ハートプラス・プロジェクト

「苦しんでいる人を助けたい」そんな気持ち=ハートがあれば、いろんな知識やスキルをプラスしませんか?

そのAED使えますか?

2015-05-27 20:45:16 | CPR & AED
スタッフ Q です。

AEDが一般の人にも使えるようになって10年ほど経ちました。
認知度も・・・ぼちぼち?

さて、赤十字の講習では、AEDは、

1.電源をいれる(フタを開けると電源のはいるタイプもある)

2.最初の音声ガイダンスをちゃんと聞く

と教えます。

「2」意外と大事です。


それは、AEDには各部品に使用期限等があり、
適切に管理されているか?わからないケースがあるからです。

なので、いざ電源をいれてみたものの・・・バッテリー切れ

なんてコトがありうるのです。
(だから、ちゃんと聞いて、動くモノか確認する必要があるんですね)

その他、パッド(電極)も使用期限があります。

バッテリーは、約5年、パッドは2~3年くらいが使用期限です。


ある市で、市内のAEDが適切に管理されているか?調査したところ、
適切に管理されていたのは全体の15%ほどだった、ということがあったそうです。

AEDが販売され始めた当初は、売った方も売りっ放し状態で、
パッド、バッテリーの期限切れというのがよくあったらしく、
現在では、売る方もきちんと管理するよう通達されているらしいです。

AED本体も、耐用年数が7、8年ほどらしく(使っていなくても)、
消耗品含め、購入するよりは、「リース」が主流となって来ています。

リースは通常、消耗品の管理等も含まれているので。


みなさんも近くにあるAEDをいちど注意深く見て下さい。


こんな風に見て分かるようになっているのが「適切」です。




あと、本体のカバーに小さな小窓があって、中が「チカチカ」と点滅していたりします。
それは「ちゃんと機能しますよ」という印です。
(上の写真では、ちょっと欠けてますが、右上のトコにあります)


心原性と呼吸原性・・・

2015-05-24 08:44:27 | CPR & AED
スタッフ Q です。

新年度が始まり、GWを過ぎると、県内の各小学校で救命の短期講習が始まります。

指導員もフル回転です(ちょっと大袈裟)。

毎年、体育の授業で水泳が始まる前に「心肺蘇生&AED」のやり方をおさらいする、
そんな感じです。


水の事故に備えて・・・ということですが、「一般の救命講習」は、

普段の社会生活 という環境において

成人の心停止

を「主な対象」にしています。

その場合、「心室細動」による心停止の可能性が圧倒的に多いので、胸骨圧迫からのCPR、
AEDによる除細動が効果的です。

最近、よく言われる「人工呼吸無しでの救命率の方が高い」というのも、このケースです。
(この件に関しては、また詳しく書きます)

このような「心臓疾患(急性心不全や急性心筋梗塞など)」による心停止を 心原性心停止
といいます。


しかし、心停止にいたる原因は心臓疾患だけではありません。

気道に異物などが詰まったり(気道閉塞)、水に溺れたりして呼吸が出来なくなって、
カラダが酸欠になって心臓が停まる。

このような呼吸から止まって心停止に至るものを呼吸原性心停止
といいます。

子どもの場合、呼吸器系の発達が未熟であったり、ぜんそく等の疾患、
さらに小さな子どもであれば、モノを口の中に入れてしまうという事故により呼吸が止まって、
心停止に至る。そんなケースが多いのだそうです。

さっきまで、きゃっきゃ言いながらテレビ観てたのに、気がついたらぐったりしてた・・・

そういう事例ですね。


この場合、「人工呼吸」が重要になってきます。
赤十字の「幼児安全法」では、子どもの場合は、人工呼吸の準備ができしだい、
胸骨圧迫の途中でも止めて、人工呼吸を始める、としています。

呼吸停止が先に起こった場合、心臓は直ちに停止しません。
意識がなくなっても、しばらくは動いています。
体内酸素の低下とともに脈が弱くなっていきます(徐脈といいいます)。
そして、心停止(この場合「心静止」)に至ります。


