているのではないかと私は想像しています。




ヤナギを植えて飼育する

不明な部分の多いヒメオオクワガタの活動の一部始終を観察してやろうと思い

水槽にヤナギを植えて観察したことがあります。

↓現地のヤナギを植え込み、ブナ朽ち木も投入


最初は2ペアを入れて観察していたのですが、大きさが違うオスでもしつこく喧嘩をするため

1オス2メスに変更し、観察を再開しました。

この種の特徴でしょうか?

メスの喧嘩もしつこく、納まりが付かなくなるので最終的には1ペアで観察をしました。

↓喧嘩が終わらない!


この時は一週間餌を与えずヤナギを齧ってくれるのを待ちましたが

結局、最後まで齧ることはありませんでした。


↓仕方なくゼリーを与える


生息地の環境に近づけることで産卵に関するヒントが見つかるのではないかと思ったのですが

結果は、それまでに見てきた行動と変わりありませんでした。

産卵

持ち帰ったヒメオオクワガタに朽ち木を与え産卵を待ちます。

材を齧っているときは何度かあったのですが齧られた材片は大きく

他種でも見られるような居場所作りみたいなものばかりで

当初は全く産卵してくれませんでした。



当時は、気温が下がれば産むとか、気圧が違うとか

ブナでないと産まないとか、いろいろ推察をしたものです。

現地に産卵セットごと隠し置いたこともありました。
(雨水が入り×)




また、1996年発行の「クワガタムシ飼育のスーパーテクニック」小島啓史著には

ヒメオオクワガタの項があり、それなりにページ数は確保されていましたが

肝心の ”テクニック” が見当たらず参考にはなりませんでした。

恐らく著者ご自身も何だかよくわからないまま産卵に成功されたため

あのような内容になってしまったものと思います。



ある日、1頭のメスをサクエチで〆たときふとこんなことを思いました。

「このメス、卵持っているだろうか?」

そこで、他種ではたまに行なっていた腹部切開をしてみたところ

卵の確認はできませんでした

 *内臓露出のため閲覧注意
↓=============



「もしかすると他のメスも蔵卵していない可能性がある・・・」

いくらセットを組んでも蔵卵していなければ卵など産むはずがないこと

朽ち木を与えても無駄なことをその時思い知ったのです。

↓山ブドウの葉に付くメス


解剖により得られた考察は

「野外活動中のメスはすでに産卵を終えているか、或いは未成熟の可能性がある」

とういこと。

そして、私がヒメオオクワガタの産卵をはじめて確認したのは

2002年の6月、休眠明けの個体からでした。

この時、ヒメオオクワガタと出逢って既に10年が経っていました。

↓エノキでも産卵可能



↓終齢幼虫

↓小さなオス




最近ではヒメオオクワガタは

「野外活動をした翌年の盛夏以前に産卵が期待できる」

という考えが一般的になっています。



最後に

今年は久しぶりに野外メスを1頭物置で越冬させています。

12月中旬、13度くらいの気温でも動いた形跡があります。

春の雪解けは単に温度上昇を加速させるだけでなく

朽ち木の水分量にも変化が起り新しい環境を作り出します。





そのあたりのことについて、次のタイミングで考えを書いてみたいと思います。


↓↑ブナ倒木から出てきた幼虫と成虫


今回も見づらい写真を沢山載せましたが最後まで見て頂いた方

ありがとうございました。


ヒメオオクワガタ・2

2015-09-05 19:59:13 | ヒメオオクワガタ

ヒメオオクワガタを探しに県北部まで行ってきました。

今日は久しぶりの単独行です。

昔はいつも一人でした。

当時は周りに趣を同じとする人はおらず

時々四国や関東の方と長電話をしたり

能勢や山地帯で出会ったクワガタ屋とか

蝶屋とかカミキリ屋などといった

虫屋さんと数少ない出会いを楽しんでいました。

「あのころは今より情熱があったな~」

などと思いにふけながら

車を走らせました。




現地到着は12時半頃

標高は900m以上、気温22度くらい

天候は晴れてもおらず曇ってもおらず

風もほとんどなし、なかなか良い感じです。

私のヒメオオクワガタ採集法は

林道から谷川に斜面を下ることが少なくなく、

一般的なルッキングとは少し違うのかもしれません。

時には斜面を這うように進むこともあります。

↓ 下る途中、林床にミヤマクワガタ


65mm位の個体でした。今年の分でしょう。



↓ ここにはヒメオオクワガタのオスが!



斜面のため時折り目線が林床に近くなり

こういった死骸が目につきやすのかもしれません。

そして、ポイント到着。

ここには3年前までカワヤナギとバッコウヤナギが

数本ずつありましたが

雪崩や乾燥化(?)のせいか 

今ではバッコウヤナギが3本だけになりました。

周りの木々にも触れないよう遠巻きで枝の隅々まで探しますが

あるのは新しい食み痕だけで

ヒメオオクワガタはおろか

アカアシすら付いていません!

