樹の時間

樹木のように ゆっくりと しっかりと 日々を過ごしていきたい

霜対策

2005年11月30日 | 菜園
最近、あまり菜園にかまっていられないけれど、大根の霜対策だけはしている。

初対面の時パンジーの話をしたおばさん。
その後も何度か顔を合わせ、今ではすっかり温泉友達になった。
少し前に会った時、大根話に花が咲き、収穫時期について「どんなに小さくても、もうこの時期は抜いてしまった方がいい。土の中だし、葉っぱがかぶさるから大丈夫だと言う人もいるけど、抜いた方がいい。」と教えてくれた。あまり霜にあたると凍みてしまうということだ。

種をくださった人の話では、大根の下の方の葉が黄色く枯れてきたら熟れた証拠で、収穫時だということだった。それでのんびり構えていたけれど、おばさんの話を聞いてちょっと焦った。種をくださった人は私の実家の町で暮らしている。よく考えると、今私が住んでいるところとは気温が違う。ここは地元の人の忠告に従ったほうがよさそうだ。

でもどうしよう。収穫後の葉の整理などを考えるとやはり休みの日にやりたい。でも当分週末はオケで時間がない。と、考えていると、おばさんが引き続き教えてくれた。「もし植えておくなら何かかぶせておくといい。」あ、そうか。直接霜に当てなければいいのか。そこで「新聞紙でいいですか?」と聞くと「…え?ムシロが一番いいよ。なければビニールシートでも。」そう聞くとムシロがとても上等なものに思える。自然素材だし、耐寒効果は強いかも。でも家にムシロなどはない。シートもない。話を聞いたからには、今日から実行したいし。そこで、もう使っていない布団カバーの登場となった。ムシロにはかなわない布だけど、ないよりいいか。
そんな訳でここ数日間、帰宅すると布をかぶせ、出勤前に布をとる作業が続いている。
早く収穫したいな。楽しみだ。

最初

2005年11月29日 | ひと・言葉
スノーボードをする人が少しずつ現れはじめた頃、職場の先輩から楽しいから行こうと誘われた。何事も一度はやってみなきゃ。そう思って次の週末に近くのスキー場に行った。
スキーとは違うバランス。何度も転倒する。上手な人の指導どおりにやっているつもりが転ぶ。転倒する姿を見られるのがはずかしくて「あれ?今、バランスがつかめたと思ったのに。おかしいな。」と、照れ隠しに言葉が出る。そんなことが何度が続いた時、先輩が「初めてなんだから、最初からうまくできるなんて思ってないよ。」と言った。何だかホッとした気がした。
そうだよ。初めてなんだもん。

仕事にしても何にしても、早くできるようになりたい、よりうまくできるようになりたい、と思う。でも、それは私の中では「早くできるようにならなければいけない」という焦りにもつながる思いに変わる。けれど焦る時ほどいい結果は出ない。

その後、何か初めてやるときは先輩の言葉をふと思い出すことがある。
自分を追い詰める必要はない。そう考えられるようになって、昔より力を抜くことができるようになった。(そうは言っても、オケで弾けないところを突きつけられるとやはり焦りを感じるけれど。でも時には必要だろう。)
何気ない先輩の言葉が、ずっと支えになっている。

一生懸命覚えようとしても覚えられないことがあるのに、何気ない言葉や、通りすがりの人の言葉が心に残ることがある。自分にとって大切な言葉は、無意識のうちに心にきざまれるのだろう。

猫になりたい

2005年11月28日 | 日々
係で使っている車の給油に行き、ついでにオイル交換もお願いした。
15分ほどかかるので事務所でお待ちくださいと言われ、事務所に入った。
今までそこでは給油しかしたことがなかったので、事務所に入るのは初めてだった。

事務所に入ると、猫がストーブにあたっていた。
いいなー。私もストーブにあたって一日中ぼーっとしていたい。
その猫はのらだったのがいつしか給油所に住みついたらしい。
スタッフに見守られのんびり暮らす猫。
さては住み心地がいい事を見極めて住みついたな。

オケ~第九<本番>

2005年11月27日 | チェロ
いよいよ当日だ。
午前中のリハーサルでひととおり弾く。
昨日までの練習では何だかんだあって誰かしら抜けた状態だったけれど、全員そろったせいか本番当日の気合のせいか、迫力が増した。
気持ちがいい。

