検察側の罪人(上) (文春文庫) | |
雫井脩介 | |
文藝春秋 |
雫井脩介先生の「検察側の罪人」を読みました。
面白かったです。色々考えさせられました。
本作品は、「時効を迎えてしまった凶悪犯を裁くことができるか」というテーマに挑んだ意欲作です。
残虐な殺人を犯し、最有力容疑者とされながら時効までまんまと逃げ伸びた犯人。
逃げ得は絶対に許さない・・・!どんな手を使っても法で裁き罪を償わせてやる・・・!
執念に燃える検察官が選択した、自らをも破滅にいざなう究極の手段とは・・・というお話。
ジェットコースターのようにドキドキハラハラの展開が続き、ページをめくる手が止まりません。
罪を償わせる正義、法を順守する正義、二つの正義が相反した時、人はどうするべきか。
それを突き詰めた結果色々な歯車が狂っていき、幾つもの人生を巻き込む目を覆うような終末を迎えます。
正しいことが正しいとは限らないんだなあなんてモヤモヤさせてくれる問題作です。
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