カーラーの救命曲線というものがあります。

正確性に問題があり、とも言われていますが、「心原性心停止」」と「呼吸原性心停止」を
理解するのに都合が良い資料です。

心原性心停止は
 心疾患により突然心臓が止まる(心室細動)。血流が停まるので各臓器も直ちに止まる。
 (呼吸も直ちに止まるので、「意識なし、呼吸なし=心停止」と考えてよい)

呼吸原性心停止は
 呼吸が止まるが、体内の酸素を消費するまで各臓器は動く。
 なので、心臓が止まるまでには数分~10分程度、時間がかかる。
 したがって、呼吸停止からの時間が短ければ、人工呼吸だけでも効果があり、
 さらに短い時間であれば、「気道確保」だけでも自発呼吸が再開するときがある。

ということになります。


そして、水の事故の場合、少々やっかいで・・・

どちらの心停止も起こる可能性がある!

ということです。

「溺れた」ならば呼吸原性心停止ですが、
いわゆる「心臓マヒ(という疾患はないのですが)」であれば心原性心停止でしょう。

どちらなのか?は、普通はわかりません
(病院であれば、モニターとか繋げているのでわかるかもしれませんが)。


水の中であれば、水面にあげて、まず出来るコトをする=人工呼吸ですね
(水面で、心臓マッサージはできません)。

出来るだけ早く陸地(プールサイド、ボートなど)に上げ、胸骨圧迫、AEDとなります。

大事なのは、どちらの心停止パターンも可能性があると考えて対応することです。
制限された環境下では出来るコトから始める。そして、使えるモノはすべて使う!です。

餅をノドに詰まらせて、という事故がときどきあります。
心停止に至った場合、呼吸原性心停止ですが、通報を受けた救急隊は通常、
AEDを装着します。
(呼吸原性心停止なら、ふつう心静止なので除細動の対象外=AEDは働きません)

それは、餅が気道閉塞して呼吸停止が起こったのか?
心疾患で、心停止が起こり、意識を失って口のなかの餅がノドに落ちたのか?

どちらかを証明するものはないから、です。


普通の社会生活において、成人が突然倒れた!というケースを想定した場合、
一般的な救命講習でならうことで充分です。

しかし、水に触れる機会の多い方は、上記ように少々複雑です。
ぜひ、よく理解していただきたい、と思います。


最後に、ざっくりですが・・・簡単に



          成人   子ども
     
普通の社会生活   心原性  呼吸原性

激しい運動等の最中 心原性  心原性

水の事故      両方   両方


あくまでも、参考ということで


生意気かもしれませんが・・・

2015-05-17 10:51:50 | スタッフの日常
スタッフ Q です。

そのうち他のスタッフも登場しますので、気長にお待ちを。


わたくしは、こう見えて?赤十字水上安全法の指導員もやっています。
そんな Q の趣味は、「スキューバダイビング」です。

インストラクターでも何でもないですが、足掛け10年以上のキャリアがあります
(長いだけ、という言い方もありますが)。


で、昨日の土曜日、久しぶりのダイビングに行ってきました。


そこは、ビーチからザブザブと海に入って潜るビーチダイビングのポイントです。
ビーチと言っても砂浜でなく、小砂利だったりゴロタだったりするところです。

ダイビングでは、基本、海に入るとき(エントリー)と海から上がるとき(エキジット)は
レギュレター(レギュ)をくわえます。

スノーケルを口にするパターンもありますが、呼吸源の確保という点から考えると、
レギュの方が安全で安心です。


波打ち際。水深の浅いところでは、浮力の確保が出来ません。
そして、ダイビングの装備は大変重いです。

10Lのスチールタンクは(空の状態で)12kgあり、平均的な男性なら、
ウェットスーツのときで3~4kgのオモリをつけています。

そんなところで転んだらイチ大事です。

というワケで、エントリー、エキジットは口にレギュが基本です
(まぁ、イントラでもない自分が言うのも気が引けますが・・・)。


しかし・・・これを実践しているダイビングインストラクターやガイドは、
ほとんどと言っていいほど見かけません。

毎日のように海に入っている「職業ダイバー」は、「慣れて」ますから、
転ぶこともないのでしょう!