開演は2時。第一部の合唱が始まる。
控え室でステージの映像を見ながら本番を待つ。
休憩を挟んでいよいよ2部。第九だ。
今回のホールではステージの脇からではなく後ろから入るかたちになる。
低音パートはチェロから入場。
入ってみると、意外にも緊張することなく客席を見渡すことができた。
定演の時よりも小さな会場だったからだろうか。
演奏が始まっても落ち着いていられた。直前の開き直り効果。
ふと横を見ると、チェロのまん前に座っている人は目を閉じて聴いている。
いいぞ。見られていない。そんな安心もあって、演奏に集中できたように思う。
第四楽章のチェロバスのところも失敗なく弾くことができた。
目立つところを弾ける気持ちよさ。
今年は何とか弾けるという程度だけれど、今度は美しい音で弾けるよう目指したい。
全体を通しては弾けないところもかなりありるものの、練習期間を差し引いてみれば、こんなものだろう。というところ。
本番が終わった後、チェロのIさんが「どう?出てよかったでしょ?」と声をかけてくださった。本当にそう思う。
演奏や合唱の迫力、観客の拍手、気持ちがよかった。
今年は「体験」的な参加ではあったけれど、参加できたことが嬉しい。
そして「来年はもっと弾けるように。今年弾けたところはもっと美しく」という次への頑張りにつなげられる経験になって本当によかった。
ブログ上で応援してくださったみなさん、どうもありがとう。

と、終わったようなことを書いているけれど、来週も第九の本番だ。
引き続き頑張らねば。

演奏会が成功した嬉しさともうひとつ、嬉しいことがあった。
午前中のリハーサルで、エキストラの紹介が終わった後、団長が「ホルンパートからKさんにささやかな贈り物があるそうです。」と言った。Kさんは、音楽がらみでは今回の第九で初めて会うが、私は別の分野で昔お世話になった方。毎年、第九にはヴァイオリンのエキストラに来てくださっているようだ。そんなKさんに贈り物。何だろう?と思ったら、ワーグナーの結婚行進曲の演奏を始めた。近々ご結婚されるらしい。ホルンで奏でる結婚行進曲はとても美しかった。Kさん、おめでとう。

オケ~第九<5回目>

2005年11月26日 | チェロ
本番を明日に控えた今日の練習は小学校の体育館。
寒かろうと思って完全防備をして行ったけれど、天気がよく、練習の直前までジェットヒーターをたいていたので、思ったほど寒くはなかった。

今日はソリストも入っての練習。
やはりソリストが入るといい。
断然第九らしくなる。
私はバスバリトンの声が好き。
バリトンが好きになったきっかけは、何年か前のサイトウキネン。
初めて観たオペラ、ファウストの劫罰で悪魔役がバリトンだった。
あの声で私のために歌ってくれるのなら地獄へだってついていきたい!と思った。

4楽章で最初に入るのはバリトン。思わず聴き入ってしまった。ただでさえへたっぴなのだから、もっと弾くことに集中しなさいと怒られそう。でも、明日は多分定演の時より緊張するだろうから、聴き入る余裕はないだろう。

肝心のチェロの方はというと劇的に弾けるようになるわけもなく、速いところは次のポイントまでどこを弾いているかわからない空白の15小節などが、ところどころに存在する。悲しいけれど。でも同時に「今年は体験」という気持ちが強くなってきている。直前の開き直りというものだろう。1ヶ月でところどころでも弾けるようになっただけでも、私としてはたいしたものだ。ということにして、明日はリラックスして臨めるようにしたい。

視覚

2005年11月24日 | チェロ
少人数練習も本番前最後となる。
今日は、順番どおりに全楽章を弾いた。
前回の第九の演奏会で録音したCDに合わせて。
CDに合わせるというのは意外に難しかった。
入るタイミングがちょっと遅れたりする。
指揮者の存在は大きいと感じる。
そして弓順が怪しい私としては、周囲で弾いている人の弓の動きが重要となる。
弾くフリをするにも支障をきたしてしまう。
焦点が定まっていなくても目から入る情報は重要だ。

このレッスンではチェロが一人なため、チェロバスになるところも人に頼れない。
無理やり弾くが、高い音は音程が怪しくなってしまう。
でも、笑ってごまかす余裕が出てきたように思う。
いいぞ。いや、よくないけど。
でも固まってた頃に比べると楽しめている証拠だろう。

レッスン

2005年11月23日 | チェロ
夜はレッスン。
第九の演奏会前の最後のレッスンだ。
前回のレッスンが短かったせいか「次回は長くとりますね」とおっしゃってくれたのに、いつもと変わらなかった。遅い時間だったので、もう少しとわがままを言うのも気が引けてしまった。