一番期待していたポイントだけにがっかりです。

↓ 仕方なく隣の木をゆすってみます。



”ボトッ”と何かが二つ落ちたのですが

どこに落ちたのかよくわかりません。

慎重に林床を見渡すと何やらごそごそ・・・

いましたヒメオオクワガタ! オスです。






もう一つは恐らくメスではないかと

辺りを懸命に探しましたが見つからず。

結局 今日発見できたのはこのオス1頭のみ

体長は46mm程度でした↓






私の知る限り 

この山でのヒメオオクワガタ記録(出版物)はありません。

他の採集者(ヒメオオクワガタ)と出会うこともありません。

したがって無用な圧がかからぬよう特に意識しています。




ヒメオオクワガタ・1

2014-09-15 15:31:15 | ヒメオオクワガタ

9月に入り空もそれらしくなってきました。

稲刈りがあちらこちらで始っています。



昨日 大阪の知人と兵庫県北部の山地帯に行ってきました。




高山性のクワガタムシとカミキリムシ探しです。

この山には ノコギリクワガタ・ミヤマクワガタ

コクワガタ・スジクワガタ・アカアシクワガタ

ヒメオオクワガタ・オニクワガタ・マダラクワガタ

ルリクワガタ・ニシコルリクワガタなどが分布しています。

この他にも未確認種である

ツヤハダクワガタという種類がいてもおかしくありません。




天候は、ところどころ雨がぱらついたようですが おおむね晴れ。

ここで必ず1枚撮ります


 

初秋のきもちよい天気です。



 

ヒメオオクワ・アカアシ

高山性クワガタムシ採集の方法は

林道を車でのぼりながら、歩きながら 

バッコウヤナギやカワヤナギ、オオバヤシャブシなどを見て回ります。




ヒメオオクワガタはそういった樹木の比較的細い枝などを齧り

出てくる樹液を餌としている自足するタイプのクワガタムシです。




また、アカアシクワガタも似たような行動をとります。

これらの種は振動に敏感で

少し近づいただけで木から落下する個体もいるので

採取には ちょっとした工夫とコツがあります。





この山では 標高約850mあたりから1000m位のところで

ヒメオオクワガタの姿を見ることができます。

活動期間は、7月頃から10月上旬位までですが

もっとも多く観察できるのはちょうど今頃です。

昨日は5♂1♀を確認

その他にも取り逃がしがいくつかありました。




アカアシクワガタ こちらもいました。

この時期、♂が多く、♀は少ないです。

恐らく産卵のために場所を移動したものと思います。


↓ ヤナギ下で息絶えた♂


アカアシ 昨日は8♂1♀ 取り逃がしもいくつかありました。





マダラクワガタ

世界一小さなクワガタムシで、原始的な種類です。

大きさは5mm前後、小さすぎて見落としがちになります。
 
マダラクワガタは、成虫 幼虫ともに

ブナなどの赤く朽ちた倒木で見られます。




今日は新しい木を発見したので探してみました。

それと思われる幼虫1頭発見! 

後で写真撮り忘れに気づくが時遅し

見つけた幼虫は、細長い形態なのでまず間違いないと思いますが

念のため 大阪の知人が飼育検証することになりました。

これが本当にマダラクワガタであれば

これから数年間はその朽ち内で繁殖を繰り返します。

採取はこの1頭のみで終了。

後は山でひっそりと暮してください。


コルリクワガタ

初春に見られる綺麗な種です。

緑や青系で金属光沢があります。


↓ これは春に写したコルリ



この時期はクマザサなどのある林床の細くてよく朽ちた枝木内等で

幼虫や蛹を見ることが出来ます。

少しだけ探してみたのですが昨日は発見できませんでした。


カミキリムシ



コブヤハズという種類を狙ったのですが

こちらも発見できず。

狙わないときは偶然見つけることがあるのですが・・・

なかなか上手くいきません。



この山に行き始めて23年以上になります。

当時はヒメオオクワガタ鈴なり、アカカシクワガタ鈴なり・・・

そんな日がありました。

採って確認したら必用以外は逃がします。

しかしながら 近年は林道沿いの発生木もその姿を変え

また アスファルト舗装による周辺の乾燥化が進んだせいか

以前のような光景を見ることはほとんどなくなりました。

一部には採集圧を唱える方もいますが その限りではないと思います。


ここでのヒメオオクワガタルッキングでは

林道から急斜面を下らなければ 

今日のような数を目にすることは難しいです。

道を歩くだけではだめなんです。

他の採集者と時々出会うこともありますが

「発見できなかった」と聞くことが多いです。


仮に発見し、持ち帰って飼育しても採卵はた易くない?

それは~休眠明けに産むんです・・・


↓ 最後にお気に入りの場所:ブナの窓