ただ、ゲスト(お客さん)は、それを見てどう感じるでしょう?

というか、単に真似しますよね。



昨日の海は、午後からすこしウネリが出てきました。

自分たちがエントリーポイント(ゴロタの足場の悪いところです)に着くと、
先行のグループが海から上がって来るところでした。

ひとりの華奢なダイバーが、ウネリに翻弄されながらフィンを脱ぎました。
そして、それを岸に向かって投げる(手を空けたいのですね=正解です)。

その後でした。


彼は、ヒザ丈ほどの水深のところで、コケました。

レギュはくわえていません。

2度ほど波をかぶりましたが、幸い大事には至りませんでした。


自分とガイドさんは、その様子を離れたところで見ていたのですが・・・

ガイドさんは、学生の頃「潜水部」だったようで・・・
「あんなこと(危険な行為)したら、先生にぶん殴られましたね」
って言ってましたね。


お客さんあっての商売ですので、厳しいコトは言えないことはわかりますが、
「手本」を見せることは出来ると思うんですね。

伊豆は、ダイビング事故の多いところでもあるので、そのあたりも気にして欲しいなぁ

なんて生意気にも思ってしまいました。



休日でも、そんなこと考えてます。
水の事故は、ケガを通り越して生命に関わることが多々ありますからね。



わたしたちは、ナゼ「勉強会」をやるのか?

2015-05-12 20:08:24 | 救急法勉強会
スタッフ Q です。

講習指導員として、普段(といっても仕事ではないので月に1回とか2回ですが)
救命手当や応急手当を教えているわけですが、それ以外に「勉強会」という機会を設けています。

いくつか理由はありますが・・・


1 講習がすべてではないから


2 講習の内容は、変わるものだから



ひとまず、こんな理由からです。


1 講習がすべてではないから

赤十字では、救命と応急手当の両方を学ぶ「救急員養成講習」というのがあります。
3日間の日程で、かなり幅広い内容です。

3日間・・・受講してみると長いような?短いような?
しかし、社会人であれ、学生であれ、休日を3日間費やす、ということは大変です。

そんな大変な思いをして受講して下さっても、テキストの隅から隅まではできません。
実技もそうです。まずは、覚えてもらうため、様々な「前提」があるワケです。

たとえば、心肺蘇生では、都合良く協力者が現れ、心肺蘇生も交代してくれます。
実際、そんな都合良くいくとは限りません。

骨折の手当では、副木に「ソフトシーネ」という医療用の器材を使いますが、
こんなの、そこいらへんのドラッグストアじゃ手に入りません。


なので、当「勉強会」では、手当がそれなりに身に付いてきた人には、
講習の「前提」をとっぱらった状況の練習をしてもらったりします。
(初めての方は、講習のように初歩的なコトからやりますよ)


2 講習の内容は、変わるものだから

これは、医学的根拠に基づき、「より効果が期待できる方法」へ、と変わるケースと、
「一般の人」にも手を出してもらいやすいように、できるだけ「簡素に」とか
「難しい判断はさせない」ような観点から変更されるケースがあります。

なので、何年か前のテキストに載っていた手当(手技)が無くなっていたり、
ということがあるワケです。

たとえば、過換気症候群=過呼吸の手当では、以前はペーパーバッグ法といって、
自分の吐いた息を吸わせる、という手当がありました。

確かに、この方法で治るケースもありましたが、手当が行き過ぎて、
「酸欠」に陥ることも実際にあるそうで、現在、この方法は手当としては
教えないことになっています。

その他にも、無くなった手当(手技)や変更された手当(特に心肺蘇生)はあります。

今後も小出しにして(笑)お伝えしていこうと思います。



以上のようなコトから、多くの人に「講習」を受けてもらいたいのですが、

講習が終わったら、そこからが「始まり」と思ってもらいたい!