音程はいいけれど、速さについていけない。高い音になるとなおさらだ。
♯は♭が臨時でたくさんついてくると音程も怪しくなる。
音程や速さに気を取られると、弓順が怪しくなる。
これらは第九に限ったことではないので、日ごろの練習によって乗り越えるしかない。
気長に頑張ろう。

オケ~第九<4回目>

2005年11月23日 | チェロ
今日は合唱抜きのオケのみで練習。
ちょっと出遅れてしまい、練習には間に合ったけれど会場の準備はやっていただいてしまっていた。チェロパートはイスが6つ用意され、先に来ていた3人はもう腰をかけていたので空いていた団長の席(トップ)の後ろに座った。すると、練習の直前前のイスがどかされてしまった。今日も団長はお休みということで、いつも団長のお隣で弾いている人もお休みということだった。1000人チェロの公式練習でも一度やられてしまったことがある。前のイスをどけられてしまったのだから、私の位置はトップの席。ええっ!それは無理!いくら練習でもそれはだめ!!一人で蜂の巣をつついたような状態になり、先生クラスの人と席を代わってもらった。どんな状況でも悠然としていられればいいのだけれど、まだまだその道のりは遠い。

練習は、3→1→2→4楽章の順だった。
2楽章後の休憩が終わり、全員が席についたところで、指揮者がおもむろにチェロの方に姿勢を向けた。譜面立てまでなおして。4楽章を全体でやる前に、チェロバスになるところをやっておきたかったようだ。緊張の瞬間。たとえチェロバスのところでも、他の人も演奏体制になっていればこれほど緊張しないのに、他のパートは楽器を下ろしている。見られるという緊張感。うわぁ。必ずしも見られているとは限らないけれど「うまく弾けない」という負い目がこんなときの緊張に変わる。しかも、今日はヴァイオリンにエキストラで来てくださっている人の中に私の知人がいたのだ。他の分野でお世話になった方で、音楽がらみでは初めて顔を合わせた。私の正面に顔が見える。見るなよ~。と思いながら怪しい演奏をした。

4回全体の練習をしてきて、最初よりは入れるところが多くなってきた。
そして、弾いたフリも前よりは板についてきた気がする。
フリも極めれば特殊技術のひとつだろう。
極める前に本当に弾けるようになりたいけれど。

あるもので

2005年11月22日 | 日々
気がつくと冷凍庫の中がすごいことになっていた。
賞味期限間近になると、ぽいぽい冷凍庫に入れてしまう。
それが蓄積されてきていた。
少し前に直売所で買ったブロッコリーや、大量に採れた大根葉もあの時食べ切れなかったので茹でて凍らせてある。
ただでさえ小さな冷蔵庫なのに、そんな状態なので満杯状態となり、効率的な使用とは程遠い。
少しは片付けないとと思い、今日は冷凍庫にあるもので料理をすることにした。

今日はブリのソテーバルサミコ風味。
ブロッコリーときのこを添えて。

冷凍ものはブリとブロッコリーを使ったが、これしき使っても冷凍庫は空かない。
しばらくは続くのだろう。冷凍庫お片づけメニュー。

職人さん

2005年11月21日 | ひと・言葉
ローカル紙を見ていた隣のK課長。
「お。地元の人が載ってるぞ。この人知ってるか?」と聞いてきた。
ローカル紙なので割と近いエリアのことが記事になっているけれど、見ると同じ町の人のことが載っていた。私は職場で窓口業務も兼ねていて、その人も何度か訪れたことがあったので言葉を交わしたことがある人だった。その人が職としている分野の職人さんの全国大会で2位になったという記事だった。1位との差はたったの1点。おしい。にわか住人の私だけれど、地元にそんなすごい人がいるなんて何だか嬉しい。同じ町に住んでいるというだけで親近感がわいてしまう。仲良しという訳ではないのに、新聞に載っているのを見て嬉しくなるのは不思議だ。

窓口で会話をする程度で相手の全てを知ることはできないけれど、その話し方、態度、表情などでその人の人柄をうかがうことはできる。優しい感じの人、明るい人、横柄な人、シャイな人。いろいろである。

その職人さんは、優しいけれど芯のとおった声ではきはきと話す人で、言葉使いや対応から誠実で温かい人柄だと感た。
私がK課長に「すごいですね。人柄もいい感じの人でしたよ。」と言うと「そりゃそうだろう。職人は、人がよくなきゃいい仕事なんてできないよ。」と当然のように言った。うん。そうだよね。すごく納得。

大会で競われた技術の中には、今では使われることの少なくなった伝統的な技術もあったという。また新しい職人さんをとおして伝統的な技術が受け継がれていく。それも嬉しい。