高尾山の頂上付近に縦割りの樹皮を持ったまっすぐな大木がありました。珍しく名札がついてセンノキ(ハリギリ)とありました
一般にはカッコ内の名のハリギリ:針桐(ウコギ科ハリギリ属)でとおっていますが、ここでは逆になっています。調べてみると、この材を木工などに使うときはセンノキと呼ばれているそうですが、その語源は定かではないといいます。
高さ25mにもなる落葉高木で、若木の樹皮は灰白色、枝や幹に鋭いトゲがあります。ハリギリのトゲは表皮が変化したものといわれます。(’10年1月30日記事)トゲは古くなると目立たなくなります。
互生する葉は枝先に集まり、長さ幅とも10~30㎝と大きく、浅くまたは中ほどまで掌状に5~9裂します。小枝には鋭いとげが多く名前の由来となっています。幹の肌は黒っぽい褐色で、粗く縦に裂ける割れ目があり、コルク質の感じで厚くなります。キリの名があるだけに材は柾が通って美しく、かつては下駄材に、またアイヌの人はこれで丸木舟をつくったり、大きな木鉢や臼をつくったりするそうです。