植物園に奇妙な名前の木がありました。名札にミソナオシとありました。
枯れ残ったマメの鞘には毛が多いのか、くっつけてみるといくつも連なってぶら下がります。
変わった名前が気になって調べてみると、ミソナオシは“味噌直し”で、古くなったみその風味を回復させたり、みその鮮度を保ったりすることができるとの民間の伝承が名前の由来となっているとありました。
驚いたことに、ある大学の教授がミソナオシに白かび発生を抑える効果のある成分が含まれていることを実証し、名前通りの効果が成分の面から裏付けられたと生薬の学会で発表したそうです。
ミソナオシはマメ科ヌスビトハギ属の低木で、関東以西の山林などに生育しますが、レッドデータブックの絶滅危惧種に分類している県もあります。
昔は葉や茎をみそおけの中に入れて味が落ちるのを防いだり、みそにわいたウジ虫を殺したりする際に使われたといい、含まれているフラノボイドに酵母の発生を抑止する効果があることが実証されたというのですから、昔の人の知恵には驚くばかりです。