教育相談室 かけはし 小中連携版

ある小学校に設置された教育相談室。発行する新聞「かけはし」が、やがて小・中3校を結ぶ校区新聞に発展しました。

テレビドラマ『風のガーデン』を思う

2008年12月09日 | 本と映画の紹介
 既に亡くなった人に毎週会える。『風のガーデン』は俳優緒形拳の死後に放映が始まりました。欲望でギラギラするような中年男を演じていた彼の作品(テレビ『必殺仕掛人』映画『復讐するはわれにあり』など)を見ていた私にとっては、一人で孫を育てる老医師役の緒形拳は別人のようです。しかも収録後に癌で命を失った事実を知っているだけに、ブラウン管に映る彼の痩(や)せた姿に、心乱されるものがあります。

 息子(中井貴一)との和解のため、彼の生活拠点となっているキャンピングカーを訪れた緒形拳が、息子が癌に侵され余命わずかしかないことを偶然に知り、声もたてず涙を流すシーンを見て、私も涙を流さずにはおられませんでした。末期癌で数ヶ月しかもたないというのは、実生活での緒形拳自身のことだったのです。自分の死期が迫っていることを承知の彼は、どんな想いでこのシーンを演じ、この作品で何を伝えようとしたのか、考えずにはおられません。

 「人生は、後になって分かる」と言います。緒形拳の最後を知るがゆえに、彼の遺作となったこのドラマから目を離せなくなりました。木曜日が放送日です。


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