本洲中部以西から名琉球、朝鮮、台湾、中国の温帯から亜熱帯地方に多く分布し、山地や川岸に生える落葉高木で、どちらかというと日本の北部に多く、春に花が咲くハルニレに対して、アキニレは名のとおり初秋9月ごろに、黄色い小さい花を枝先に集まってつけます。花被は鐘形で基部近くまで4裂し、4個の雄蕊の花糸は花被からのびでます。
11月ごろ熟す果実は扁平広楕円形の翼果で、翼の中心に長さ約5㎜の種子があります。
飢饉の時にはこの種子を食べたという話があり、ぷちっとした食感がありちょっといけますが、食べではなく、腹の足しにするには並大抵ではなさそうです。
9月に花をつけて、冬落葉する前に種子を実らせる忙しいアキニレです。
褐色の樹皮は、老木になると鱗片状に剥がれ独特の模様になり、 材がケヤキのように堅いことからイシゲヤキ、また川原に多く生えるところからカワラゲヤキなどの別名があります。