【クラッシュ】やるせないのに面白い。

最近見直している川崎チネチッタで【クラッシュ】を。
チネは完全座席指定のはずですが、2回続けて私の席に知らない人が座ってました。
まぁ、席は他にも空いてたので、小さいことは気にしませんが。
どんなにイタリアーナな世界を演出しても、ここはやっぱり労働者の街なのだなぁとしみじみ。
2回とも座ってたのは若者だったけど、まぁ、１人はスーツ着てたけど・・・。
それでいーのよ！川崎シミネーゼ♪
がんばれ！ボルピチェリ社長♪♪

豪華大スターはいませんが、キラリと個性発揮の出演者たちが揃うこの作品。
キャスティングのセンスが抜群にイイです。
旬から少しそれた俳優たちと、新旧名バイプレイヤーたちのバランスが最高。
今年のアカデミーでは、今作品で助演男優賞にノミネートされているマット・ディロンとひさびさに小奇麗な姿を見たブレンダン・フレイザー、最近あんまり見かけなかったライアン・フィリップという青春映画の元アイドルスタートリオ。
時代は異なりますが、ファンだった時があるんですよねぇ・・・（遠い目）
無条件に肯定したくなります。
旬俳優といえば、今回も家族愛と正義の間で揺れるルワンダホテルの支配人ドン・チードル。
日本の公式サイトでは、マット・ディロンより上、2番目に名前がのってます。
じゃぁ、1番目は誰かと言うと、アッパーな役どころは初めて見た気がするサンドラ・ブロック。
下町のお姉さんキャラですが、セレブも似合います。

他にも印象的な俳優さんがたくさんいて、書ききれないのですが・・・。
出演者が豊富で、色々な話が織り交ざっていくと、ふつう、「こいつはいらないんじゃん」みたいな人物が出てくると思うのですが、この作品には見当たらない。
どこに集中すればいいのか最初は少し混乱しますが、それぞれがどこかで誰かのストーリーと関係していることが最後に分かる。
それでも観終わった後に気分がスッキリせず、何かが残るところが、この監督の特徴になるのかなぁ。

お話は、人種差別を軸にこれでもかってぐらい人間の嫌な部分、理不尽な部分を描き続けます。
興奮したサンドラ・ブロックが投げつける辛らつな言葉には、私はうなずいてしまう部分もありました。
アメリカならではのストーリーとも言えますが、まったく自分に関係ないと言い切れない気もしてます。
だって・・・・外国人にバックをひったくられた後に、家の鍵を取替えに来た人が外国人だったなんてことは、日本でもありそうでしょ？
拉致問題が話題になった時、チマチョゴリ姿の高校生が嫌がらせされたりしたでしょ？
今の日本なら外国人と日本人という分け方になるのだろうけど、そのうちこのボーダーラインは曖昧になっていくと思うんですよねぇ。
そんな時に、聖人のような自分でいられるかなぁって思うと微妙。
というか・・・どっちの人間になるのかって事が最重要課題かもね。
ペルシア人の娘ドリの賢さと冷静さが持てるといーんだろーなぁ。

マット・ディロン演じる警察官の言動は病的で、あれは立派な犯罪だと思うのだけど・・・最後に彼が取った行動もまた彼の一部だと思うと頭がおかしくなりそうです。
とにかく、人生の皮肉というか、割り切れない感情をテンポよく描き続けていくので、飽きることなく最後まで観れました。
「大事なのは意味じゃなくて今なんだ」
これはこの次に記事アップするかもしれない【ＴＡＫＩ183】の中のセリフ。
なんだか、この作品にしっくりくる。

ところで・・・サンディ・ニュートンってなんであんなに細いのぉ？！
33歳だって。
若いのか老けてるのか判断しかねるけど・・・あんなカラダになってみたい。
走るの速そうです。