丸い紅葉
茶花や生け花としても使われ、千利休が愛したといわれ利休七選花という花木の一群があります(*)。
そのなかに、あまりポピュラーではありませんが、秋の鮮やかな紅葉とユニークな紅色の花がほとんど同時に見られるマルバノキ:丸葉の木(マンサク科マルバノキ属)があります。
葉が丸いのでこの名があるマルバノキは産地の谷間などに生える日本固有種の落葉低木で,紅葉が美しいので庭木として植えられることもあります。分布地は三重、岡山、広島、高知など比較的限られており、各地で絶滅危惧種に登録されています。
高さは2~4m、葉は互生し、長さ5~10㎝の円形または卵円形で、基部はハート形、葉の裏は白っぽくなります。
花期は10~11月、葉が落ちるころに暗紅色の星形の花を2個ずつ背中合わせにつけます。花色からベニマンサク:紅万作の別名もあります。
この小さく可憐な花、背中合わせも面白いですが、ドクダミそっくりの匂いがするのも独特です。
背中合わせつく花
丸い紅葉、紅色の花いずれも茶花として趣があり、七選花に選ばれたのも大いに納得できますが、利休が好んだのは葉なのか、花なのか、あるいはその両方なのか知りたいところではあります。
(*)利休七選花
ハクウンボク(白雲木・エゴノキ科)
ヤマボウシ(山法師・ミズキ科)
ムシカリ(レンプクソウ科)
ナツツバキ(夏椿・ツバキ科)
マルバノキ(紅満作・マンサク科)
シロワビスケ(白侘助・ツバキ科)
オオヤマレンゲ(大山蓮華・モクレン科)
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