気になること

視点を変えて、近頃気になること

地方自治の危機(追記60)空虚な議員報告

2020-04-06 11:25:14 | 地方自治
 たまたま、市議会の議会報告と、国会議員の議会報告が新聞の折込みに入っていた。両者とも、光沢のある上質紙にカラー印刷されていて、思わず手に取りたくなるような印象を与える。しかし肝心の中身は、歯が浮くような言葉が並んでいる。具体的記述を避けて、上位の抽象的概念のみを述べているからである。

市議会の例では、「安心・安全な道路整備について」という議会の質問に対し、市の回答は「高齢者が車に乗らなくなって歩行者の増加が見込まれ歩道の需要が増えることが予想されるので、情勢の変化に注視しながら施策を考えてまいりたい。」

 国会議員の例では、「責任ある政治で国民の信頼回復を。パワーアクション」という大見出しに続いて、「“襟を正して国民の信頼回復を図る。” 政治は真摯に説明責任を果たし、謙虚に丁寧に議論することで、国民の信頼回復を図らねばなりません。一方で、感染症対応、災害復旧、経済対策、北朝鮮ミサイル問題、地方創生等の重要な政策課題に責任をもって取り組み、結果を出すことが重要です。」と誰かがよく言われているような内容の報告書。

 この代議士さんの行動日程は、地元新聞に掲載される。国会のないときは、分刻みの訪問や会議が並び、夫々に難しい問題があると想像されるのに、こんなに多くのことを駆け足のようによくこなせるものだと訝しく思っていた。上記国会報告書には、会議や行事の写真だけがたくさん掲載されている。各写真には行事名があるだけなのに、華々しく活躍しているという印象を与える。
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地方自治の危機(追記59)原発汚染水の処分

2020-04-06 11:25:14 | 地方自治
 福島原発事故の後処理の一つ、トリチウム水の海洋放出の是非を巡って、大きな議論になっている。現実的な案として、トリチウム濃度を告示濃度以下に薄めて海洋に放出するという。

 従来の水質汚濁防止法では、ある条件下にては、ある汚染物質について、単に薄めて濃度を基準値以下にして排出するのは意味が無いとして「総量規制」が設けられている。
 トリチウム水は水質汚濁防止法の想定外であったと思うが、総量規制しないで大丈夫とは誰も保証できないのではないだろうか。「他国の例があるから」というのはご都合主義であろう。人間の都合によって、将来の子どもへの影響は考えずに、楽な方へ楽な方へと大人は行ってしまう。
 日本人の寛容精神である「しょうがない」の許しに期待した政策が多くないか。
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