DVDですが、というかDVDだからこそ
腰を据えてじっくりと見ることができました
私にもし前世というものがあるとすれば
弾圧されていたキリシタンであっただろうと自分では思っているのですが
(キリシタンにまつわる場所があれば草をかき分けてでも行ってしまうのです・苦笑)
この映画の最初のシーン、旅行中、真夏にも関わらず私が寒気を感じた
長崎の雲仙地獄での拷問・処刑シーンから始まります
私は高校生の頃に、遠藤周作の『沈黙』を読んでいるのですが
(高校生のお小遣いではちょっとお高いケース入りのハードカバーだったような)
その頃の私には、ハードルが高い内容だったのか
2回ほど読み返しても理解不能だったのです
今回、この映画を見るにあたり
大まかでもあらすじを覚えていたことに自分でも驚きましたが
高校生の頃には、モヤッとするばかりで読後感が良くなかったのに
39年後の今は、映像の中には、するすると入って行けたのです
監督のスコセッシの原作への思い入れが各所に表れているような気がします
生きている間に見ることができて良かった映画だと思いました
正答がないものをつきつけられたまま放置されます
良い意味で
小説の『沈黙』は私の高校の国語の教科書にも一部載っていました
どの部分であったのか、さっぱり思い出せないのですが
私が覚えているのは、国語の担任の先生が遠藤周作の講演会へ行った際に
「遠藤先生の『沈黙』を授業で生徒に教えているところなんです」
と遠藤周作先生ご本人にお話ししたら
「教えられるなんてすごいですね。私でさえ理解できていないのに」
というお返事をいただいたというエピソードです
「さすが、狐狸庵先生だなぁ(笑)」と笑った記憶がありますが
『沈黙』は教える題材の小説ではない、と今は思ったりしています