と思うのです。

わたしたちの「勉強会」は、そのお手伝い、フォロー・・・そんな代物?ですかね。


そして・・・このブログもその一環・・・というコトにしておいて下さい。


5月度 救急法勉強会レポ

2015-05-10 10:06:30 | 救急法勉強会
昨日9日、5月の勉強会を行いました。

最初に、20分程・・・「酸素」のハナシを。

みなさん、人は酸素を吸って、二酸化炭素を吐いている・・・と思ってませんか?


空気中の酸素の比率は約21%です。
人は、空気を肺に取り入れ、全体の3~5%にあたる酸素を使います。

酸素だけでみると、空気中の酸素の約1/7~1/4の酸素だけが消費されるわけですね。

つまり、吐いた空気のうち16~18%は酸素のままなんです。
(だから吐いた空気でも人工呼吸が有効なのです)

ところで、高い山に登ると「高山病」になる人がいます。

「空気(酸素)が薄いから・・・」と一般に言われていますが、
標高3000mで、濃度は2/3くらい。
だったら、地上での酸素の半分以上ある筈なのです。

「量的には問題ないのでは?」


そんな「はてな?」を解くハナシなどをしました。


そのあと、初参加していただいた方のリクエストにより「心肺蘇生&AED」を。


時間が短いので、基本的なコトしかできませんが、そこは回数を重ねてもらいましょう。
(参加の継続を期待しちゃいます)


さて、この心肺蘇生ですが、ハートプラスの勉強会では、
少しだけ普通の講習からアレンジさせてもらってます。

それは、心肺蘇生を開始するときに「何時何分、CPR開始!」と言うこと。
(AEDのショックのときも「何時何分、1回目のショック」などと言うようにしてます)


救急隊に引き継いだ際、必ず訊かれる筈です「心停止確認は何時ですか?」と。

答えられないのは仕方ありません。
そんなときに、冷静でいられる一般人なんて皆無でしょうから。


でも、せっかく勉強会で「研鑽」するワケなので、
ここはひとつ「習慣」をつけてもらおう!という試みです。


スタッフ含め、慣れないことなので、

「あ、時間言うの忘れたっ!」

てこと連発です(笑)。


で、気づいたコト。


アナログ時計は、時刻確認が瞬時にできねーーーー。



じゃあ「デジタルか?」ってコトになるのですが、
日本航空のCAは、秒針付きの腕時計(=アナログですね)の着用を
義務づけられているそうです。

フライト中に、体調の悪くなった方の「脈」を診るためです。

確かに、脈を測るなら(通常15秒はかって4かける)、アナログの方が都合いい。


だったら、こんな腕時計がいいのでしょうかね?




レスキュアー(救助者)のための、お洒落でカッコいい、機能的な腕時計、
どこかのメーカーでつくってくれないですかね?
(まぁ、ランニング用のやつで、指を添えると心拍数の出るのがあるらしいですが)


今回は、高校生も2人いて、平均年齢がグッと若くなった(笑)勉強会でした。




勉強会は、毎月第2土曜日の19時から21時です。
都合のつく時間だけでもいいです。
親子での参加も問題無しです。

参加は「無料」

動きやすい格好で、メモしたりできるよう筆記具もあればいいですかね?
それから「三角巾」があれば、持って来ていただけるとありがたいです。


来月は6月13日になります。

年に2回ほど「防災関連」の勉強会をしたいと思っています。
それが、6月と12月です。

なので、ケガ人や急病人を運ぶ「搬送方法」や、
災害時に役立つ(かも?)ロープワークを予定してます。

関心ある方、お待ちしてます。



救急法・勉強会

6月13日 19時~21時

牧之原市 総合健康福祉センター「さざんか」2F ボランティア室



以上、報告は、スタッフ Q でした。